胸の少し上の辺りから、じわっと空気が膨れた感覚がした。
瞬く間に迫り上げ、比例するように目が細くなり、口が開く。
まずい、と思うより先に、
「ふわぁ……」
声が漏れた。
咄嗟に手で口元を覆うが、我ながら隠し切れない特大の欠伸だ。
収まってから、何事もなかったように澄まし顔でつり革を持ち直し、空いた手で目尻に滲んだ涙を拭った。
「……ふ」
すると、下の方から、微かながらも、笑ったのだとすぐにわかるような音が聞こえてきた。
反射的に私の前の座席に座る男性を見下ろすと、目が合った。
「っ、部……!」
理解した瞬間に叫びそうになった私を、目の前の男性が、すかさず自分の唇に人差し指を押し当てて止めた。
悪戯っ子のような顔をして、ウィンクをした森田部長に、私は満員電車の中でいらぬ注目を浴びずに済んだことに感謝しながら、少しだ***********************
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