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続き楽しみに待ってます!
玉折編2!ネタが思いつく度に他のシリーズに手を出すのでなかなか更新できませんでした…(自分のせい)
なんでも許せる方どうぞ!
しばらく海辺で遊んでいたが時間が迫ってきていた。
「傑くん、もうそろそろ…」
「あ、本当だね」
「悟!!時間だよ」
「あ もうそんな時間か」
悟くんがそう言うと理子ちゃんがしゅんとしたような顔をする。
確かに理子ちゃんにとってはもっと遊びたいよなぁ…。
「傑 戻るのは明日の朝にしよう」
理子ちゃんの顔はぱあっと笑顔になる。わかりやすい反応の子やな。
良かったなぁ、理子ちゃん。
「……だが」
「天気も安定してんだろ」
「それに東京より沖縄の方が呪詛人の数は少ない」
「もう少し真面目に話して」
呪詛師のことを呪詛人といった悟くんに傑くんがツッコミを入れる。
「飛行中に天内の賞金期限が切れた方がいいっしょ」
「確かにそうやなぁ」
「だな。というか悟、お前」
「昨日から術式解いてないだろ」
「それは私も思ってたよ」
悟くんの耳元で甚爾と傑くんがコソッと言う。
「悟先輩って呼べって何回言ったら分かるんだよ甚爾!!」
「悟くん、睡眠もしてないやろ?今晩も寝るつもりないやん。本当に高専に戻らんくて大丈夫なん?」
「問題ねぇよ。桃鉄99年やった時の方がしんどかったわ。それに」
「傑も直哉も甚爾もいる」
「珍しくデレか?」
「うっせ!!!!」
甚爾が意地悪く笑って「デレ」と言うと悟くんは顔を真っ赤にして怒鳴った。
「七海!!滞在1日延ばすって!!」
七海は沖縄にいる同級生と先輩に苛立ちがつもった。
その後理子ちゃんたちとカヌーに乗ったりうどんを食べたり水族館に行ったりした。
護衛3日目(同化当日)
都立呪術高専 筵山麓。
15:00(天内理子 懸賞金取り下げから4時間)
「高専の結界内だ」
「これで一安心じゃな!!」
「……ですね」
「…………」
黙り込んでいる悟くんは不機嫌そうな顔をしている。
「悟 本当にお疲れ」
「二度とごめんだ ガキのお守りは」
あ、術式解いたな。
「お?」
悟くんに「ガキ」と言われた理子ちゃんが怒りのこもった声で反応する。
『止まれ』
不意に呪力の言葉が響く。
馬鹿な!!
ここは高専結界の内側やで!!
「アンタ どっかで会ったか?」
声の主はクスッと笑った。
「悟!!」
呪霊操術で操った呪霊に呪言師を食わせた傑くんが悟くんに駆け寄る。
「問題ない。術式は間に合わなかったけど内蔵は避けたし、その後呪力で強化して刃をどこにも引かせなかった」
「悟くん…大丈夫?」
半泣きで俺も悟くんのところに行く。
「ニットのセーターに安全ピン通したみたいなもんだよ。マジで問題ない。だから泣かないで?直哉」
俺は自身の目から溢れる涙を拭ってコクコク頷いた。
「天内優先。アイツの相手は俺がする。傑達は先に天元様の所へ行ってくれ」
悟くんがそう言った直後、傑くんの呪霊がピクッと動く。呪詛師が中から出ようとしているのだろう。
「油断するなよ」
「誰に言ってんだよ」
「悟センパイ、もちろん勝つよな?」
「気をつけてね、悟くん。死体で帰ってくるとかほんまにあかんからね!!」
「大丈夫。直哉も気をつけろよ」
悟くんの唇がおでこに当たった。
なんで今なん─────!?
混乱しつつも傑くんと甚爾と天元様の所へ向かった。
高専最下層
薨星宮 参道
「理子様」
「私はここまでです。理子様…どうか…」
「黒井。大好きだよ」
「ずっと…!!これからもずっと!!」
「私も…!!大好きです…」
まるで映画のワンシーンのような感動場面に俺も少し涙ぐんでしまった。
「ここが…」
「あぁ。天元様の膝元。国内主要結界の基底」
「薨星宮 本殿」
本殿にはでっかい木のようなものがそびえ立っていて、囲むように建物がある。
「階段を降りたら門をくぐってあの大樹の根元まで行くんだ。そこは高専を囲う結界とは別の特別な結界の内側。招かれた者しか入ることはできない」
「同化まで天元サマ?が守ってくれるらしいぞ」
「それか引き返して黒井と一緒に家へ帰るか」
「……え?」
甚爾くんの口から出た言葉に理子ちゃんが目を見開く。
「担任からこの任務の話を聞かされた時、あの人は”同化”を”抹消”と言った。あれはそれだけ罪の意識を持てということだ。うちの担任は脳筋のくせによく回りくどいことをする。君と会う前に悟と甚爾との話し合いは済んでる。直哉にも伝えてる。」
『星漿体のガキが同化を拒んだ時ぃ!?』
『……そん時は同化はなし!!』
『へえ、いいのか?』
『クックッ、いいのかい?』
『あぁ?』
『天元様と戦うことになるかもしれないよ?』
『ビビってんの?』
『大丈夫。なんとかなるって』
「私達は最強なんだ」
「理子ちゃんがどんな選択をしようと君の未来は私達が保障する」
「……私は」
泣きそうなか細い声で理子ちゃんが話し始める。
その様子を俺達はじっと見守っていた。
「生まれた時から星漿体で皆とは違うって言われ続けて」
「私にとっては星漿体が普通で、危ないことはなるべく避けてこの日のために生きてきた。お母さんとお父さんがいなくなった時のことは覚えてないの。もう悲しくも寂しくもない。だから同化で皆と離れ離れになっても大丈夫って思ってた」
「どんなに辛くたって、いつか悲しくも寂しくもなくなるって」
「…でもっ、でもやっぱり」
「もっと皆と…一緒にいたい」
理子ちゃんが目から大粒の涙を流し始める。
「もっと皆と色んな所に行って色んな物を見て」
「…もっと!!」
「帰ろう、理子ちゃん」
傑くんが理子ちゃんに向かって手を差し伸べた。
────その時だった。
「…うん!!」 ──タン。
「…は、」
「えっ」
「理子ちゃん?」
俺と甚爾と傑くんから困惑の声が漏れた。目の前には頭から血を流して倒れている理子ちゃんがいた。
『ハイお疲れ。解散解散』
機械音のような声が響いた。
「なんで、オマエがここにいる」
『なんでって…あぁ、そういう意味か』
『五条悟は僕が殺した』
「さ、悟くんがっ…!?」
俺は目を見張った。悟くんが呪言師に?ありえない。呪言は対呪霊に特化している呪術。対呪術師向きではない。そんなに強いんか。コイツは。
体の震えが止まらなくて焦っていると甚爾が俺を抱きかかえ「一旦距離とるぞ」と言った。
「そうか。死ね」
それからしばらく俺達は呪言師と戦闘を繰り広げていた。にしてもこの呪言師、なかなか呪言を言わない。手持ちの銃を使うばかりだ。
(呪言は対呪術師向きではない。だからこの勝負、勝てるはずなんだが───接近戦に慣れている。というか、武器の扱いに慣れている。くそッ…)
「夏油センパイ、直哉。アイツも3人で一斉に行きゃあ身動きできねぇ(小声)」
「せやね(小声)」
「それで行こう。(小声)せぇのっ」
3人で飛びかかろうとしたら、呪言師の口元がゆっくり動いた。
『ぶっ飛べ』
その直後、俺は意識を失った。
『…はあ、よく見たら禪院の次期当主候補いるじゃん。最悪〜。こっちの口に傷があるやつは天与呪縛のフィジカルギフテッドだし。髪を結ってる方は呪霊操術だし。式神使いなら殺したけど』
呪言師はよっ、と天内理子の遺体を持ち上げ去っていった。
盤星教本部
星の子の家
『はい、どうぞ』
『星漿体 天内理子の遺体、五体フルセットだよ』
「フム、確かに。金の受け渡しは手筈通りに。多少色もつけよう」
『流石教祖様。太っ腹だね』
「マジか?必要経費とはいえかなり協力してもらったのにか?むしろゴネられると思ったぜ」
呪言師は金を受け取ったあと、再度高専へ向かった。そこには衝撃の事実が待っていた。
「よぉ、久しぶり」
『……マジですかい』
「大マジ。元気ピンピンだよ」
悟が髪をかきあげると呪言師は即座に反応した。
『反転術式!!』
「正っ解っ!!」
「オマエに喉ブチ抜かれた時、反撃は諦めて反転術式に全神経を注いだ。呪力は負の力。肉体の強化はできても再生することはできない。だから負の力同士を掛け合わせて正の力を生む。それが反転術式」
「言うは易し」
(ペラペラと… !! …コイツ)
(ハイになってる…?)
「俺も今までできたことねーよ。周りで唯一できる奴は何言ってるかサッパリだしな」
「だが死に際で掴んだ呪力の核心!!」
「オマエの敗因は俺を首チョンパにしなかったことと頭をブッ刺すのにあの呪具を使わなかったこと」
『…敗因?』
『勝負はこれからでしょ』
「あ゙──?そうか?そうだな。そーかもなぁ!!」
「最期に言い残すことはあるか?」
「…ゲホッ、ないよ」
呪力が尽きているため呪言師はそのまま喋った。
「ッ…棘をよろしくね」
「棘?」
「いつか君と、関わるから…」
傑と甚爾は盤星教の施設へ向かっていた。直哉はあれから眠り続けているので甚爾が抱えていた。
「〜〜〜〜…〜〜〜」
「あ?呪言師が連れてた呪霊じゃねぇか」
淡々という甚爾に対して傑は驚いたような表情をしていた。
「遅かったな傑。いや早い方か」
「都内にいくつ盤星教の施設があるって話だもんな」
「……悟…だよな?」
「……」
何があった…!?
「硝子には会えたんだな」
「あぁ、私も甚爾も治してもらった。問題ない」
「おうよ」
「いや、私達に問題がなくても仕方ないな」
傑は悟が抱えていたものからダランと手が垂れたのを見て言った。
「俺がしくった。オマエは悪くない」
「…戻ろう」
「傑」
「コイツら殺すか?」
「今の俺なら多分何も感じない」
「いい。意味がない」
「見た所、ここには一般教徒しかいない」
「呪術界を知る主犯の人間はもう逃げた後だろう」
「懸賞金と違ってもうこの状況は言い逃れできない。元々問題のあった団体だ。じき解体される」
「意味ね」
「それ、本当に必要か?」
「大事なことだ。特に術師にはな」
帰り道中
「てかおい甚爾。それ直哉…」
「「今気づいたのか?/のかい?」」
「…よく頑張ったな」
(悟がまた額にキスする)
「殴っていいか?」
「はっ、怪我人に手ぇあげるつもりかよ」
本当に最強になった悟
理子ちゃんが死んで超ショック。
しかも直哉も結構重傷負ってた。呪言師許さん。
夏油傑
悟の様子がおかしくて心配でしかなかった。
直哉が目覚まさなくて超焦った。呪言師許さん。
禪院甚爾
こちらも直哉が意識失って焦った。
呪言師許さん。
禪院直哉
呪言師の「ぶっ飛べ」でかなり重傷を負った。
この後目を覚まして理子ちゃんが死んだこと、悟が生きてたことを知って悲しみと喜びが一気に押し寄せた。
呪言師 唯月司(ゆいつき つかさ)旧姓 狗巻
狗巻家の生まれ。女性恐怖症。お嫁さんだけが唯一大丈夫な女性だった。数年前に家を出て金に困ったので呪詛師の仕事やってた。家にいた頃は棘(狗巻先輩)と仲が良かった。
申し訳ないですが続き書く気力ないので玉折編で終わります…😖