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「あの。白い液体は? 渡したはずよ。それには、オニワライダケと高濃度の農薬を中和させる効果があります。早く飲まないと……歩君。取り返しがつかなくなりますよ」
ぼくは急いでズボンのポケットから白いスープを取り出し、エレベーターへ向かった。
優しい看護婦さんは、もう目も動いていない。死んでしまう前に助けないと。
「看護婦さん!」
「歩君! 早く君も飲んで!」
後ろから、足音が聞こえてきた。
でも気にせずにぼくは看護婦さんの口に蓋を開けた瓶の中身を流し込み。
ぼくは残った液体を飲んだ。
重い首て振り返ると、羽良野先生もエレベーターに乗りだした。
しばらく、羽良野先生は醜い目で心配そうに優しい看護婦さんを調べていたけど、もう大丈夫だろうと、一階のボタンを押し、ぼくの方を見た。
その目には何か伝えたいものがあのだろう。
ぼくにもあるんだ。
今までどこにいたの?
この事件の犯人は村の人たちだけなの?
子供たちは本当に死んでしまったの?
エレベーターがゆっくりと階下へ降りていく間。
ぼくと羽良野先生は無言だった。
羽良野先生は時折、怪物のように顔を歪め。悲しそうな表情を見せる。