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らびゅ🫶💕〜!
73
#男主人公
chapter 2-The One Who Sees Me
次の日。
俺はいつも通り教室に入った。
「おはよ」
「おはよう」
何人かが返してくれる。
それだけで嬉しい。
こういう何気ないやりとりが俺は好きだ。
席に向かうと隣から声がした。
「朝から元気だな」
見ると依がいた。
「なにそれ」
「いつも通り」
「いいことでしょ」
「疲れないのか」
「何が?」
依は少し黙った。
「…いや」
「?」
「なんでもない」
相変わらずよくわからない。
依は不思議なやつだ。
話しかければ返してくれる。
でも自分から話しかけることは少ない。
人と距離を取っているように見える。
なのに。
なぜか周りのことはよく見ていた。
先生が困っていたら先に動く。
誰かが1人でいたら、少しだけ気にする。
優しいのに、優しくないふりをしている。
そんな感じだった。
———————————————————————————————————————
「依ってさ」
「意外と優しいよね」
「は?」
「いや、普通に」
「どこが」
「いろいろ」
「気のせい」
「認めないんだ」
「認める必要ない」
俺は笑った。
「面倒くさい性格してんね」
「お前に言われたくない」
「え、俺?」
「そう」
即答だった。
「お前さ」
依が歩きながら言う。
「自分のこと簡単に言い過ぎ」
「どういう意味?」
「誰かに優しくする理由」
「理由?」
「楽しいから、って言っただろ」
「うん」
依は前を向いたまま続けた。
「普通はそんな簡単にできない」
「そう?」
少しだけ間が空く。
「だから変」
「褒めてる? 」
「違う」
「またそれ」
でも、
依がそう言ったときの顔は、嫌そうじゃなかった。
むしろ、少しだけ困っているように見えた。
俺のことを理解しようとしているみたいだった。
…
「依」
「何」
「俺と一緒にいて楽しい?」
突然聞くと、依は止まった。
「……」
「え、無視?」
「考えてる」
「そんなに?」
数秒後。
依は言った。
「前よりは」
「何それ」
「悪くないってこと」
俺は笑った。
「それって結構褒めてる?」
「知らない」
「素直じゃないな〜」
「お前が素直すぎる」
「…そ?」
「てかニマニマすんな」
楽しい。
…
——————————————————————————
帰り道。
隣で歩く依を見る。
最初は冷たいなと思った。
近づきにくいと思った。
でも今は違う。
この人はきっと。
誰よりも周りをよく見ている。
ただ、それを言葉にするのが苦手なだけ。
不器用だ。
コメント
1件
うわ、この2人の空気感めっちゃ好き……! 主人公が「楽しいから」って自然に優しくできるの、シンプルだけどめちゃくちゃ清々しいし、それに戸惑ってる依の「前よりは」って返しが不器用すぎて可愛い。言葉少なに相手を見てる依の優しさ、じんわり伝わってきたわ。続きも気になる!