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『なぁ、いっつもああなのか?』
燈色の髪の少年はベンチに座った白髪の少年の手当をしながら静かに聞いた
「い、つも……?」
『……さっきの、いじめ。』
ちらり、と白髪の少年の顔を見てからため息混じりにもう一度。
「……」
白髪の少年はぐっと眉を寄せ口をきつくつぐんだ。
『……俺は燈和野。燈和野杏太。お前は?』
「…あわの、かなた、です、」
燈色の髪の…燈和野は、白髪の…淡乃の瞳をじっと見つめた
淡乃はその視線が怖くて顔を更に伏せて目線をそらす
『目、不思議だな。』
「……」
いつも言われる言葉が頭を埋め尽くす
“気持ち悪い”
“普通じゃない”
“嫌い”
何度言われても慣れることができない言葉
『……宝石みたいだな。キラキラしてる。』
「ほーせき、?」
『そう、宝石。キラキラ輝いて、眩しい』
今までにない、想像もしなかった言葉に顔を上げ燈和野をじっと見つめた
しっかりと目線を合わせて逸らされないその瞳は太陽のように澄んでいた
“綺麗”
“素敵だね”
“愛してるよ”
誰かの声が頭に響く
誰の声だったか、わからない、思い出せなかった
『なっ、!?なんで泣くんだよ?!』
「っ、な、ないてない、!!ひわのくんのかんちがい!ばーか!」
赤と紫の宝石から大きくあふれたのは綺麗な雫で、久しぶりの優しい言葉と、思い出せない声のせいで少しだけ
ほんの少しだけ、淡乃は笑った