加藤は銃を片手に格納庫へと急いだ。船内の照明はまだ正常だったが、格納庫に近づくにつれて、妙にひんやりとした空気が漂っていた。
格納庫のドアを開けると、目に飛び込んできたのは、金属製の巨大な装置だった。まるで異世界の技術がそのままそこに置かれたかのような不気味さを放っている。装置は黒光りする球体で、周囲には赤い光が脈動している管が絡みついていた。
加藤「……なんだこれ?船にこんなもん積んだ覚えはねえぞ。」
球体の表面には奇妙な記号が浮かび上がり、それが徐々に加藤の方を向いて回転し始めた。突然、球体の上部が開き、そこから小型のドローンのような機械が飛び出してきた。
ドローンの声「アクセス承認、破壊行為を検知。対象を排除します。」
加藤「排除だと?そいつはこっちのセリフだ!」
加藤は「風狼刀」を振りかざし、ドローンに一撃を加えた。刀から繰り出された風の刃がドローンを真っ二つに切り裂く。
加藤「お前らのオモチャじゃ、俺には勝てねえよ。」
しかし、その瞬間、球体が低い音を発し始め、室内の空気が歪むような感覚が広がった。格納庫の中央に突如として映像のようなものが浮かび上がる。それは地球の映像だったが、何かがおかしい。
加藤「……なんだ、これ?」
映像には、地球が炎に包まれ、無数の宇宙船が空を覆う未来のビジョンが映し出されていた。
橘(通信越しに)「清政、何が起きている!?」
加藤「よくわからねえが、こいつ……未来を見せてきやがる。地球が滅んじまった未来だ。」
橘「何だと?その装置、破壊できそうか?」
加藤は球体を睨みつけ、刀を構え直した。
加藤「やってやるさ。こんなもん、俺たちの未来を邪魔させるわけにはいかねえ。」
彼は異能を込めた「裂天刃」を抜き放つ。その刃はまるで空間を裂くような光を放ち、球体に向けて一撃を放った。
加藤「ぶっ壊れてくたばれ!」
裂天刃の力によって球体は真っ二つに割れ、装置全体が激しい閃光を放った。その後、静寂が格納庫を包む。
しかし、最後に聞こえたのは、装置から漏れた謎の声だった。
謎の声「お前たちは試練の第一段階を超えた。次なる段階で待つ……」
加藤は息を整えながら、無線で橘に報告する。
加藤「装置は破壊した。だが、どうやらこれはまだ序章らしいぜ。」
橘の声には緊張がにじんでいた。
橘「船内を徹底的に調べる。ここで終わらせる気はない。」
加藤「ああ、だが気をつけろ。こいつら、俺たちの行動を全部見てやがる。」
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