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車を駐車場に停めると私はポポのキャリーを、彼は犬用ゲージやドックフードの缶詰の段ボールなどを私の家に運んでくれた


「ドライバーある?」



当たり前のように彼がポポのペットゲージを箱から出して組み立て始めた



私はそれをコーヒーを入れながら眺めた、もう見逃せない私たちの間には何かが・・・交渉や妥協の必要な何かがあるような気がしていた


でもまだ男性とお付き合いするのは心の準備が出来ていなかった


とはいえ彼を家の中に入れない理由も見つからなかった



私はそのまま柚彦君の細い割には広い肩幅と力強い背中に張り付くシャツに気を取られていた



「本当はコイツを風呂に入れてあげたほうがいいのかもしれないけど・・・今日は疲れているようだから、明日にした方がいいよね 」



自分でもどうかしていると思うのだが、私は彼の声が好きでたまらなかった


ゆったりとした華奢な体の割には、低いバリトンが体の内側に入り込んでなんだか安心するような声だった



「ずいぶん手馴れているけど犬を飼ってた経験があるの? 」



「小学2年から10年間、柴犬と一緒に暮らしていたんだ、彼は今でも僕の唯一の親友だ 」



「そうだったの・・・ 」



彼の隣にしゃがみこみさっぱりとカットされた、うなじや、うつむくと前下がりになる豊かな髪を、撫でつけたくなってしかたがない衝動にかられた




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