あぁ、私はどうしたらいいの。
ねぇ、あなたならどうする?
もう聞けない。どうして、離れてったの。
辛いよ。ねぇ…なんで…
「私」ってなんだろうね
その言葉が、いつも私の頭によぎる。
誰にも言えない、私の気持ち。
いや、言ってはいけないのだ。
だって言ってしまったら、私は弱くなってしまう。
弱くなって、私が壊れてしまう。
だから、強くならなきゃいけない。
心の箱にしまい込んで、紐を結んで固く縛っておこう。
まぁ、言ったときの相手の顔が怖いのもあるのだが…
ふと、時計な目を配る。
あ、もう少しで私の嫌な時間が終わる。
チャイムの音に操られるように、みんなが席につく。
だが、先生は来ない。
男子が来ないんじゃねと盛り上がる。お決まりだ。
そんなわけないのに。
ガラッー
扉の開く音がした。ほらな、と私は心のなかでつぶやく。
さっきまで、盛り上がっていた男子がえーと残念な声を上げた。あるあるだな。
先生が、すまん!といい授業を始める。
数学の、羽川だ。この人はのりがいいので、生徒や他の先生にも人気がある。
黒板にぶつかるチョークの音、先生の声、生徒の喋り声…
さて、私が嫌いではない時間が始まる。
教科が好きというわけじゃない。
授業に集中するから、余計なことを考えなくていいからだ。
わからんなりに頑張ろうではないか。
そして、終わりのチャイムがなる。
また、嫌な時間が始まった。
休み時間になると、一人になる。
「居場所がない」その言葉に押しつぶされる。
いや、前までは友達とかといたんだ。
だけど、距離を感じるようになった。
そこから、徐々に切り離されていった。
すると、後ろからトントンと肩を叩かれた。
もうずっと一人ていたから、びっくりして叫びそうになった。
そこで、その叫びを喉にしまう。
怖かった。一人ていたから、いじめられるんじゃないかって
だから、冷静を保つように、
「何?」
といった。叩いた子は、女の子だった。
「気になったの。ねぇ、一緒に話そうよ」
彼女は、明るくそういった。
私は、うろたえて声すら出せなかった。
そんな私を見て、彼女は
「あっ、うちの名前な、菜乃っていうの。なっちゃんとかいろんな呼び方で読んでよ!」
嬉しそうな声で言う。
私は、やっと声が出た。
「わ、私は真琴」
真琴って言うんだ!じゃぁ…うーんと彼女は唸る。
そして、彼女は思いついた!という顔で
「まこっちやな!」
といった。私は、嬉しくなったし、少し恥ずかしかった。
こんなふうに話せるとは、思っても見なかったからだ。
うん!と少し大きな声でいってしまった。顔が熱くなるのを感じる。
すると、菜乃は私よりも大きな声でうん!と返事をした。
大きな声だったからか、周りの視線がこっちに向いているとすぐにわかった。
でも、すぐに別の話題になり、その視線はぱっと消えた。
これから、楽しくなりそうという面と、また、離れていくんじゃないかという不安もあった。
コメント
1件
面白いです!フォロー失礼します