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鯛焼きとり餅
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重田💋(omoda)
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四葉
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あっ、これ…最初の姉弟の朝のやりとり、すごく温かくて可愛いなって思ってたのに、後半の展開で一気にゾワッてきたよ…💦 カルマが「姉ちゃんいなくなった」って周りに言っても、誰も姉の存在を覚えてないのが一番怖い。 都市伝説、本当だったんだね…。 続き、どうなるんだろう。めっちゃ気になる…!
これは、とある姉弟の幸せな日常を描く物語。
……のはずだった。
プロローグ【ねぇ、知ってる?】
「ねぇ、知ってる?ここの街には都市伝説があるの。」
彼女は声を張り上げてそう話す。
とっても馬鹿みたいで、可愛らしい、そういう響き。
「都市伝説だなんてそんな。ただの迷信だろ?」
そう僕が彼女に話すと、彼女はしゅんと俯いてしまった。
さすがに気まずくなった僕は、
「別に、フィクションとして楽しむくらいならいいんじゃない?」
そう、彼女に語りかける。
「あのね、近くの山があるでしょう?」
「うん。」
「あそこの山に小さな神社があるのは知ってる?」
「知ってるよ。」
「それでね、そこの神社に16歳より下の子供が2人だけで行くとね、そのどっちかが居なくなっちゃうんだって。」
驚いた。そんな、ザ都市伝説みたいなものを語られると思っていなかったから。
「そんな、嘘だよ。」
「それがね、本当なんだって。ほら、カルマくん。いるでしょ?」
彼女は気分が上がってきたのか足をパタパタと揺らす。
「いるね。」
「カルマくん。昔からお姉ちゃんなんて居なかったのに、「神社に二人で行ってから、姉ちゃんがいないんだ」って。」
少しぞくっとした。だって、その話は僕もよく聞くから。
「たしかに、いつも言ってるよね。」
「だからね、本当なんじゃないかってみんな噂してるんだ。」
第1章【私の神様】
7月12日 如月サラギ
今日も朝早くに起きて、朝ごはんを作って、カルマを起こす。
朝日に照らされて、ぽかぽかになった布団は本当に沼だった。
気持ちが良くて、離れたくなかった。
でも離れないといけないから、そう自分に言い聞かせ布団から出る。
押し入れの前まで、重い体を何とか引きづって持ってきた時、立て付けの悪いドアからぎぃ……という音が鳴って、少しびっくりしたのは、ここだけの話。
いつもの着物に着替えて、台所へ足を運ぶ。
そろそろ目を覚まてきた頃だ。
その調子に乗って、さっさと朝食を作り終えてしまおう。
さて、今日の朝食は何にしようか。
鮭のおにぎり?蜂蜜をたっぷりかけた、甘ったるいヨーグルト?
……そんなことを悩んでいる暇はない。
第1、私の家にそんなたくさんの食材は無かった。
今日は買い物に行かなければ、そう思うのも束の間に、もう時間は朝の6時。いつも朝食を食べるのは朝の6時半。あと30分もないじゃないか。
気が重いまま、とりあえず私は冷蔵庫を開けてみた。
卵に、賞味期限がギリギリのチーズ。
……そうだ、食パンがあった。
私は棚の中から食パンの袋を引っ張り出して、食パンを3枚取り出した。
1つは私の分。残り2つはカルマの分。
食べ盛りだからか、食費が以前の2倍に跳ね上がったが、そんなものはどうでもいい。
そんなことを考えていても時間は止まらない。
私はせっせと食パンにチーズを乗せて、その上に卵。
……実にズボラなご飯だ。だが毎回毎回手の凝った料理を作るというのは想像の何倍も大変だから。
オーブンの中に食パンを放り込んで、1000W、2分の設定をする。正直、この時間がいちばんわくわくする。
この空いた時間でカルマを起こしに行こう。
私は少し小走りになりながらカルマの部屋まで向かう。
「カルマ〜、朝だよ。早く起きなきゃ朝ごはん、お姉ちゃんが食べちゃうよ〜?」
ガバッ、とカルマが体を起こす。
なんだか、その様子が小動物みたいで可愛らしかった。
7月12日 如月カルマ
「朝だよ。」
その声を合図にがばっと視界が明るくなる。
もう朝か。寝ている時間というのは不思議なことに一瞬で終わってしまう。
そんなことを考えている場合じゃない。俺の朝ごはん!!
「今行くから食べないで〜…」
寝ぼけながら俺はそう答えて、軽く布団を整えてからリビングへ向かった。
美味しそうだ。トーストにとろとろのチーズが乗ってて、その上に丸い卵。
なんと、うちの姉ちゃんは料理ができる人だから、毎日3食、特別な日にはお菓子も作ってくれる。
俺は姉ちゃんの作るご飯が大好きだから、いつも呼ばれたらすぐ起きるんだ。
「頂きます。」
食前の挨拶。俺は大切だとはあまり思わないんだけど、姉ちゃんがしないと怒るから仕方なく毎回言ってる。
でもなんだか悪い気はしない。
俺は1口目をがぶっ、といってやった。
めっちゃうまい、なんて言うんだろう。トーストのサクサクに、あまじょっぱい感じのチーズ。そしてカウンターを決めてくる甘い卵。
在り来りな組み合わせなのに、初めて食べる感じ。
「今日って帰ってくるの何時だっけ?」
姉ちゃんがトーストをもぐもぐ口に入れながら喋るもんだから、すごい聞きにくかった。
えーっと、確か、1時間が現代文で…
「部活もあるから5時頃かな。」
我ながら計算が早かったと思う。少なくとも俺はそう思った。姉ちゃんはどうだろ。
「5時頃ね、わかった。今日の夜ご飯食べたいのある?」
食べたいもの?そんな、急に聞かれても…と思ったが、なんだか急に唐揚げが食べたくなったから、適当に
「からあげ!」
って答えておいた。
よし、これで準備はおっけー。
「姉ちゃん、行ってきます!」
「行ってらっしゃい、気をつけてね!!」
姉ちゃんは俺が見えなくなるまで手を振ってくれる。
だからいつも少しゆっくり歩いてる。
7月27日 如月サラギ
今日は亡くなった両親の誕生日、そして
カルマの学校の夏休みが始まる日。
「カルマ、今年も行こっか。」
「そうだね。」
「諢丞袖縺ッ縺ェ縺?神社。」
諢丞袖縺ッ縺ェ縺?神社は2人が毎年通っている神社。
両親のお墓も、その神社のすぐ近くに建っている。
だから、いつもついでにお参りするんだ。
「今日の5時頃、家を出るからね。」
「はーい」
カルマの間延びした声が家の中に響いた。
はーい、だって。
とりあえず、私は花屋で、午時葵を買った。両親が好きだった花。
花言葉は…私も分からない。
7月27日 如月カルマ
「姉ちゃん!準備できてるよ!早く行こう!」
なんでこんなにテンションが高いのか、というとそれは俺があの山を好きだからだ。昔からよく行っていたというのもあるが、なにより、雰囲気が好きだから。
「こら、カルマ。走らないよ。」
どうしても向かう最中小走りになってしまう。
スピードを落として姉ちゃんに歩幅を合わせる。
いよいよ山の山道の入口まで着いた。
早く登ってしまおう!!!
すたすたと山道を登る最中。何かに足を引っ掛けた気がしたが、まぁ気のせいだろう。
俺はそのまま気にせずすたすたともう一度登り直す。
「ほら!姉ちゃんも早く!」
俺は姉ちゃんを催促する。
山の大体3合目位のところに、墓場はあって、両親の墓石を探して、姉ちゃんが息切れ気味に花を置く。
姉ちゃんがパチパチ、手を鳴らす。
「…お母さん、お父さん。今年も、誕生日おめでとう。」
姉ちゃんが急に畏まるものだから、ちょっとびっくりしたけど、たしかにここはちゃんとやらないといけない場所だ。
姉ちゃんに合わせて俺を手を合わせる。
「…母さん達は元気?」
返事は帰ってこない。その代わり、木陰からカラスの鳴き声が聞こえた。
さ、参りもすんだことだし、帰ろうか。
帰りはゆっくり歩くのが俺の楽しみ方。
何故かって?過ぎていく風景がとても綺麗だから。
「姉ちゃん!」
「うん、ちょっと待ってね。」
姉ちゃんは歩くのが遅いから、いつも癖で急かしてしまう。俺の悪い癖だ。
あ、朝顔だ。こんな山奥でも咲くものなんだな。
朝顔に興味を惹かれている間に姉ちゃんが追いついたみたい。
「じゃあ、行こうか。」
俺は姉ちゃんの隣にピッタリくっついて歩く。
…なんだか恥ずかしくなって、姉ちゃんの前に移動した。姉ちゃんの顔は見えなかったけど、なんだかしゅんとしていたような気がした。
家を出た5時から、もう2時間は経ったかな。
だからか、もう外は真っ暗だ。
…?なんだか、あそこの木の影が赤く光って見える。
俺は気になって近づいてみた。
今思えば、なんで近づいたのか、本当に疑問だ。
「カルマ!!!危ない!!!」
7月27日 如月サラギ
カルマは本当に歩くのが早いな。いや、きっと私の歩く速度が遅いんだろうけど。
「…カルマ?そっちは下山の道じゃないよ。」
聞こえていないみたいだ。カルマはいつもの道とは逸れた、大きな木の下に向かっていた。
「…何、あれ。」
無意識か、声が震える。
だって、目の前に映っていたのは
━━━━見たこともない化け物だったから。
目が赤く光ってて、体は黒くて、血生臭い匂いがした。そして、口が耳まで裂けていた。
怖い。恐怖で足が竦む。
「カルマ!!!危ない!!!」
気づいた時にはカルマの前に居た。体が勝手に動いた。
…あれ、ここは何処だろう。
見たこともない場所。そして、私は誰?
思い出せない。そもそも、私はなんなんだ。
周りを見渡してみた。見直しても、やっぱり知らない場所。ここは、神社かな。大きな鳥居がある。
7月27日 如月カルマ
化け物だ。いつの間に?気づかなかった。
それより、姉ちゃんは…
「…は、?」
声が震える。仕方がない。
だって、目の前には何も無かったから。
姉ちゃんはまだ分かる。分かるけど、いや、分かりたくないけど。なんで化け物まで居なくなる?
俺は恐怖で足が笑う。なんで、どうして?
なんで姉ちゃんなんだ。もっと、居たじゃないか、犯罪者とかさ。
俺は恐怖に包まれながらも、帰らなければ、という気持ちで、無理矢理家まで足を運んだ。
このままここに居れば、自分も…きっと居なくなっちゃうから。
とりあえず、隣に住んでる女の子に声をかけてみた。
「どうしよう、姉ちゃんが居なくなっちゃった。」
俺は一通り説明した。女の子は面食らった顔してたよ。だって、
「お姉ちゃん…?え、…カルマくんってお姉ちゃん居なかったよね?」
…は、?意味がわからない。俺に姉ちゃんが居るのは、少なからずこの子は絶対知ってるはず。
…皆が姉ちゃんを忘れてる。おかしい。食べられちゃったとしても、忘れるなんて聞いたことない。それに、忘れるなら俺も忘れるはず。
…忘れたくなんてないのに、忘れてしまいたい。
辛い現実から目を逸らしたい。
それから、何人に聞いても、姉ちゃんなんて居ないでしょ。そればっか。みんな、全員そう。
…絶対おかしいよ。いや、ある意味おかしくないのかもしれない。神隠しみたいな?
お願いだから、そうであって欲しかった。