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君 に 届 け 、こ の ペ ー ジ で 。

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君 に 届 け 、こ の ペ ー ジ で 。

11 - ペ ー ジ の 向 こ う の 君 は

♥

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2025年09月15日

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夜の学校。






放課後の静けさが残る屋上に、美羽は立っていた。





胸の奥で心臓が暴れる。












_「 もしも会うなら、屋上で 」


















その言葉だけを頼りに、彼女はここに来た。










風に髪を揺らされながら待っていると、扉がきしむ音がした。












ゆっくりと姿を現したのは___




















「 やっぱり君だったんだ 」











橘 蓮  だ っ た 。











蓮の声は、静かで、それでいてずっと隠してきた感情がにじんでいた。












美羽の目が大きく見開かれる。










『  え……蓮くん……? 』








蓮は一歩、彼女に近づいた。






「 ずっと、ノートで君に言葉を届けてた。



名前を出さずに、正体を隠して……



でも本当は、最初から分かってほしかった 」








美羽の胸が熱くなる。












( あの優しい言葉。


迷ったときに寄り添ってくれたのは……


やっぱり、この人だったんだ )
















「 陽向も君に想いを伝えてるのは知ってる。



だから……君が誰を選ぶかは、君の自由だ 」







蓮は視線を落としながら、かすかに微笑んだ。










「 でも、俺は美羽のことが好きだ 」









その言葉に、美羽の瞳から涙がこぼれた。






破れたページの続きが、今ようやくつながった気がした。








『 私も……あなたが好き。



ページの向こうで支えてくれたのが、蓮くんで



よかった 』










蓮は驚いたように目を見開き、次の瞬間、安堵のように柔らかな笑みを浮かべた。







二人の間に、夜風が優しく吹き抜ける 。













これまでノートの中でしか交わされなかった想いが、ついに言葉となって響き合った。












美羽は心の中で呟いた。








( もう、ページの向こうじゃなくていい。


これからは隣で、一緒に歩いていくんだ_   )

屋上の空には、一番星が静かに瞬いていた。



















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