※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。
〈File39:呪詛のかたち〉
「君に伝えなくてはいけないことがある。実は――……」
まだ考えあぐねているように、智世の言葉は途切れてしまった。
クローゼットの中が緊張感で満たされるのを肌で感じた。
宙ぶらりんになってしまった話の続きを待つ間、胸になにかが突き刺さるのを感じた。
痛みなんかじゃない、これは予感だ。
「ともよ……」
また、失くしてしまう予感がした。
「カグヤ、俺は……っ」
掌が吐息で湿る。
いつの間にか私の掌が智世の唇を塞いでいた。
「あ……」
言い訳をしようとして思考が空回る。
智世が驚いたように口を動かしているのが、掌を通して伝わってきた。
だけど心臓の音まで聞こえてしまいそうな沈黙を破ったのは、私でも智世でもなかった。
「――?」***************
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