私の答えをすんなりと受け入れてくれる姫菜。恐らく私が何を言ってもこう言ったのだろう。
「前にあたしに自分の気持ち、ぶつけてくれたみたいに素直にぶつけてみなよ。頑張れ。」
力強い声が、私に勇気を与えてくれた。不思議な感覚だ。誰かの言葉でこんなにも励まされるなんて。
誰かに話すことで今まで抱えていたもやもやが嘘のようになくなるなんて。
初めて知る感覚に、少し戸惑うが決して悪くない気分だ。
「ありがと。頑張る。てか、こんな時間までごめん。そろそろ切るね。」
壁に掛かっている時計に目を配ると、いつの間にか日付が変わっていた。
そんな時間まで話していたのかと、驚く。
「んーん、なんか嬉しかった。何かあったときに頼ってくれたのがあたしで。こういうの、『友達』みたいじゃん?」
「そっ…か。私達、少しは友達になれたのかな?」
「さーね。それはこれから分かってくんじゃない?」
「かもね。」
お互いに軽口を叩き、携帯を切る。
その瞬間、瞼が重く閉じてきた。
眠気が一気に襲ってきたのだろう。今夜は久しぶりによく眠れそうだ。
そんなこと考えた時には、私の意識は既に途切れていた。
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