テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
息ぴったりの父、恋人仲良く「「チッ」」🤣 才花ちゃん2人はお世話したいの。援助島たくてしょうがないの。それをさっきから争ってたの😂 お兄ちゃんの説明でよく理解できました。でもぜんぜん足りないよ。謝罪はないの?会いたくはないだろうけど…。 才花ちゃんの夢が傷つけられ終わってしまったけど、でもそれがきっかけでこうやって親子が仲間が結集できて、新たな形でのお付き合いがスタートする。お父さんの言うとおりだよ🥹そして親子3人ヤンチャ!で煽り兄妹!羅依〜俺好みだね! もうサイコーの再会日だよ〜😭✨
「正確には、慰謝料は示談金の中に含まれているものです。慰謝料は被害者に対して支払われる項目の一部であるのに対して、示談金は被害者に対して支払われる各項目全てを含む概念なんです。ここは分かりますか?」
「図式化してもらわないと無理」
私が正直に応えると、お兄ちゃんはホテルのメモに書きながら説明してくれた。
慰謝料は、時間をかけて通院や入院をしなければならない手間や、治療の間に痛みや負担に耐えなければならない精神的苦痛を慰撫するもの。
将来設計を変更や諦めないといけない苦痛に対するもの。
それは分かる。
休業損害や、元々のアパートで生活出来ない不自由なども示談金に含む。
示談は争いごとを裁判などに持ち込まずに当事者同士の話し合いで解決するもので、その特徴は、被害者と加害者の双方が合意すれば示談金として支払われる金額を基本的に自由に決められる。
だから事件でなく、示談和解としたい加害者は高額で合意する傾向にあるそうだ。
「事件がなければ将来得られたであろう経済利益を逸失利益と言うのですが、才花はプロじゃないのでここに金額を乗せられないんです。でも心情的にはここを見過ごせないので、他の項目に乗せて提示しています。妥当な金額ですよ」
「才花、二人で億だぞ?一人たったの5千万。これで前科がつかないなら安いもんだ」
隣から冷たい声が耳に届く。
なるほど…そうとも言えるのか。
「それじゃあ、私は自分の生活費は出せるからお父さんも羅依もお金の心配はしなくて大丈夫だよ。ありがとう」
「「チッ…」」
なぜ…二人の舌打ち?
「とにかく、才花ちゃんは自分のペースで好きなことをすればいいだけだよ。この二人だけでなく、一樹だって才花ちゃんとデートしようと言うくらいなんだ。いくらでも小遣いをくれる。で、一樹、ひとついい?」
タクが改まってお兄ちゃんを呼んだので、私は二人を見比べるけど、父と羅依はゆったりとソファーにもたれた。
何だか息ぴったりの二人だ。
「一樹さ、自分が裏に近いからって、基本的に俺たちに自分から連絡しないだろ?俺たちが飲みに呼び出しても、二回に一回くらい出てくる感じ」
そうなんだ……
「でも、才花ちゃんと出掛ける?なら、俺たちとも会えるよな?緒方も一緒に時々会おうよ。さっき才花ちゃんが小松さんに‘お母さんとも私とも会わないようにしてたら寂しくなるから手紙をあげる’と言ったの…一樹だって同じことだと思う。もし組で何かあっても、俺たちが無関係だと証明出来ればいいだけなんだ。それくらいの覚悟はして一樹を誘ってるよ、俺も羅依も緒方も」
そういうことか…
「私も大丈夫だよ、お兄ちゃん」
この人も孤独だと思った。
組員でないと言ったから父とも距離感を間違えず、友人たちを巻き込まないように距離を取り丁寧に話す兄は、家族のような人がいて、友人だけどライバルという人に囲まれていた私と似ていると感じた。
何も言わず、ゆっくり二度頷いたお兄ちゃんにタクが前のめりで口を開く。
「近々、緒方と4人で会うよ?一樹が連絡して。待ってる」
「分かりました」
それを聞いた父が嬉しそうに
「才花がいろんなものを与えてくれるね。金では買えない、目に見えないものを与えてくれる」
そう言って体の前で指を組む。
「聞いていると、才花も一樹も小松さんに似てる。心優しいところと…だからといっておとなしい訳でなく、ヤンチャな面を持っている」
「羅依、私はヤンチャではないって。ああいうジャンルのダンスなだけで、あれは振り付け。分かる?そう見えるダンスなの。バレエの人が踊っているのと同じことだよ」
「そうか」
「そうだよ」
「だが…」
羅依は体を起こして私に膝を向けると
「タクが言った、自分のペースで好きなこと…の才花のペースは早いと目に見えるようだ。ヤンチャなペースで俺好み」
と私の頬を一撫でする。
「意味わかんない」
「早いのが才花のペースだから仕方ないですね。親父もそんな感じです。じっとしていない」
「親子だねぇ。そう言う一樹もヤンチャ真っ只中の時は、敵も味方も煽って煽って大変だったよな、羅依?」
「ひどかったな」
「…私、そんな人と出掛けて大丈夫?」
「ははっ、才花ちゃん、危険だよねぇ。二人して周りを煽るんだから」
「「煽らない」」
「ぶっ…兄妹、息ピッタリじゃん」