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「今日さぁ、なんかほんまええ感じやったやんなぁ!」
「なんだそのざっくりした感想。」
「でもなんかわかるわ。太智も仁人もキレあってめっちゃよかったよ」
「そんなもんはやとやってよかったよぉ!キメるとこもばっちし決まっててさぁ」
「えぇまぁじ?ありがとだいちゃんっ♡」
「いや身内で褒め合ってんのさすがにキモいて」
3人でのコンサートリハ終わり。
いつものように、3人並んで無駄話をしながら移動車へと向かって地下駐車場を歩いていると、前方から物凄い勢いで黒いワンボックスカーが乗り付けてくる。
「うおあ!!」
随分と男らしい悲鳴を上げ、車と1番近くにいた太智が慌てて飛び退く。
「なになに、何事?」
その様子を、勇斗は眼鏡越しに半笑いになりながら眺める。
「あっぶねぇなぁ…!」
まるで自分たちを轢き殺さんばかりの運転に頭に来て、一言言ってやるため運転席側のドアに回り込むと、ガラスにはスモークフィルムが貼ってあり、中が見えない。
それを見て嫌な予感が頭を過った瞬間、ボックスカーの扉の開く音とほぼ同時に、太智の悲鳴が響き渡った。
「うわぁ!!」
その緊迫した声に急いで2人がいた場所へ戻ってみれば。
「え、マジでなんなんすか?!ちょッ、放し…はや、はやとッ!!」
そこでは太智が覆面を被った男に後ろから羽交い締めにされながら喚いていて、その隣には同じく覆面の男3人に囲まれている勇斗の姿が目に飛び込んでくる。
( ……なに これ )
理解出来ない状況に足が止まる。
なんだ、なんなんだこれ一体なんの撮影だよ。俺なんもハナシ聞いてねぇんだけど。
ぐるぐると考えを巡らせている内に、3人の覆面男は勇斗を掴んで引き摺りながら、車の後部座席へ押し込もうとする。
ぐいと頭を押さえられ、その衝撃でかしゃんと、勇斗の眼鏡が地面に落ちた。
_____ 勇斗が いなくなってしまう。
一瞬頭が真っ白になり、俺は弾かれたように駆け出す。
「っ、お前ら何やって…!」
「来んな仁人!」
駐車場に響き渡るような大声で叫んだ勇斗に気押され、立ち竦む。
「俺は 大丈夫だから。」
3人にもみくちゃにされながら、勇斗は俺の目を真っ直ぐに見て、笑う。
なんでおまえ笑ってんの、自分がどういう状況かわかってんのか?
「行くぞ!」
再び勇斗の所へ行こうとした時上がったその言葉をきっかけに、太智を拘束していた男は太智を俺に向かって突き飛ばした。
それを受け止めているうちに、素早く後部座席へ乗り込んだ男達は、勇斗を飲み込んだまま車のドアを閉じる。
キュルキュルと音を立てて、俺と太智の前から走り去って行くワンボックスカー。
「じんと、じんとどないしよ、勇斗が…はやとが!」
可哀想なくらい狼狽した太智の声を何処か遠くで聞きながら、俺は地面に転がった勇斗の眼鏡をぼんやり見下ろす。
ごめんな、太智。本当はリーダーである俺がお前を落ち着かせなきゃなんないのに。
こういう時はまず警察に連絡して、ナンバープレートもひかえて、それからマネージャーと、もしものことがあるかも知れないからメンバー全員にも連絡入れて、安否確認して。
______俺は、大丈夫だから。
「………だいじょうぶって、なにが?」
勇斗の顔と言葉がフラッシュバックして、目眩を起こしたように立っていられなくなり、地面に残された眼鏡の前へ膝を折って、うずくまる。
なぁ、勇斗、何が大丈夫なの?
俺巻き込まないようにってカッコつけたつもりなん?馬鹿なのかよ大丈夫な訳あるか俺
…俺、お前いなくなったら、何もできないんだよ。
暫くその場に動けないままでいると、どこからか足音が近づいてきて、俺の目の前で立ち止まった。
「…どうしたん、仁ちゃん。」
頭上から降ってきた聞き慣れた声に、顔を上げる。
そこには勇斗が当たり前のように立っていて、困ったように頭を掻き、首を傾げた。
「こういう時はまずケーサツに110番だろ」
お前らしくねぇなぁと。
俺を見下ろしながら、またさっきみたいに笑う勇斗の顔を見て。
「……はや、とぉ〜」
俺はふらふらと立ち上がり、顔をくしゃくしゃにして泣きながら勇斗を抱きしめた。
らしくないなんてよういうわ。
俺らしくいる為には、前提として お前が隣にいなきゃダメなんだよ。
end+実は…
その姿を遠くで眺めながら。
「ど、どどどどうしよこれ完璧に出て行くタイミング逃したっぽい!…てゆうかだいちゃんどころか仁ちゃんもめっちゃ泣いてるって!泣きまくってるって!!」
「…俺たち、めっちゃ嫌われんじゃない?」
「仁ちゃんに嫌われんの俺嫌やぁ!」
「ちょぉ〜っとこれ…一旦スタッフさん達でどうにかしてもらわなきゃマズいっすよ、いやマジのガチで」
「そうやそうや!俺ら全然悪ないもんっ!スタッフさん達の仕込みがガチすぎたせいですからね!?」
『ドッキリでした』と言い出せないで、揉めるやわしゅん(とスタッフ達)。
本当にend
以前見た夢の話をみ!さんバージョンで。
夢なので支離滅裂内容迷子です。
…自分の脳内が心配…