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「ねえ由美、『瓜子姫とあまのじゃく』って知ってる?」

「また結衣のオカルト好きがはじまった!」

友人の由美はそういって顔をしかめた。私が熱心に布教しているのに、由美はちっとも興味を持ってくれない。でも私はそんなことなんて気にしないのだ。

「それでね、あまのじゃくっていうのは妖怪で……」

由美の嫌な顔を無視して私は話し続ける。

「……で、あまのじゃくは、瓜子姫を殺して、その皮をかぶって姫になりすましたの」

「ぐろい!」

「でね、なんでこの話をしたかといいますと……」

「嫌な予感しかしない!」

そう、ここからが本番なんだ。

「じゃじゃーん、なんと、ネットでそのあまのじゃくが祀られている神社をみつけたの。すごいでしょう? 今日放課後行こうよ!」

こうして私の放課後の予定が決まった。由美はちょっとだけ逃げようとしていたけど、まあそんなことは気にしない。




放課後になった。私たちは学校から少し離れたところにある寂れた神社に来ていた。境内に入ると、そこには小さなお社があった。私たち以外に人はいないようだ。私は早速お社に近づき、賽銭箱の前に立った。そして財布の中から五円玉を取り出した。すると、隣にいた由美が驚いたようにいった。

「ここ、あまのじゃくが祀られているんでしょ? 妖怪に祈るの?」

でも私はそんなことには構わず、五円玉を投げ入れた。ぱんっという音が響く。そして両手を合わせて目を閉じた。どうか願い事が叶いますように! あまのじゃくに会えますように! 私は心の中で強く念じた。

―――すると突然、股間に違和感があってびっくりした。急に、アソコに何かを突っ込まれたような……。でももっと驚いたことに、声が出せなくなっていた。声だけじゃない、体も動かない!

『願いどおり、会いに来てやったぞ……』

えっ、なに今の? 由美の方を見ると、普通にしている。今の声は聞こえなかったみたい。まさか私だけに聞こえているとか? 

「ねえ、結衣、もう帰ろう」

由美にそう話しかけられたとき、私の口が勝手に動いた。

『そうね、もう帰りましょう』

や、やばい、私、操られている!?あまのじゃくに動かさているんだ! なんとか由美にこの事を伝えないと……。

『無駄だ、もうお前は俺様から逃れることはできない!』

それから私は、いや、私の体は、勝手に動き出して、由美と帰り始めた。由美と別れるまでは大人しくしていたけれど、一人になると、家とは違う方向に動き始めた。な、何をするつもりなの?

しばらく歩くと、公園についた。私の体はそこで立ち止まる。い、一体何を始めるつもりなの? 

不安に思う私をよそに、私の体は公園のベンチに向かった。近くでは子どもたちが遊んでいる。すると、私の体は片膝を立ててベンチに座った。そ、そんなことしたら、スカートの中が見えちゃうよ!  

私が心の中でそう思うと、謎の声が『ほう、スカートの中を見せたいんだな?』といって、わざと子どもに見える位置に座り直した。ち、違うよぉ!

でも私の体が勝手に動いて、私の思いとは裏腹に、私の足はM字開脚をした。ひゃぁぁ!! 恥ずかしくて死にそうなんだけど! (続く)

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