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この日も特訓だった。
僕は特訓する為の部屋へ向かうと、前と同じようにプログラムを倒していく。
今回は、研究員数人が、見ている。
何に期待して見ているのだろうか。
僕は、変わらず、白い風でプログラムを討伐していく。
相手は強いので、少し怯んだりしたが、なんとか倒す。
また新しいプログラムがやってくる。
僕はプログラムを倒そうと行くが、飛ばされてしまう。
痛い。だが、僕の体には、傷一つも無かった。
僕は、無傷になれる体質だからだ。
その代わり痛みは走るので、少し周りから気持ち悪がられる。
痛くても、プログラムの方まで走って、攻撃をするが、プログラムに攻撃を飛ばされる。
プログラムが、僕を喰らおうと突撃してくる。
(……しんじゃう……!?)
その時、僕の瞳は、強く白色に光り出した。
それと同時に『あの力』が発動された。
──────『運命(さだめ)の力』だ。
僕、特有の力だと、前に研究員から話を聞いたことがある。
真っ白な光が、プログラムを、巻き込むとプログラムを跡形もなく、消し去ってしまった。
それと同時に、僕は疲れを覚えた。
(──────また、このかんじ……。)
僕は、力尽きて倒れてしまった。
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研究員は、そんな僕を見て話し合っていた。
「これが『運命の力』です。いかがでしょう。」
「これは、確かに『彼』に使えそうだな。ロストさんも聞いたら驚くでしょう。」
僕は気を失っていたから、話は何も入ってこなかった。
誰かの声がするな、という程度だった。
「……でもまさか『運命の力』をフォルトゥナが持つなんてな。意外だ。」
「そうですよね。普通は『下級の下級の仮人間』にそんな膨大な魔力なんか持つと、死ぬのに。」
そう言いながら、研究員は僕の方に寄る。
そして、こう言う。
「コイツの力を『どう抜き取って彼に手渡す』か……だな。」
僕は『彼』と言う単語だけ、しっかり聞き取ったような気がした。
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「……ん?」
僕は目が覚めた。
自分の部屋のベッドの上で目が覚めた。
(また、きをうしなっていたのかな。)
前とは違って少し体を動かせていた。
ベッドのすぐ隣に、窓がある。
今は夜のようだ。
星空がキラキラと輝いている。
その時、ふと僕は思った。
──────空になりたい。
(あのおほしさまやくもさんをいろどる……おそらに、ぼくはなりたいな……。)
その時、ザザッ、と砂嵐のような音が頭の中でした。
それと同時に、頭痛が走って、思わず、手を頭に近づけてしまった。
(いたい……!!!)
空になりたいと思っただけで頭が痛くなった。
……『どこかでそう思った事がある』のだろうか。
僕は考えるのをやめた。
あまりの痛さに、布団の中に潜った。
潜っても治らないのは知っている。
だが、どうしても潜りたかった。
苦しくて、痛くて、ずっともごいていた。
数十分くらいして、ようやく治まった。
(いたかったよ……。)
痛くて、思わず涙滲んでいた。
僕はそれを忘れたくて、眠ることにした。
寝ることで忘れてくれれば良いのに、と思いながら僕の意識は遠くなっていった。
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僕は夢を見ていた。
あの時とは違って、僕は映画を見てるような感覚だった。
動けなかった。
傍観者になってる気分だった。
目の前にいるのは、顔はモヤモヤで隠れているが、僕に似た小さな女の子と、僕にまぁまぁ似ている大人の人がいた。
大人の人は、女の子を叱っていた。
更には、女の子を強く叩いたり、蹴ったりしていた。
(……!?それはいたいよ!!!)
僕は止めたかったが、やはり動けなかった。
映画を見てるような感覚だ。
すると、場面が変わった。
今度は、女の子は公園にいた。
周りには、友達と遊んでいる子供達が居た。
この女の子と同い年なのだろうか。
子供達は、僕に似た女の子を見ると、くすくすと笑い出す。
一部は冷たい目で見ていた。
女の子は、そこに居られなくなったのか、涙を一滴零した後、逃げるように走っていた。
その時に聞こえたのはこの言葉だった。
『──────はやくしにたい……!!!!!!!!!』
悲しみと悔しさと怒りがよく伝わるような、自分に訴えるような一言だった。
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気がつけば、僕は泣きながら目を開けていた。
表情は無いと思う。
ただ、目から涙が溢れていた。
(どうして、こんなゆめをみたんだろう?)
そう思うしかなかった。
僕はゆっくりと体を起こす。
窓から見えるのは、広がる青空だった。
この日も、僕は特訓をするんだな、と思いながら、一日を開始した。
だが、数年後、『衝撃な事』を告げられる事に、当時の僕は気づいていなかった。