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朝の音で目が覚めた。
ドアの向こうから、誰かの声と食器の音。
(……朝だ)
前の家と違って、怒鳴り声じゃない。
【ころん】「あっきぃ、起きてるー?」
【あっきぃ】「……起きてる」
声が、ちゃんと出た。
【ななもり】「あ、おはよう。あっきぃ」
【るぅと】「おはようございます!」
【ころん】「おはよ」
【莉犬】「ん〜…、ぉはよぉ…」
【あっきぃ】「…おはよう、ございます」
言えたことに、少し驚く。
テーブルの上には、朝食が置いてあった。
自分が食べる分も座る場所もあった。
【あっきぃ】「…いただきます」
【さとみ】「おい、ジェル!早くしろ!」
【ジェル】「待ってや、さと兄〜!!ネクタイが〜!
あ、あっきぃ。おはよ!」
【さとみ】「おはよ、あっきぃ」
【あっきぃ】「…おはようございます」
朝から賑やかで、気持ちが明るくなった。
2人共、騒がしくしてななもりさんに注意されてる。
【あっきぃ】「…ごちそうさまでした」
制服に着替えて、玄関へ。
【ころん】「一緒に行こ」
その言葉が、自然すぎた。
(……“一緒”)
通学路。
並んで歩く。
【ころん】「眠れた?」
【あっきぃ】「……少し」
【莉犬】「それなら十分!」
笑い声が、朝に溶ける。
(……前は)
学校に行く道は、重かった。
でも今は、足が勝手に前に出る。
校門が見えてくる。
(……来ちゃった)
不安が、ゼロじゃない。
【あっきぃ】「……嫌われてるから(小 声」
【ころん】「全員じゃないよ」
【莉犬】「少なくとも、ここに二人いるでしょ!」
その言い方が、救いだった。
教室に入ると、一瞬静かになってまたざわざわ。
視線が、少し集まる。
(……いつも通り)
でも。
【ころん】「おっはよー!」
【莉犬】「おはよー!」
普通に、席に行く。
自分の席に座る。
(……逃げなくていい)
授業中。
ノートを取る手が、前より落ち着いてる。
(……集中できる)
誰かの小さな笑い声に、過剰に反応しない。
(俺のことじゃない)
そう思える。
休み時間。
【ころん】「次、体育だっけ?」
【莉犬】「そう」
【あっきぃ】「……見学、する」
【ころん】「了解」
【莉犬】「無理しないの、正解!」
理由を聞かれない。
(……それでいい)
昼休み。
三人で、机をくっつける。
【莉犬】「今日のパン、当たりっだぁ!」
【ころん】「それ昨日も言ってたよね?」
【あっきぃ】「……それ、分けて」
【莉犬】「いいよ!」
(……言えた)
小さなことなのに、胸があったかい。
放課後。
帰り支度をする。
(……帰る場所がある)
それだけで、学校が
「耐える場所」じゃなくなった。
【ころん】「帰ろっか」
【莉犬】「寄り道する?」
【あっきぃ】「……少しなら」
笑われない。
(……変わった)
学校は、同じなのに。
(明日も、行けそう)
心の中で、そう思った。
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