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次の日、まだ陽も昇らないうちにラブホを出たラムレザルは本部にある自室で仮眠を取ったあとトレーニングルームに缶詰になっていた
「太った…か?」
鏡越しに見る自身の体型を見て太ったかも、と思ってしまう。
「最近自堕落な生活してたからか…食事制限するかな」
「それしなくてもラムさん太ってないよ」
後ろから声をかけられ振り返るとリヨウとルドがいた。
「おはよラムさん」
「おはよ…何してんだ?」
「ルドに掃除屋ルームツアーしてるの」
「あそ」
ルドはラムレザルの身体を見てほんの少しだけビビっていた。
刺青はもちろんだがその上からつけられた傷跡の痛々しさに驚きビビっていた。
「これからお菓子食べるんだけどさ、どう?」
「菓子か…カヌレあるか?」
「もちろん」
「よし行くか」
トレーニングウェアのまま談話室に行くと先約がいた。
「よっ」
「早いなお前がこんな時間から起きてるなんて」
「そういう日だ…ってお前はカヌレ食いに来ただけか」
「まぁな。ŧ‹”ŧ‹”( ˙༥˙ ) 」
ルドに食わせたらどハマりしてしまい貯蔵庫の分まで空にしてしまいラムレザルは頭を抱えた。
ルドの能力確認の時もラムレザルは少し離れたところで報告書を書き上げていた。
「触れた物の価値を最大限引き出す能力か…良いじゃん。」
「母ちゃん…」
「ワタシのと似てるようで似てない能力だ。これからクソほど磨きな。」
そう言ってラムレザルはルドの頭を撫でた。
「ルドくんのフルフェイスが出来るまで先に最後の下準備をしに出発してもらうよぉ」
フルフェイスとは掃除屋が禁域に出向く際身に付けることを義務付けられている道具である。
「禁域では何が起こるか分からない。ゴミを踏んだ瞬間ドーン。斑獣にやられましたってケースも少なくないのよ。それを極力防ぐためとある人通者の能力をかけて…いや描いてもらうの」
「…描く?」
「絵描きの能力だよ」
「絵描き…で、結局どこに行くんだ?」
その問いにエンジンはニヤッと笑うと「ラクガキの町 キャンバスタウン」だと答えた。
「そんで今回 “禁域の女” 探しに同行するメンバーはこいつらだ」
アクタ所属のザンカ、リヨウ、エンジン
フロント所属のラムレザル
イーガー所属のデルモンとタムジー
サポーターはグリス、フォロ、トウム
計9名が選抜された。
「サポーターは基本5人1組行動だが “禁域” に行く際は少なめに。人通者は多めに連れることになってる」
「車回してくる。先進めといて」
デルモンの恒例行事を避けるべくラムレザルは車のキーを持ち早々と退散した。
「(毎回あんなん聞いてたら耳壊れるわ)雲行き怪しいな…嵐の予感だ」
ラムレザルは愛車に跨りながら煙草を吹かしていた