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「あなたがはかりさん?」
単刀直入に聞いた。はかりさんは静かにこくりと頷く。私は重いドアを閉めた。
どこか懐かしいような時計屋、右奥には部屋がある。はかりさんは木のテーブルで時計の修理をしていた。
「来てくれたんだ。夢以来だよね。いらっしゃい」
やっぱり夢は夢でもはかりさんは知っているのか。なにか特殊能力とかあるのだろうか。
「ん、キミそのビー玉って?どこで拾ったの?」
私は時計屋の右側の道の突き当たりに落ちていた、と答えた。気付くとクロは居なくなっていた。
少し顎に手を当てて何か考え事をしているとすぐに口を開いた。
「もしかして目玉見た?」
目玉……道中で見かけたアレだろうか。
私は小さくこくりと頷く。前まで霊感とか無かったのに。なんでだろうか。
「キミ死のうとしてたでしょ。」
図星。なんで分かるのだろうか。
死のうとした事が原因なのか?
はかりさんは詳しく説明してくれた。
「死のうとした人は一時的に霊が見えるようになる。霊たちが死なないようにするために。
だが君が死のうとした事で世界の秩序が崩れた。君はそれほど重要な人なんだ。」
「君はたぶん赤寺家の血の人間だ。
昔、陰陽師として活動していたんだ。
その人間は悪い霊たちを収めるために必要だった。
死のうとした事で無害の霊たちは焦って悪い奴らに喧嘩を売った。
だから見えるようになった。」
「元々素質としては良かったんだけどね。」
「そしてそのビー玉は……陰陽師の欠片だよ。
その欠片は魔除の機能を働く。
目玉からも無事だっただろう?」
確かにそうだな。
陰陽師とか霊とか信じられないけど……実際に見たんだもんね。
信じたくないけど……そうなんだ。
そういえば昔おじいちゃんがくれたお祓い棒、使ってないな。
今度はかりさんの所に持っていこう。
「僕の名前は秤健太。君は?」
私の名前は____________