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エレベーターに乗ったら異世界に来てしまった件

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エレベーターに乗ったら異世界に来てしまった件

82 - 第82話 オレは一人でも多くの助けを求める人の力になりたい

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2024年12月21日

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~アクアマリノ 中心街~


アクアマリノの中心街で、暴力沙汰が発生していた。


神殿騎士の男が普通の10歳程度の少年に暴行を行っていたのである。


周囲の人は助けに入ることもなく唯々傍観を行っていた。


恐らく皆神殿騎士の存在に恐れているのであろう。


もしその少年を自分が助けたら今度は神殿騎士の刃が自分に向けられるのではないかと―――


そんな不安を傍観している人たちは感じていた。


まるで、日本でよくある典型的な陰湿な虐めだな。


 加害者が特定の誰かを虐め周囲の人はただひたすらに傍観を決め込む。


なぜならその加害者を自分が止めたら今度は自分が虐められてしまうんじゃないかそんな思いがあるから。


もしくは、内心自分が虐められなくてホッと安堵しているか。


日本の虐めなどその程度のものである。


進自身も学生の身であるため、そのような虐めが自分の知らぬところで起きていることは予想ができた。


勿論、そんな虐めなど下らないと感じおり、それを発見した際には、その加害者が後悔する様な残酷な結末を進は与えてきた。



「おい坊主!どうしたもうへばったのか!」


男はその少年を殴り続けている。


少年は既に息も絶え絶え、辛うじて生きているといった感じだった。


「うぅっ…」


「貴様が悪いんだぞ!!」

「あんな根も葉もないことを言うから!」


「我ら神殿騎士は神に仕える騎士だ!」

「それをあんな金に汚いだ!とか奴隷の斡旋をしているだとか!言いやがって」


男の目は狂気に満ちており、周りの人たちを威嚇する。

「貴様たち何を見ている!」

「貴様たちもこの坊主と同じような目に遭わせてやろうか!」


街の人たちはその騎士の発言に唯々怯えることしかできなかった。進たちを除いて。


「なら、同じような目に遭わせてもらおうか」

進が男の振り上げられた右の握り拳をガシッとを掴む。


「なんだ貴さ…」

男が言い切る前に進の右ストレートが男の頬に入る。


「ぐあぁぁ!」


男は盛大に吹っ飛ばされ、吹き飛ばされた先にあった木箱は男が衝突したことによりガラガラと壊れた。


男は立ち上がり進たちに怒りを露わにする。

「き、貴様!何をする!?」

「このオレが神殿騎士と知っての行動か!」


「ああ、貴様が神殿騎士ってのは知っているよ」

「だが、それがなんだ?」


「『それがなんだ?』だと…!?」

「我ら神殿騎士はこの世界におけるエリートの集まりなんだぞ!」

「貴様ら冒険者風情が戦って勝てるわけないだろ!」

男はプルプルと怒りに震えながら言った。


「子供相手に本気で殴っている奴が何を偉そうに」

「オレはそういう屑が一切許せない質なんだ」

「ああそれとも何か?自分より弱い奴しか相手にできないのか?」

進はそんな男の怒りなどお構いなしにさらに煽る。


「貴様!言わせておけば!」

男はついに自らの剣を抜いた。


オレは鑑定のスキル使って男のステータスを覗いた。


名前:アリオール-ヴェ-アスタロト

種族:人間

性別:男

Lv.50

クラス:テンプルナイト

◆パラメータ◆

体力:429

筋力:412

魔力:376

物理抵抗力:348

魔力抵抗力:323

精神力:309

器用さ:298

素早さ:354

◆装備◆

武器:プラチナソード(+85)

防具:神殿騎士の鎧(+80)

◆アクティブスキル◆

《白魔法Lv.6》《聖剣技Lv.6》《洞察眼Lv.5》《守護法術Lv.5》

◆パッシブスキル◆

《物理耐性Lv.4》《魔力耐性Lv.4》《カウンターLv.4》

◆称号◆

神殿騎士



レベル50でユニークスキルはない。


そこまでの脅威とは思えないただ厄介なのは男が仲間を呼んだ場合だ。


それをさせないためにここでどうにかする。


「二人は下がって、他の仲間がいないか警戒をしておいてくれ」

とマリーとフラムさんを後ろに下がらせた。


「なんだオレと1対1でもしようってのか」

男はニヤニヤしながら、進の方を向く。


「ススムさん!この子もう息が微かになってきている!」

マリーが慌てた様子でオレに知らせる。


オレは、その少年に治癒の白魔法を掛けることにした。

「白魔法:ハイヒール!」

少年の意識はまだ眠ったままだったが、息は正常に戻り、傷は完全に治った。


「ススム君それをここで使ったら…!」


フラムさんは当然慌てる。


神殿騎士の見ている前でこの世界では聖女しか使うことのできない治癒の白魔法を使用したのであるから。


「おい!貴様今何をした!」

「そ、それは治癒の白魔法!?」

「ば、馬鹿なありえん!なぜ貴様のような者がその魔法を使うことができる…?」


男は激しく動揺し、狼狽える。


「こ、こんなことあっていいはずはない…」

「早く、戻ってガリア様に報告しなければ…」


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