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「天雷剣こえーな。」雅也は舌打ちをしながらつぶやいた。その目の前で加藤清政が振るった「天雷剣」が、まるで雷のように鋭い光を放ちながら戦場を切り裂いていく。
「やっぱ異能なしでこんな戦い方するんか…。すげーな。」雅也は強さに驚愕していたが、その反面、加藤が持つ「六魂」の恐ろしさを確信していた。
だが、雅也の心の中にはまだ冷静さがあった。加藤清政の一撃一撃が物理的には恐ろしいものの、その反面、雅也は何か隙を見逃さないように心掛けていた。「天雷剣」の放つ雷光のような刃を目の当たりにしても、雅也は動じず、冷徹に相手の動きを見極める目を持っていた。
「どんな異能者でも、隙があれば攻撃できる。」雅也は小さく呟きながら、加藤の動きをじっと観察していた。
そのとき、雅也の背後から微かな音が聞こえた。振り向くと、橘が銃を構え、冷静に目の前の敵を狙っている。
「おい、あんたもやるんか?」雅也は少し驚きながらも、橘の動きを見守った。
橘はあまり言葉を交わさず、銃口を加藤に向けて引き金を引いた。その銃は、普通の銃とは異なり、鋭い光を放ちながら弾を放つ、いわゆる「光弾」という異能を駆使した銃だった。この銃は、物理的な弾ではなく、純粋にエネルギーを凝縮したもので、加藤のような剣の使い手に対しても脅威を与えるものだった。
「けど、こいつには効くか?」橘は冷ややかな表情でつぶやいた。加藤の「天雷剣」を前にして、橘の銃がどれほど通用するのか、誰もが疑問に思っていた。
「やってみんとわからん。」雅也はその銃を見つめながら答えた。その言葉に、橘は少しだけ笑みを浮かべた。「その通りだな。」
加藤清政は、雅也の言葉に耳を貸すことなく、戦場を制圧していく。加藤は、すでにその戦場を完全に支配し、六魂の一つである「天雷剣」を使って雅也たちを圧倒しようとしていた。
「ほれ、異能者ども。どこまでやれるんか、見せてもらおうか。」加藤の言葉は、強い自信に満ちていた。その言葉通り、加藤の一撃一撃が雷のように響き、戦場全体が震えるような圧力を感じさせていた。
だが、雅也は引き下がることはなかった。「そんなことしてたらあかんで。」雅也は不敵に微笑みながら、加藤の前に立ち向かう。
その時、橘が銃を再度発射した。「弾を外すなよ、雅也。」橘の声は冷静だが、彼の銃の威力は尋常ではなかった。銃から放たれた光弾は、加藤に向かって一直線に飛んでいく。
加藤はその弾を軽くかわすように動いたが、その動きの瞬間を雅也が見逃すわけがなかった。「今や!」雅也は瞬時に加藤の側面に回り込んで、一気に攻撃を仕掛けた。
「切断!」雅也がその一撃を放つと、まるで空気を切り裂くような鋭い刃が加藤に向かって放たれた。しかし、加藤はその一撃をただの攻撃と見抜き、すぐさま六魂の一つ「風狼刀」を振るい、雅也の刃を弾き返した。
「ふん、そんなに甘くない。」加藤は冷酷に言った。その風狼刀は、風のように速く、どんな攻撃でも受け止めることができる。雅也はその強さに驚きながらも、再度攻撃を仕掛ける。
「楽しいな。」加藤はニヤリと笑い、またしても「天雷剣」を振るい始めた。雷光が煌めく度に、その破壊力が周囲を襲う。
その戦いは、異能者同士の戦いではなく、まさに戦士としての誇りをかけた戦闘に変わっていた。
雅也と加藤の戦いが続く中、幕府内では加藤の圧倒的な実力を見て、次なる命令を下す準備をしていた。加藤清政が倒幕を目指しているという噂が広まる中、幕府内部での緊張も一層高まっていた。雅也にとっては、その幕府との戦いもまた避けて通れぬ運命だ。
「これからどうするんや、雅也。」橘が静かに問いかける。雅也は一度加藤と目を合わせ、次なる一手を考えながら答えた。
「倒幕したいんなら、こいつを倒さなあかんな。」