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🖤蓮side



阿部ちゃんが練習に戻って来てからしばらくしてのそれスノの収録日。

俺はその間撮影で忙しくしていて、全く翔太くんと話せてない。



現場では翔太くんが意識して舘さんと阿部ちゃんを避けているように見えた。

舘さんもあまり翔太くんの方を見ない。



もう気持ちを伝えたのかな?

それにしても気になることがある。

岩本くんが早速指摘していた。



💛翔太、お前、痩せた?


💙別に


💛ちゃんと食ってる?


💙んー…



頬が少しこけて、いつもの肌の艶がないみたいだ。

美容に気を遣い始めてから、食事も美容の一環として力を入れていたはず。

もともと食が細かった翔太くんが食べるようになったことを俺も喜んでいたのに。



🩷ブスになっちゃうよ〜?


佐久間くんがからかう。


💙うるせー、わかってるよ💢



翔太くんは二人を雑にあしらってこっちに避難して来た。

岩本くんと佐久間くんは二人で心配そうに翔太くんを見ている。



🖤しょっぴー、どうしたの?


💙……


🖤舘さんと話せた?


首を振る。


収録が始まるので、この話はそのまま打ち切りになった。




昼休み



ケータリングの弁当を取りに行かない翔太くんに無理やり弁当を押し付ける。



💙いらない


🖤食べて


💙……


🖤ちょっとでいいから


💙……わかった



翔太くんはため息をついて、のろのろと蓋を開ける。

すみっこのサラダを不味そうに口に運ぶ。

周りにみんながいるから、ちゃんと話を聞くことはできない。

でもこうして隣りにいるだけで少しは励ませるはずだ。



やがて岩本くんがやって来た。



💛翔太、ちゃんと食え


💙食ってるだろ


💛野菜ばっかりじゃなくて肉も食え


💙胸焼けするからやだ


💛だめだ、食え



二人で押し問答をしている。

岩本くんはいつもこうしてメンバーを気にかけてくれる。

いつのまにか佐久間くんも様子を見に来てくれていた。



💙あーもう!ぞろぞろ寄ってくんな。ウザい!


🩷俺が食べさせてあげようか?はい、あーーん


💙やめろっ///



SnowManは本当にあったかいグループだ。

自分がここにいられてよかったなと心から思う。

翔太くんには後で二人になったら改めて話を聞こうと思う。





収録終わり、翔太くんを探していると、先に阿部ちゃんが声をかけて来た。



💚目黒、ちょっといい?


🖤あー、うん


💚相談、乗ってほしい


🖤……いいよ



俺は当初阿部ちゃんの恋を応援するつもりだったんだけど、今では事情が変わってしまって、なんとなく翔太くんの側についてしまっていたのだった。


二人の気持ちが真剣だから、どっちがうまく行ってほしいとかはあんまり考えられないんだけど。


それになんだか目の前の阿部ちゃんは元気がない。


阿部ちゃんはもともと頭もいいし、我慢しがちな性格だから色々抱えることも多そうだ。



🖤俺でいいなら



翔太くんのことは気になったが、深刻そうな阿部ちゃんの誘いを無下にすることもできず、自分でたまに行く個室付きのバーへと向かった。






💙翔太side



💙なんだよ、目黒、いないじゃん…



着替えに手間取り、珍しく楽屋を出るのが遅くなってしまった。


てっきり近くで待っていてくれると思ったのに、目黒の姿は廊下のどこにもない。



代わりに一番顔を合わせづらい相手がそこにいた。



💙…まだいたんだ


❤️もう帰るよ。じゃあ


💙待てよ!!



思わず引き止める。

今なら話せると思った。

涼太はゆっくりと振り返る。

そんな優雅な動作も今はただじれったくてイライラした。



💙あのLINEの理由、聞きたいんだけど


❤️別に、言葉通りだよ


💙俺、なんかした…?



思わず涙が込み上げてくるが、どうにかこらえた。泣いてしまったら、きちんと話が聞けなくなる。



❤️何もしてない、でも


💙なんだよ


❤️俺が無理なの


💙だから、俺が何かしたかって!!


❤️俺は目黒とお前を祝福したい


💙はぁ?


❤️だからもう少し時間が欲しい



それだけ言ってしまうと、涼太はちょうど来たエレベーターに乗り込んで行ってしまった。

あまりのことに愕然とする。



💙おい!!あ!!待てって!!!!



慌てて開閉ボタンを押したが、もう間に合わなかった。下まで追いかける気力はもう残ってない。



目黒と俺を祝福するって、何のことだよ!?

もしかしてあのキスの誤解が解けてないのか…!?



俺はようやく気がついた。

涼太に何の弁解もしてなかったことに。

目黒には悪いが、こちらに全く気持ちがなかった事故みたいなものだからと深く考えていなかった。



それに涼太がそのことにこだわる理由もわからない。

自分には阿部ちゃんがいるくせになんでそんなこと気にするんだよ……。



そこへ照が通りがかった。



💛お前たち、何があったの?



どうやら一部始終を見られていたようだ。



💛お前の拒食の原因は舘さんなの?


💙……


言い訳を考えたが思いつかない。

諦めて頷く。


💛まったく…。二人とも何やってんの?


💙だって…


💛だってじゃない!ふっかと話したんじゃなかったの?


💙話した


💛で、なんで食えなくなるんだよ。


💙だって…涼太のやつが……ううっ…



急に今まで我慢した涙が溢れて来た。

口調は厳しくても、照の優しい心が胸に沁みたからだ。照は黙って俺を抱きしめて、背中をぽんぽんしてくれる。

飯も食えない、よく眠れない、俺は心身ともに疲れ切っていたのだった。



💛こんなに弱った翔太も珍しいな


💙……


💛そんなに舘さんが好き?


💙わかんないけど…


涙が止まらない。

泣き止むまで、俺は照の腕の中にいた。





💛照side



腕の中で泣きじゃくる翔太を抱きしめながら、可愛いなあと思う。

自分より年上なのに、天然の甘え上手なところが翔太にはある。いつもは強気な翔太のこのギャップが愛おしい。


舘さんも目黒もそんな翔太の魅力に取り憑かれてしまっている。


俺も舘さんがいなかったら正直危なかったと思う。

6人組の時から、舘さんの翔太への熱視線はすごいものがあった。

昔は若かったから、周囲への嫉妬心ももっとむき出しだったし。


舘さんは口数が少ない分、内に秘めた思いの強さが人と違った。あんなに熱を上げるやつが身近にいたら、軽い気持ちで翔太には近づくことができない。



しかし、新メンバーの目黒は違った。



もともと物怖じしない性格で、翔太を素直に慕い、二人で過ごす時間を徐々に増やしていった。

仲良くなるにつれ、目黒の気持ちがだんだん友情から恋愛感情へと変わっていくのがはたから見ていてもわかった。


この火種ができれば爆発しないことを望んでいたのだが、最近、事態が急速に変わって来たのだった。



阿部と舘さんが付き合い始めたのだ。



それをふっかから聞かされたときには、すぐには信じられなかった。

翔太じゃなくて、阿部と?

部外者なので舘さんに聞くわけにもいかなかったが、いよいよメンバー間に亀裂が入りそうになったのでふっかに力を貸してもらった。



ふっかからは翔太が舘さんと阿部の交際にショックを受けてることが聞かされた。

翔太はその時初めて自分の気持ちを自覚して、舘さんと向き合うと決めたみたいだと報告を受けた。



嗚咽が落ち着いた翔太に聞いてみる。


💛舘さんに、なんてメッセージしたの?


翔太は暗い顔で答えた。


💙話がしたいってだけ。そうしたらもう連絡するなって返ってきた。だから事情を聞きたかっただけなのに。



話していて悔しくなったのか、翔太はまたしゃくり上げている。翔太の背中をさすりながら、俺はどうしたものかと考えていた。




🖤蓮side


芸能人御用達のような繁華街のバーの一室で阿部ちゃんと並んで座る。

高層ビルにあるので夜景が綺麗だ。

二人で外を眺めていた。


💚きれい……


阿部ちゃんは少し笑った。

なんだか消え入りそうな弱々しい笑顔に見えた。


🖤ここ、前に先輩に教えてもらったんだけど、いいよね。


💚…今日は、付き合ってくれて、ありがとう


律儀にお礼を言う。

そんな阿部ちゃんに胸がちくりと痛んだ。

翔太くんが好きで、思わず翔太くんの背中を押してしまったが、阿部ちゃんも真剣に舘さんが好きだったんだよなと思い直す。



💚涼太とね


🖤うん?


💚別れようと思うんだ


阿部ちゃんは静かに話し始めた。

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