テラーノベル
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「水篠さんが先生の本を読んでくれているなんて、嬉しいなぁ」
そう言って頭を掻きながらホクホクとした笑顔を浮かべる小林さんを前に、私はしばらく呆然としていた。だってこんな偶然ってある?涼が読んでいた本を成り行きで読み始めたら引き込まれるように夢中になった。でもその物語の結末はあまりにも切なくて。
居ても立っても居られなくて本屋に走ったら、前に傘を貸して知り合った人にばったり再会し、その人物がこの本を書いている作者の編集担当だったということが判明。……うん。やっぱりこれはドッキリに違いない。
そう結論付けようとしたところで、ふと小林さんと交わした会話を思い出す。
「確か、コインランドリーで作家に逃げられたって言ってましたよね……?」
「はい。あの時僕は先生の自宅に伺ったのですが、逃げられてしまいました。運動は苦手といいつつ、逃げ足だけは速くて手を焼いているんです」
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