テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「こんにちは〜」
「こんにちは!」
「いらっしゃ〜い。美優〜洋平さん、久しぶりね〜
あ〜心美ちゃん大きくなって〜。お父さ〜ん!」
「おー美優! 洋平くん」
「あ、お爺ちゃん、久しぶり〜」
「ご無沙汰しております」
「まあまあ、上がりなさい」
「お爺ちゃん、元気そうで良かった」
「うんうん、元気だよ。でも、まあ、あちこちガタは来るよ」
「会社、辞めちゃうの?」
「う〜ん、こんな歳まで置いてもらってたのが特例だからな。もう十分だよ。早く、次の者に席を空け渡さないとな」
「そっかあ〜常務が専務になられるの?」
「そうだなぁ〜あの人もイイ歳だから、なっても1年か2年だけどな」
「えー? そうなの?」
「まあ、1、2年は専務になってもらって、美優のパパに常務の席に着いてもらおうかなあ〜と……」
「え? そうなの? 秘書はどうなるの?」
「美優の後任の片岡さんが、パパの秘書になるだろうな」
「そうなんだ、じゃあ、私は戻れないなぁ」
「もう戻るのか?」
「ううん、まだ、ここちゃんと一緒に居たいし……」
「なら、ちょうど1、2年後には、またパパは専務になるかもな」
「えー! お父さん、すごい出世だね」
「まあな、美優が今すぐに戻りたいなら、専務秘書でもイイし、2年以降なら常務秘書でもイイし……パパを避ければ大丈夫だ。まあ、ワシは今年で終わりにするよ」
「そっか〜長い間、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした」
洋平は、ずっと専務である祖父の話を黙って聞いていたが……
実は、内心では……
──え? |お義父様《おとうさま》が
常務取締役? さらに1.2年後には、専務?
と、驚きを隠せなかったのだ。
──なんだか、ホントにすごい家系だなぁ〜
「洋平くんも出世してもらわないとな、もう総務部長になるか?」
「あ、いえ、滅相もないです。私は技師職からですので、電気事業部が好きです」
「洋平は、実力で次長、事業部長になる人よ」
「うん、そうだな、そのまま常務だな。なら最後はやっぱり専務だな。美優のパパの後押しがあれば大丈夫だよ。アハハハハ」
「恐縮です」
ここちゃんと、祖父母は遊んで、楽しいひとときを過ごした。
「じゃあ、そろそろ〜。また遊びに来るね」
「うん、近くなんだから、いつでも来てね」
「ありがとう〜」
「ありがとうございます」
「洋平くん、じゃあまたな」
「あ、はいお邪魔しました。また、会社で……」
散歩がてら歩いて行ったので、抱っこ紐を洋平にして
もらったら……
「今の子は、パパが抱っこ紐するの?」
「あ〜お休みの日は、時々してもらってるの」
「まあ、私たちの頃には考えられなかったわ。
イイわね、今の子は……」
「ふふ、子育ては夫婦でしないとね……」
「ふふ、じゃあね〜バイバイ〜」
「ここちゃん、バイバイ〜」
「バイバイ〜」
「洋平、なんかごめんね」
「どうして?」
「お爺ちゃんが出世出世って……」
「あ、いや、すごい家系なんだなとは思ったけど、
俺も頑張ろう! って思ったよ」
「うん、洋平なら大丈夫!」
「ふふ」
「抱っこ紐、絶対言われると思った」
「まあな、昔の人はママがするものっていう固定観念があるからなぁ〜」
「うん、私たち本人がイイならイイよね?」
「うん、俺は全然大丈夫! ここちゃんを近くで見れるし……」
「良かった」
「この前もさあ、お婆ちゃんと話してて……
YOASOBIが好きなの〜って言ったら、お爺ちゃん急に怒りだして……美優! 乳飲み子が居る主婦なのに、夜遊びはイカン!って、めっちゃ怒られたの」
「私、一瞬、キョトンだよ。
お爺ちゃんYOASOBIなんて知らなくて……ホントに夜遊びしてると思われたよ」
「ハハハハ、美優〜夜遊びはダメだよ」
「してないっつうの……」
「お婆ちゃんは、知ってたから2人で曲を聴かせて
一生懸命、説明したわよ」
「そしたら、ようやく納得してくれて……たぶん、
そろそろ若者とのジェネレーションギャップを感じてるんじゃないかなあ?」
「そっか〜もっと色々若者のこと、教えてあげないとな」
「私たちも、もうあまり分からないわよ」
「まあな……だんだん|老《おい》を感じる」
「ヤダ〜洋平、まだ若々しく居てよね」
「うん、頑張るよ♡」
「なんか、洋平が言うと、違うように聞こえるのよね〜」
「そんなことないよ♡」
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!