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「あの先生・・顔色悪く無い?」
「本当それ!大丈夫かな?」
職員室へ向かう駿の顔は蒼白で、すれ違う人が心配してしまうほどだった。
寝不足だというのもあるのだろうが、1番はやはり風俗の件だろう。
「どうしよ・・・ああ、風俗なんて行かなきゃ良かったよ」心の中でそう呟きながら職員室の扉に手をかける。
「ああ!もうなるようになれだ!」駿は当たって砕けろ精神で職員室に入る。
しかしこそこには、いつもと変わらない風景が広がっていた。
授業前に書類をまとめる同僚教師。
なぜか職員室でゴルフのフォームの練習をしている先輩教師。
新聞を読みながら優雅にお茶をすする教頭。
いつもと変わらない日常がそこにはあった。
朝の点呼も普通に時間が過ぎた。
梓の様子も至って普通で、いつも通りという印象だった。
「やっぱり考えすぎだったのかな?」
駿は自分を苦しめていた悩みが、想像以上に小さかった現実にホッと胸を撫でおろす。
しかし、やはり不安が完全に消えたわけではない。
昨日見た梓が実は別人だったという可能性もあるかもしれないが、駿は事の真相を確かめるまでは安心できなかった。
駿は放課後に教室へ行き、梓本人に確かめることにした。
「金森?まだ居るかな?」駿が教室に入り呼びかけると「はぁーい!ココで一す!」
数人の友達と楽しげに談笑していた梓は元気よく手を天高く突き上げる。
「ちょっといいかな?聞きたいことがあるんだけど」
「えー?今ですかー?ちょっと忙しいんですけど一」梓はうんざりした様子で答える。
「すぐ済むから!」「はーい!分かりましたよー」
梓はやれやれと言った様子で席を立ち駿の元へ向かう。
「なんですか?」
「その、ここだとアレだからさ、ちょっと場所変えてもいいかな?」駿は周りの目を気にしながら、小声で呟く。
「いいですよー」
駿は梓を連れて、人目につかない体育倉庫に向かった。
夕陽に照らされた放課後の体育倉庫に女子生徒を連れ込む男性教諭。
事情を知らない他人が見たら、危ない香りのする状況だが、駿にとっては、風俗の件がバレてしまう事は職を失う事に直結する重要な話のため、こんな場所しか思いつかなかった。
「先生ったら、こんな場所に生徒連れ込んだりして、なんか危ない事考えてない?もしかして私やらしい事されちゃったり?きゃー❤︎」
梓はあからさまに駿を挑発するようにオーバーリアクションをする。
「か、考えてないって!!」駿は頬を桜色に染めながら否定する。
「いや、生徒と先生が体育倉庫とかもう、そういうヤツじゃん!」
「だから違うってば!」
「ならなんでこんな場所に呼び出したの?」
「あの・・その・・あれだよ・・いやあ・・何て言ったらいいか・・あはは」
駿はしどろもどろになりながら応える。
「私・・分かるよ?」梓の一言で駿の表情から恥じらいが消え、全身の血の気が引く感覚が駿を支配する。
同時に額にうっすら滲んでいた汗が一気に冷え、全身に悪寒が走り、体がブルッと震える。
「わ、分かる?分かるって何が?」
「風俗のこと・・黙っててほしいんだよね?私・・分かるよ?」
梓の言葉に駿はあからさまな焦りを見せる。
「あ!焦ってる!焦ってる!先生可愛いなぁ❤︎」
梓は焦る駿の脇腹を人差し指でツンツンと突きながら笑みを浮かべる。
「やっぱりあれは・・金森だったのか・・」
昨日の生徒が予想通り梓だったという現実を目の当たりにして、駿は目の前が真っ暗になる感覚に苛まれる。
「私驚いちゃったよ!先生がふうぞ 」
「ちょ!声がでかいって!!」駿は風俗と口にしそうだった梓の口を両手で塞ぐ。
「ちょっと先生!乱暴しないでよね!」「あ、ご、ご、ごめん・・・」駿は焦った様子で手を離す。
「風俗嬢にも、こんな風に乱暴してたんでしょー?いやらしいなぁ先生は❤︎」
「いや、誤解だって!俺はそんな乱暴は」
「あー!」 梓は駿の言葉を遮るように大声を出す。
「な、なんだよ!?急に!」
駿は急に声を張り上げる梓に問う。
「いや、風俗嬢を否定しないって事は、やっぱ先生ってば、昨日風俗行ってたんだなぁ〜って思っただけ」
梓の言葉に駿は動揺する。
「あ、いや、今のは違くて、その、えっと、あの」
「先生、焦り過ぎだってば!きゃはは!やっぱ先生可愛い❤︎」
「まぁ、バレてるよな・・あはは」
「先生ってば嘘下手すぎだよ」
「あはは・・まいったな・・・」
駿は額に滲んだ汗をスーツの裾で拭う。
「でもさ、教師が風俗はダメだよね!風俗
は!」
「その事なんだけどさ・・できたら昨日のことは」
「いいよ!」「え!?」駿は梓の予想外の発言に戸惑うように目を見開く。
「いや、え!?じゃなくて!黙ってて欲しいんでしょ?!その為に私を体育倉庫に呼び出したんじゃないの?」
梓は駿に呼び出された瞬間から察していたようだった。
「本当に?本当に黙っててくれるの?いやぁ、助かるよ金森!」
「でも、黙っててあげる代わり条件がある」「あ、お金だろ?今だったら」
「あ~あ、嫌だ嫌だ」
駿の問いかけに梓は、不満そうな表情を浮かべながらうんざりした様子。
「え?嫌?」「お金で解決しようなんてさ!先生って汚い大人なんだね❤︎」
「いや、だったら条件ってのは?」
「”先生の”見せて」梓は不適な笑みを浮かべる。
「ん?先生の?先生のってなに?」
駿は梓の出した条件の意味がわからず首をかしげる。
「嫌だなぁ先生!分かってるクセにとぼけちゃってさ!”先生の”って言ったら”先生の”だよ!」
「だから俺のなんなんだよ」
「女の子の口からそれ言わせる気?それだよ!そ〜れっ❤︎」
枠は笑みを浮かべながら、駿の股間を指差す。