テラーノベル
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帝国・教皇庁地下。
警鐘が鳴り響く。
重い足音。
追手が迫る。
ヒカルが走りながら言う。
💛派手にやりすぎたな!
タツヤは息を切らしながらも冷静。
💜最初から静かに帰れるとは思ってない
背後、扉が破られる音。
ドンッ!!
「侵入者だ!」
「逃がすな!」
ヒカルは舌打ちする。
💛来るぞ!
角を曲がった瞬間。
前方にも人影。
挟まれた。
タツヤが止まる。
💜…完全に包囲された
ヒカルは剣を抜く。
💛上等だ
前の聖職者たちが構える。
ただの神官じゃない。
異様な気配。
タツヤが低く言う。
💜気をつけろ、普通じゃない
ヒカルは笑う。
💛見りゃ分かる
次の瞬間、聖職者の一人が呟く。
「―起動」
空気が歪む。
その体に紋様が浮かび上がる。
光る。
ヒカルの目が見開く。
💛…なんだそれ
タツヤが即答。
💜契約式だ!人に刻んでる!
あり得ない。
人間の体に直接魔術刻印。
暴走するはず。
だが、目の前のそれは安定している
ヒカルが低く言う。
💛いずれにせよまともじゃない
踏み込む。
ガンッ!!
剣がぶつかる。
異常に重い。
腕が痺れる。
相手は微動だにしない。
聖職者が無機質に言う。
「排除」
次の瞬間、あり得ない速度で踏み込んでくる。
ヒカルがギリギリで受ける。
💛速っ…!
タツヤが詠唱に入る。
💜解式展開
足元に魔法陣。
青白い光。
💜干渉解除を試みる
ヒカルが叫ぶ。
💛頼む!
タツヤの目が鋭くなる。
(構造が…複雑すぎる)
ただの契約じゃない。
何重にも重ねられている。
💜これ…人間を“器”にしてる!
ヒカルが押し返される。
壁に叩きつけられる。
ドンッ!!
💛ぐっ…!
血が滲む。
聖職者が手をかざす。
光が収束し攻撃が来る。
その瞬間…
バンッ!!
横から衝撃。
別の魔術で弾かれる。
タツヤだ。
💜まだだ!
ヒカルが立ち上がる。
💛助かった!
タツヤは息を荒げながら言う。
💜時間をくれ!核を見つける
ヒカルは前に出る。
💛分かった!
剣を構える。
再び突っ込む。
連撃。
火花。
速度が上がる。
一対複数。
だが引かない。
タツヤは解析に集中する。
(どこだ…制御核…!)
視界に術式が浮かぶ。
重なり合う構造。
その奥。
💜…あった
一点、不自然な歪み。
タツヤが叫ぶ。
💜ヒカル!胸部中央だ!
ヒカルが即座に反応。
一歩踏み込む。
フェイント。
受け流し、 そして―突き。
ドスッ!!
剣が突き刺さる。
一瞬の静止。
次の瞬間。
バキッ
紋様が砕ける。
聖職者の体が崩れる。
力が消える。
ヒカルが息を吐く。
💛なるほどな…
だが、安心した瞬間。
ゾクッ
嫌な気配。
タツヤが顔を上げる。
💜…来る
空気が変わる。
重い。
圧が違う。
奥の扉が ゆっくり開く。
そこに立っていたのは、白衣の男。
穏やかな笑み。
だが目が笑っていない。
「ここまで来るとは」
静かな声。
ヒカルが構える。
💛誰だ
男は軽く頭を下げる。
「教皇庁の管理者です」
名前は言わない。
タツヤが小さく呟く。
💜…まずいな
ヒカルが低く言う。
💛強いのか
💜“人じゃない可能性”がある
男は微笑む。
「正解です」
一歩踏み出す。
その瞬間―空間が歪む。
ヒカルの本能が叫ぶ。
(やばい)
即座に跳ぶ。
直後、元いた場所が
“消える”
抉り取られたように。
ヒカルが息を呑む。
💛…なんだ今の
男は淡々と言う。
「失敗作ですがそれなりに使えます」
タツヤの背筋が冷える。
(やっぱり…)
💜人体実験…
男は否定しない。
「神の奇跡の再現ですよ」
ヒカルの目に怒りが宿る。
💛ふざけるな
剣を強く握る。
💛それを奇跡とは呼ばない
男は興味なさそうに言う。
「では何と?」
ヒカルは一歩踏み出す。
💛罪だ
空気が震える。
戦いが次の段階に入る。
空間が歪む。
ヒカルと“管理者”の戦闘が始まる。
轟音。
衝撃。
だが、タツヤは動かない。
いや、動けない。
💜…なんだこれ
視界、術式、世界そのものが
“分解”されて見えている。
線、音、振動すべてが
一つの“構造”として流れ込んでくる。
タツヤは頭を押さえる。
💜ぐっ…!
情報量が異常。
普通なら脳が焼き切れる。
だが止まらない。
流れ込む。
(これは…魔術じゃない)
理解する。
(もっと原始的で―もっと根源的な)
その時。
遠くから微かに“音”がする。
歌。
(…え?)
一瞬、思考が止まる。
(聞こえる…?)
あり得ない。
ここは地下。
距離もある。
なのにはっきり分かる。
(これは…あの時の)
ダイスケの歌。
タツヤの瞳が見開く。
💜繋がってる…?
周囲の術式が反応する。
震える。
共鳴。
管理者が一瞬だけ視線を向ける。
「…ほう」
興味を持った目。
タツヤはそれに気づかない。
完全に“内側”へ潜っている。
(音じゃない、これは…命令だ)
一気に理解が進む。
(世界に対する…干渉)
息が止まる。
(まさか)
脳裏にあの古文書。
“歌は世界を―”
その続きが、今 “分かってしまう”
タツヤが呟く。
💜…書き換えてる
その瞬間。
空気が揺れる。
管理者の目が細まる。
「そこまで到達しますか」
ヒカルが叫ぶ。
💛タツヤ!何してる!
タツヤは答えない。
いや、答えられない。
思考が加速している。
止まらない。
(セイレーンは…歌で世界を“再定義”する存在)
魔術じゃない。
祈りでもない。
もっと直接的。
(だから、教皇庁は)
吐き出すように言う。
💜再現しようとしてるんだ…
管理者が微笑む。
「ええ、神の奇跡を」
タツヤは首を振る。
💜違う
はっきりと。
💜これは奇跡じゃない、“権限”だ
沈黙。
その言葉に空気が変わる。
ヒカルが一瞬止まる。
管理者の笑みが深くなる。
「面白い解釈ですね」
タツヤの声が震える。
だが止まらない。
💜人間には本来ない、世界を書き換える権限
💜それを持っているのが…
言葉が重くなる。
💜セイレーン
遠くの“歌”が強くなる。
ダイスケ。
無意識に歌い始めている。
共鳴が加速する。
タツヤの視界が白くなる。
(やばい、引き返せない)
でも、もう遅い。
核心に触れた。
💜大公家の呪いは…
💜その“権限”を無理やり固定したものだ
ヒカルが息を呑む。
💛固定…?
タツヤは続ける。
💜暴走しないように、でも同時に
💜“使えるようにする”ための枷
管理者が拍手する。
パチパチ、と。
「素晴らしい、ほぼ正解です」
ヒカルが叫ぶ。
💛ふざけんな!人を実験材料にして!
管理者は淡々と返す。
「進化には犠牲が必要です」
その言葉、タツヤの中で何かが切れる。
💜…違う
初めて、怒りが滲む。
💜これは進化じゃない、奪ってるだけだ
空気が震える。
その瞬間。
タツヤの足元に “別の術式”が浮かぶ。
見たことがない。
だが、理解できる。
(これ…俺が作ってる…?)
無意識。
共鳴の影響。
ヒカルが驚く。
💛タツヤ…!
管理者の目が鋭くなる。
「それは…」
興味が警戒へ変わる。
タツヤの声が低くなる。
💜触れた。だから分かる
ゆっくり顔を上げる。
瞳がわずかに光る。
💜これは人が扱っていい力じゃない
そして一言。
確信を持って。
💜ダイスケは―
空気が止まる。
言葉の続き。
💜世界そのものだ
沈黙。
その瞬間―
ドンッ!!
遠くで爆発。
共鳴がピークに達する。
タツヤがよろめく。
意識が揺れる。
ヒカルが支える。
💛しっかりしろ!
タツヤは息を荒げる。
💜…繋がってる
かすれる声。
💜全部…
ヒカルが低く言う。
💛ならどうする
タツヤは前を見る。
管理者。
そして、その奥。
見えない“巨大な流れ”。
💜止めないと
はっきり言う。
💜全部、壊れる
コメント
2件
ふっかさんがめちゃめちゃカッコいいです…! 毎回どうなるかハラハラしながら楽しみにしてます✨