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紫秋_4aki.
4,137
午後立ち
124
ポテサラ
160
屋上に、誰も喋らない時間が流れる。
風だけが吹いていた。
フェンスが小さく軋む。
その音が、妙に耳についた。
「……えっと」
何か言おうとしてみる。
でも、何を言えばいいのか分からない。
みんな、怒ってる。
……なんで?
「らっだぁ」
きょーさんの目がが俺を捉える。
「帰るぞ」
「え?」
「もうええ」
短い言葉。
けど、その顔は全然『もうええ』って顔じゃなかった。
「いや、でも」
後ろを見る。
まだ何も終わってない。
呼び出した本人たちもいる。
「話、終わってないから」
そう言うと。
「だからや!」
ゾムの声が響いた。
思わず肩が跳ねる。
「何で終わらせようとすんねん!」
「っえ、」
「お前が謝る話ちゃうやろ!」
分からない。
何でそんな怒ってるのか。
「でも、」
言葉を探す。
「⋯謝れば済むし」
その瞬間。
三人とも、苦しそうな顔をした。
……なんで。
俺、変なこと言った?
「済まへんわ」
きょーさんが小さく言う。
「そうやって済ませてきたから、今こうなっとるんやろ」
俺は別に困ってない。
ちょっと呼び出されただけで。
まだ殴られてもないし。
これも、いつも通りだし。
「らっだぁ」
今度はぐちつぼだった。
「一個だけ聞くけど」
「ん?」
「⋯嫌じゃないのかよ」
その質問に、少し考える。
嫌。
⋯嫌、か。
「……面倒ではあるよ」
正直に答える。
「でも、」
少し笑う。
「それくらい普通じゃない?」
三人がまた黙る。
『違う』
『そうじゃない』
そんな感じの顔をしている。
でも。
俺には、その『違う』が分からない。
だって、今までもずっとそうしてたから。
何も違わないんだ。
俺が今までやってきたことと、全部同じ。
「俺が我慢すれば終わるじゃん」
「……⋯」
「それでみんな普通に戻るなら、その方が早いしさ」
静かだった。
風だけが吹いている。
「普通じゃない」
ぽつり、とぐちつぼが言った。
「え?」
「普通じゃないだろ、それは」
その言葉が、胸に引っかかる。
普通じゃない。
⋯何が?
「だってさ」
思わず笑ってしまう。
「昔から、ずっとそうだったし」
そう言うと。
きょーさんは目を閉じて、小さく息を吐いた。
ゾムは何か言いたそうに口を開いて、閉じる。
ぐちつぼはただ、俺を見ていた。
三人とも。
なんでそんな顔をするんだ。
本当に分からなかった。
ただ、
俺のせいで、また何かが壊れてしまったんだと、そう思った。
それだけは確かに、ぼやけた頭の中で理解した。
風が吹く。
誰も動かない屋上で。
俺だけが、取り残されている気がした。
NEXT=♡2000
前回言い忘れましたがフォロワー様300人ありがとうございます(人*´∀`)。*゚+
これからものんびり読んでやってくださいませ(*´ω`*)