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私は静かな路地裏へ向かう。
街灯がチカチカと地面を灯す。シャッター街に着くと黒猫を見つけた。
黒猫はまるで私をこちらへ来て欲しいようにこちらを見ていた。
私は黒猫について行くことにした。
シャッター街の突き当たりを右に曲がった場所、昭和みたいな時計屋が辺りを灯していた。
「ここが時計屋……」
私は店に近づくと右側にまた黒い猫がいた。真っ直ぐ行くように誘導されているみたいだ。
私は薄暗い一本道を進む。道路の補正が行き届いてないのかボロボロだった。空き家の敷き詰められた細い細い道を渡り、ガスボンベに脚をぶつけてしまう。
「いた…………」
私は上を見上げると大きな目玉がひとつ浮き出ているように見えた。
目玉は充血していた。これは幻覚だ。
私は走って先に進む、するとそこには薄汚いビー玉が落ちていた。そして黒猫の死体。どちらも見た事があるもの。
黒猫のクロ、昔私がおばあちゃんに貰ったビー玉。このビー玉はとても綺麗でそして魔除になる、と言われていた。
私はクロの死体を持ちビー玉をポッケに入れ先程の道を引き返す事にした。
「さっきの目玉のとこも通るのか……嫌だなぁ」
と思いつつも恐る恐る先に進む。すると目の前が真っ暗になった。
私は驚いて顔を上げると先程の目玉がこちらを見ている。何か言いたげに。私は驚いて座り込んでしまった。
辺りを見回すと目玉が増えており充血した目でこちらを見ている。
心臓がバクバク言っている。怖い。
クロちゃんとビー玉を持って目を瞑りながら走った。
すると先程の時計屋まで戻ることが出来たようだ。
……ビー玉のおかげだろうか。
私は静かに時計屋のドアを開ける。
そこには夢と見た人と全く同じ人が座っていた。