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ライラとヴィンセントの結論を聞いたシュヴァーツ侯爵夫妻とイリスは大喜びだった。
ジョルジュは、君ならそう言ってくれると思ってたよと言い、その妻プリネスは、あなたがわたくしの娘になってくれるなんて、とライラの頭を撫で、イリスに至っては、いつかはこんな日が来ると思ってたよ、と涙を拭っていた。
それからは怒涛のように日々が過ぎていった。
ドレス決めや準備で大変な毎日が続き、半年間の婚約を経て、ふたりは結婚式を迎えた。
結婚式には国中の貴族が参列し、ライラは緊張でぎこちなくなってしまった。
誓いの口づけは、ライラは内心どきどきしていたが、唇同士が軽く触れ合うのみで終わった。
その夜の披露宴は、挨拶回りで動き回って疲れてしまった。
慣れない作り笑いを長時間続けていたので、最後は引きつっていたかもしれない。
宴から帰って湯浴みしている時、ライラはこの後初夜であることを思い出した。
準備やら式やら宴やらですっかり頭から抜けていたのだ。
その途端、ライラは結婚したことを後悔した。
ヴィンセントと子作りすることが嫌なのではない。
未知に踏み込むのが怖いのだ。
自分の気持ちが満たせたらいいなんて、あまりにもわがままだ。
それはわかっている。
ライラとて、義務はきちんと果たしたいと思っているのだ。
しかし、怖いものは怖い。
考えていても仕方ない、とライラは湯から出た。
押し倒されたライラは、涙目になった。
「ライラ?」
不安そうなヴィンセントに、ライラは口の中を閉めた。
「ごめ、なさ……、怖いの」
ライラの声は震えている。
「……今日はやめておくか?」
ヴィンセントの声は優しかった。
ライラを心から案じていた。
しかし、今逃げたとしても、いつかはやらねばならない。
ライラは腹をくくり、かぶりを振る。
「ううん。してほしい」
ライラの返事を聞いたヴィンセントは、微笑み、彼女の頭を撫でた。
「わかった」
彼はライラの指に自分の指を絡ませて彼女を寝台に縫いつけ、もう片方の手でライラの頭を撫でながら口づけを始めた。
「んっ……、んん……」
唇が触れるだけの、軽い口づけ。
強張っていた彼女の身体が、ゆっくりとほどけていく。
気持ちいいとライラは思った。
「……んむ、……ふ、ん……」
口づけは徐々に深くなっていき、ヴィンセントはついばむように何度も角度を変えて接吻する。
しばらく優しいキスが続いていたが、ある時ヴィンセントの舌がライラの唇をこじ開け、ライラの口内に割り込んできた。
「っ?!んんんっ……んん…… 」
ライラは驚いて拘束されていない方の手でヴィンセントの胸を押し返そうとするが、彼はびくともしない。
さらにはその手まで寝台に縫いつけられてしまい、ライラは余計なことをしたと後悔した。
ヴィンセントの舌はライラの舌を捕らえ、ねっとりと絡んだかと思うと、口内を隅々まで舐り、唾液を吸う。
「は……んぅ……、ふ……、んんっ、んむ……」
ヴィンセントに口づけられている内に、ライラの身体から力が抜けていった。
頭がぼんやりとしていき、何も考えられなくなってくる。
と、ヴィンセントは唇を放した。
銀色の糸がふたりの間を繋ぎ、やがてぷつりと切れる。
ヴィンセントがライラの胸を覆う夜着の布を下ろすと、彼女の白い胸が露わになる。
そしてライラの淡い紅色の頂きに口づけた。
「ひゃっ」
キスの余韻に浸っていたライラは、驚いて自分の胸元を見やり、さらに驚いた。
ライラの顔が朱に染まる。
「ヴィンセント何して……、ひぅっ」
ヴィンセントは片方の頂きを口に含み、舌でころころと転がす。
もう片方の頂きは指先で弾いたり捏ねたりした。
「あんっ、……あっ、待っ……、んあっ……」
ライラの中で快楽が生まれてくる。
ライラは両手でシーツを掴んだ。
「あっ、んんっ……、ひっ、あっ、あっ」
ライラは下半身が疼くのを感じ、脚をもじもじとすり合わせた。
やがてヴィンセントは胸を弄るのをやめた。
ヴィンセントが口を放すと、彼の唾液が尾を引く。
ライラは息をするのに精一杯だった。
彼女が落ち着く暇も与えず、ヴィンセントはライラの夜着の裾を捲った。
ライラの局部は少し濡れていた。
ライラは顔をさらに赤くし、目をつむった。
「……まだ足りないな」
ヴィンセントの呟きに、ライラは首を傾げる。
すると、ヴィンセントはライラの脚を曲げて開かせ、彼女の局部に顔を近づけた。
ライラはびっくりする。
「そんなところ汚……、ひゃあっ……」
ヴィンセントの舌がライラの局部を舐った。
ライラは恥ずかしくて、でも気持ち良くて、感情がぐちゃぐちゃになる。
ヴィンセントは下から上へ舐ったかと思うと、陰核に口づけ、舌で転がす。
「ああっ、待っ……、やあっ、あっ……」
ヴィンセントが陰核を弄り始めた瞬間、今までとは違う種類の快楽がライラの中で上ってくる。
ヴィンセントが舐れば舐るほど愛液はあふれ、シーツにしみを作る。
「待って、ああんっ……、あっ、やっ……」
ヴィンセントはひたすら陰核を舐った。
ライラは快楽のあまり腰を引きそうになるが、ヴィンセントに腰と腿を掴まれ、動けなかった。
「ヴィンセントっ……、も、なにかきちゃう……、あっ、あああぁっーーーーー」
その瞬間、ライラは全身を雷に打たれたかのような衝撃に襲われた。
びりびりと身体中が痺れ、数秒してどっと力が抜ける。
ヴィンセントは顔を上げ、上半身を起こし、ライラの汗ばんだ顔にキスを落としていく。
額、頬、鼻、顎、唇。
温かなキスがライラは心地良かった。
ヴィンセントの顔には笑みが浮かべられていた。
その笑みがあまりにも優しくて、ライラは胸がときんと鳴く音を聞いた。
「上手にいけたな」
ヴィンセントはそう言いながらライラの頭を撫でる。
いく……?ってなに……?
絶頂の余韻で頭がはっきりしておらず、ライラは何も考えられなかった。