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マオを檻に閉じ込めて、手と足に枷をした。彼はビクビクと怯えているが、身動きが取れない彼にドキドキと胸が高まっていた。
「マオくん。いっぱい愛してあげるからね」
レイスは彼のいるベッドの上に上がり、彼の首をしめて腰を振り楽しいことをした。これは彼なりの愛情であり、歪みきっていた。ナオの肩と首にたくさんの歯形を残していく。
「や、やめてよ……」
彼は泣きながら体を震わせていた。
「こんなの愛じゃないよ」
「じゃあ教えてよ。本当の愛し方を」
「えっと……お互いに話し合ったりどこかへ出かけたりするだけでいいんだよ」
「そんなものなの?俺にはわからない。そんなの快感を感じないじゃないか!!」
それからまた行為を開始した後、一時間も性行為が続けられた。ナオは心も体もへとへとだった。
「いっぱい愛してるよ」
抱きしめても彼はすでに意識がなかった。それなのに関係なく彼はナオに話しかけていた。異常である。
レイスは檻から離れて自分の部屋に戻った。たくさんの冷蔵庫が置いてあり、ベッドの上はたくさんのナイフと斧が置いてあった。
それらの武器を片付けて、彼は布団に入り神に願った。神は信じていないが、神様頼りにしたい時だってある。
彼は「愛を理解できますように」と願い、そのまま眠りについた。
「ふぁ……」
田上義雄は会社であくびをしていた。彼は一般的なサラリーマンであり、日々事務仕事をしている。そんな彼はたくさんの人間から愛されて育ったため、愛し方を知っている。
だが愛されすぎるのも飽きてしまうものだ。いっそ一人で生きてみたいと思ってしまう。人と関わるのが面倒くさくなってきたのだ。
会社から家に帰るまでもたくさんの同僚に話しかけられた。仕事の話だったりプライベートだったり。全て質問したり頷いて聞いたりしていたが、終わればため息をつき疲れた体で家に帰ることとなる。
今日は久しぶりに橋の上に寄ってみて、幅の広い川を眺める。とても綺麗で、泳ぎたくなるほどだ。しかし、ここで飛び降りるのも……いや、何を考えているんだ。そんなことしてはだめだ。
首を横に振って帰ろうとした瞬間、トラックがこちらに突っ込んできて義雄はトラックに轢かれて死んでしまう。
「んん……ここはどこだ」
目が覚めたら、見覚えのない汚い壁が視界に入ってきた。どうやらベッドの上らしい。ここは一体どこだろうか。
体を起こしてみると、壁に人間の皮が飾ってあった。
「ひっ……!!」
それに驚いてしまう。この悍ましい部屋はなんだろうか。もしかして殺人鬼に転生したのか……?
この男の記憶が流れ込んでくると、それは残虐的で目を背けたくなる光景ばかり。背筋が滞ってしまう。
「こ、こいつ。普通じゃないぞ」
そう呟くと、彼は近くにある鏡を覗いてみた。そこには金髪に空色の瞳に死んだ目をしたイケメン男が映っていた。この目はたくさん殺人を起こしてきたからに違いない。
そして鏡の横にはレイスと名前が書かれており、この男の名前であることを知る。
「よし、この部屋を片付けないとだな」
そう言ってモップを取ると、部屋をきれいに掃除していく。壁も雑巾を使って血を洗い落とし、物騒なものは全て白いゴミ袋に入れた。
冷蔵庫を開くと、そこには人間の臓器や体の一部がホルマリン漬けされていた。吐き気を催してしまう。これらも片付けなければと思い、そのままの状態で袋に入れる。
この袋に瓶が割れないよう全て詰め込み、二つになった袋を車に置いて遠くへ捨てにいくことにした。
臭いはアンモニア臭が漂い近所迷惑なので、速やかに森へ向かう。その森の地面に大きな穴を開けて、袋ごと詰めてしまう。これでなんとかなるだろう。