テラーノベル
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塾帰りの六時半
乾いたアスファルトを鳴らしながら歩く
お気に入りの音楽に耳を傾けながら
下を向いて歩いていると、所々に蝉の死骸が見受けられた
そう言えば蝉の声が減った気がするなと
空を見上げると、赤みがかった紫色で、大きな入道雲がオレンジ色に染まっていた
少し前まで、この時間帯はまだ真っ青な空だったはずなのに
ぼうっと空を眺めていると、
ふわりと涼しい風が頬を撫でた
夏特有の纏わりつく湿気はなくなっていて、
昼間の暑さが嘘のよう
お気に入りの緑の有線イヤホンをはずして外の音に意識を向けると
それはそれはささやかだったが、リーン、リーンと鈴虫の声がした
風切音が耳のそばでなる
こんなにも季節をシャットアウトしていたのか
ベタつかない空気を胸いっぱいに吸い込み
「…ほぅ…」
吐き出す
爽やかになった風はどこか心地良い
少したかくなりはじめた空を見上げる
しみじみと夏の終わりを感じる
もう夏休みも終わるのか
とか
課題は終わるだろうか
とか
教室の喧騒が恋しいな
とか
とりとめのないことを考えながら
夏が終わればすぐに時が過ぎてしまうことに恐怖に近い焦りを感じた
涼しい風におびえてしまう
鳥肌が立った
この夏が終われば次は短い秋
それも終わってしまえば冬…
「諸行無常…」
何があっても常に同じは有りえない
イヤホンを耳に入れて
止まっていた足を叱咤する
今日の夕飯は、シチューらしい
実は第二話あたりから去年書いて放置してた過去作あげてるだけやねん
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