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※なんでもありなので注意
※地雷さんはばいばい
※伽羅崩壊有り鴨……
rd × pn
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『 逃げ場のない優しさ 』
時計の針は、もう午前をまわっていた。
カーテンの隙間から差す陽光が、ベッドの上を優しく照らしている。
らっだぁは俺の髪に指を絡めながら、静かに微笑んだ 。
「 なぁ、 今日も外、 出たくないよね? 」
問いかけというより、確認だった。
俺は小さく頷く。それしか選べなかったから。
でもそれ以上に ( その声を聞いたとき少し安心してしまった自分がいた ) ことに気づいて、
怖くなる。
らっだぁは笑う。
いつものように、甘ったるい声で。
「 ぺいんとは、ここにいるのが一番幸せだもんね? 」
「 俺のそばで、俺だけの言葉で、俺だけを見て __ そうだろ? 」
その瞬間。
__胸がきゅっと、音を立てた気がした。
何かに抗おうとしていた気持ちが、らっだぁの その言葉ひとつで、
“なにもかも” 肯定されてしまう。
「 ねぇ、…… ぺいんと 」
「 俺のこと 、 怖くない? 」
俺は答えれなかった。 でも視線が逸れたことを見逃さず、らっだぁはそっと額を寄せてくる。
「 大丈夫 。 俺は絶対に手を出さないよ 」
「 お前が望まない限り、なにもしない。なにも奪わない。 」
「 …… だから、 ずっとここにいて 」
__ あぁ、 逃げれないんだ 。
これからも、この優しさからも、この声からも。
それでも、どこかでわかってた。
自分が “ この腕に安心してる ” って 。
「 ……お前が、居なくなる方が怖いんだよ 」
「 ずっと、ずっと、俺のことだけ見てよ、 ぺいんと …… 」
涙が出そうになって必死でこらえた。
でも、らっだぁのその声を聞いてしまった瞬間__、
俺は心の奥でそっと言葉を落とした 。
「 …… やっぱ、 好きだ…… 俺、 やっぱり … 」
自分でも気づかぬうちに、らっだぁの首に腕を回していた。まるで壊れた人形のように、
けれど愛しさだけは確かに。
らっだぁの目が揺れる。
嬉しさと 、安心と、そして狂気が滲んでいた。
「 ぺいんと……愛してる、 ずっと、 ずっとずっとずっと …… 」
その日、2人はもうベッドから離れることはなかった。
昼も夜も、時計もカーテンも必要なかった。
俺にとって、” 世界 “ とはもう、らっだぁ ただ一人になっていた。
。