TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

一歌「…じゃあ、出てってくれる?今からしたいことがあるの」

話が終わったのなら、もう言うこともない。

穂波「分かった。咲希ちゃん、志歩ちゃん。行こう」

咲希&志歩「うん」

バタンと音を立て、屋上の扉が閉まる。閉まった途端に、なんだかバカバカしく思えてきた。

一歌「あははw私、何やってるんだろ。味方なんて、このセカイにはいないのになぁw」

もう、いいか。いいよね。

一歌「今なら、私がタヒんでも誰も悲しまない。悲しむ人がいても、そんなの関係ない。私が、したいようにするだけ」

ガシャと音と共に私の体はフェンスの外側にあった。

一歌「ここから落ちればいいの。ただ、それだけ。それだけで、救われる」

呼吸を整え、飛ぶ覚悟を決めた。次の瞬間、私の体は空へと飛んだ――はずだった。

?「駄目だよ!!」

誰かが私の体を掴んだ。この声は――

一歌「朝比奈、先輩…?」

まふゆ「だめ。飛んじゃ駄目。やめて?駄目だよ…星乃さん…」

今にも泣きそうな顔をし、私の体を必死に掴んだ先輩の手は…とても冷たかった。

一歌「………っポロポロ」

私は、泣いた。そして、朝比奈先輩がフェンスの内側へと私の体を戻した。

まふゆ「星乃さん、大丈夫。大丈夫だよ。私が…ちゃんと救うから…」

救う?ちゃんと?もう、嫌だったのに…聞きたくないのに…ここにいたい…

?「一歌ちゃん!」

スマホを片手に持って、涙を流している桃井先輩が来た。

愛莉「何してるの?一歌ちゃん!ポロポロ」

一歌「…だって…」

自分の想いを言えない私に、朝比奈先輩が言う。

まふゆ「…星乃さん、学校抜け出そう?」

一歌「…え?」

学校を抜け出す…⁉そんなこと知られたらお母さんに…!

愛莉「その方が良いわ。一緒に行きましょう?一歌ちゃん」

そう言って手を差し伸べる桃井先輩は、とても優しい笑顔だった。恐る恐る手を重ねると、グン!と引っ張られ、私の体が屋上から、飛び出していた。

まふゆ「いってらっしゃい!」

朝比奈先輩は、温かい笑顔で見送ってくれた。私と桃井先輩は、走りながら言葉を交わす。

愛莉「今、ちょうど学校を抜け出した子から連絡が来てね。だから、その子と一緒にいてほしいの。その子は一歌ちゃんの味方だからね」

味方…学校を抜け出す…人?別の学校っぽいけど…神山高校かな。

一歌「一緒に…ですか?」

愛莉「えぇ。私も一緒だから大丈夫よ」

桃井先輩はいつもの力強い笑顔でこっちを向いた。胸が暖かくかるのが分かった。

枯れた一輪の歌の花

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

404

コメント

4

ユーザー

まふゆちゃん ナイスタイミングすぎる…✨ 続きめっちゃ楽しみです!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚