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~アクアマリノ ベネットの宿屋~
進たちを襲おうとした三人組を懲らしめた進。
体中に付着した血痕を洗い、自身の衣服を収納のスキルからスペアの衣服に着替える。
そして、ベネットさんの宿屋に戻った。
あの三人組はどうなったかだって?
勿論、殺してはいない。
依頼主である神殿騎士の居場所と、奴隷売買に関する裏が取れたので流石に命は勘弁してやった。
だが、精神的にはかなりダメージを与えておいたので、もう二度と暗殺者としては再起できないであろう。
ベネットさんの宿屋に戻ると、早速フラムさんがオレの元に駆け寄って来る。
神殿騎士の基地を強襲することについて言及を求められた。
「今回、暗殺者が送り込まれてきました。」
「理由はハッキリとは知らされていなかったようですが、どうやら奴らの狙いはオレのようです。」
「正確には、オレの持つこの治癒の白魔法だそうです」
そういえば、以前ロレーヌ村のルイーズさんにも治癒の白魔法は安易に他の人に見せてはいけないと注意を受けたっけ―――
しかし、あの時一刻も早くこの宿屋の息子であるカイルを助けなければ、少年はあの神殿騎士に殴られて死んでいた。
あの場で治癒の白魔法を使ったこと自体には後悔していない。
「強襲するって言ったってこの3人でかい?」
フラムさんはオレに聞く。
「ええ、もちろんそうです。」
「カイル!お前のお姉さんはどうやら本当に神殿騎士に奴隷として捕まったらしい。」
「本当か!?」
カイルがこの話題に食らいついてきた。
「ああ、それでオレたちはカイルのお姉さんやそれ以外の囚われている人達を解放するために神殿騎士第七師団駐屯地に侵入しようと思っている。」
オレはカイルにお姉さんや他の奴隷を救出することを話した。
「頼む!ススム!姉ちゃんたちを助けてくれ!」
カイルは進に頭を下げ頼んだ。
「まぁ奴隷を助けることは分かったが、どうやって侵入するんだ?」
フラムさんが潜入の作戦について聞いてきた。
「”光学迷彩”を使います」
「光学迷彩?何だいそれ?」
とフラムさんが聞くので、オレは実際に白魔法で光学迷彩による透明化を目の前で実演してみた。
「あ!それ昼間のやつですね。」
マリーもこれで透明化したので、興味津々で聞いてきた。簡単に二人に光学迷彩について説明をしてあげた。
「そんな凄い技術が異世界にはあるのか?」
「技術っていうか物理法則ですけどね―――」
「ただ、この世界では科学よりも魔法が発達しているため、魔法による透明化とかもあったりするんじゃないですかね。」
「う~ん、自分は聞いたことはないが、もしかしたらあるかもしれないな。」
フラムさんは手を自身の顎に当て、そう答える。
「作戦も纏まったんで、早速行動に移しましょうか」
「さて、神殿騎士第七師団駐屯地まで行きましょう!」
オレは右手を上にあげ、二人の士気をあげようとした。
二人はそれに乗り、オー!と手をあげてくれた。