テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
保谷東
ひよこの進化形態
橘靖竜
732
「あなたがはかりさん?」
単刀直入に聞いた。はかりさんは静かにこくりと頷く。私は重いドアを閉めた。
どこか懐かしいような時計屋、右奥には部屋がある。はかりさんは木のテーブルで時計の修理をしていた。
「来てくれたんだ。夢以来だよね。いらっしゃい」
やっぱり夢は夢でもはかりさんは知っているのか。なにか特殊能力とかあるのだろうか。
「ん、キミそのビー玉って?どこで拾ったの?」
私は時計屋の右側の道の突き当たりに落ちていた、と答えた。気付くとクロは居なくなっていた。
少し顎に手を当てて何か考え事をしているとすぐに口を開いた。
「もしかして目玉見た?」
目玉……道中で見かけたアレだろうか。
私は小さくこくりと頷く。前まで霊感とか無かったのに。なんでだろうか。
「キミ死のうとしてたでしょ。」
図星。なんで分かるのだろうか。
死のうとした事が原因なのか?
はかりさんは詳しく説明してくれた。
「死のうとした人は一時的に霊が見えるようになる。霊たちが死なないようにするために。
だが君が死のうとした事で世界の秩序が崩れた。君はそれほど重要な人なんだ。」
「君はたぶん赤寺家の血の人間だ。
昔、陰陽師として活動していたんだ。
その人間は悪い霊たちを収めるために必要だった。
死のうとした事で無害の霊たちは焦って悪い奴らに喧嘩を売った。
だから見えるようになった。」
「元々素質としては良かったんだけどね。」
「そしてそのビー玉は……陰陽師の欠片だよ。
その欠片は魔除の機能を働く。
目玉からも無事だっただろう?」
確かにそうだな。
陰陽師とか霊とか信じられないけど……実際に見たんだもんね。
信じたくないけど……そうなんだ。
そういえば昔おじいちゃんがくれたお祓い棒、使ってないな。
今度はかりさんの所に持っていこう。
「僕の名前は秤健太。君は?」
私の名前は____________