〔 ◨◨ side 〕
思わず飛びついてしまった。
私からハグするなんて、やっぱ此奴は私に呪いをかけた張本人だな。
五条 「 よしよし、 」
花奈 「 子供扱いすんなぁ、 」
冷えきった体は、其奴のおかげで少し温まった気がする。
花奈 「 私さ、五条と離れてから1日も楽しいと思ったことがなかった。 」
五条 「 うん、 」
花奈 「 この2ヶ月。めっちゃ長かった。1日が1年過ごしたみたいだった。 」
五条 「 うん、 」
花奈 「 心にポツンってデカい穴があいたみたいで、寂しかった。苦しかった。 」
五条 「 うん、 」
花奈 「 自分勝手なとこも、口がわるいとこも、バカにしてくるくせに私になにかあったらすぐ駆けつけてきてくれるとこも。
私はそんな五条が必要なの! 」
花奈 「 お前はそれくらい私にとって大切な存在。 」
五条 「 ……………うん (笑) 」
花奈 「 だから、……………だから! 」
「 もう私の傍から離れないでッ、 」
五条 「 ……………わかった。約束だ。
もうお前の傍を離れない。
あと、僕からも1つ。 」
そう言って、其奴は膝をついて私を見上げた。
そして、私の薬指にあったものをとり、片手には違うケースがあった。
五条 「 僕と、結婚してください。 」
花奈 「 ……………!?!? 」
五条 「 許嫁でも、親父からの指示でもない。僕からの頼み。 」
「 僕の嫁になってくれ。 」
花奈 「 ……………ぇ、 」
五条 「 追い出したとき言ったろ、
「 僕好きな子できた 」 って 」
此奴はどこまでも自分勝手だなぁ、
花奈 「 やっぱ変質者だね、(笑)
うん、なってあげる!! 」
そう言って、また五条に飛びついた。
私は久しぶりに笑顔になった気がする。
〔 海side 〕
よかったな、花奈。
五条さん、花奈をこれからもよろしくお願いします。
海 「 前も言ったけど、もう1回言わせてくれ。 」
「 俺、まだ花奈のことが好き。 」
花奈 「 海。__________、 」
「 __________ごめん。
前言った通り恋っていうのはどういうのかはっきりはわからないけど、
海に思ってることは違うと思う。」
「 でも、でもね。私わかったの、この気持ちに。私__________、 」
「 _____私、五条が好き。自分が思ってる以上に五条が好き。だから、ごめんなさい。 」
海 「 そっか。答えてくれてありがと、 」
そう言って、俺達は別れた。
そして、俺は胸ポケットにしまっていたスマホを取り出して、スピーカーを直し、耳に当てる。
海 「 はぁ、またこんな思いしたくなかったですよ、五条さん。 」
📞五条 「 ごめんね、海くん。一応彼奴の気持ち確かめておこうと思って、 」
海 「 こんな思いさせたんですから、次はちゃんと花奈のこと悲しませないでくださいよ。
俺、花奈のこと五条さんと同じくらい好きですから、花奈レーダーは誰にも負けません。 」
📞五条 「 望むところだよ、 」
そう言って、電話を切った。
あぁ、今日が雨でよかった。
俺は、唇を噛み締めて公園へと向かった。
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