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___________________________芬side
「何か書いてあったネ?」
「…これなんだけど…、」
そう言って俺は中国の目の前に紙を差し出した。
「…新聞みたいネ、」
「うん…破けてるんだよね…、」
新聞の切れ端の様な紙切れを再度読んでみた。
【20△◾️年、◆月◾️日に20代女性、______さんが行方不明になっ
______さんは島九郡総合病院に入院しており 生後間もない子供が
警察は______さんが何らかの理由で病院を抜け出したとして捜査をしている。】
所々破けていて読めないが、何かの事件の記事だという事だけは分かる。
暗い中、目を凝らして新聞を読んでいると、中国が口を開いた。
「もう此処には何も無いアル。次行くネ。」
「ん…、わかった、」
俺は手にしていた新聞をポケットに入れ、また廊下へと足を踏み入れた。
___________________________日本side
暗く長い廊下を歩いていると、面会室に着いた。
病院内は酷く荒れている為、何処に鍵があるのか分からない。
その為、病院内を隅々まで見なければならないのだ。
…入るしかない。
取手を掴み、扉を開ける。
幸いにも扉は歪んでいなかったため、案外すんなり開いたのだ。
「…やはりここも暗いですね、」
「うん…、」
「足元に気をつけてください」
「分かった、!」
パラオも暗闇に目が慣れて来たのか、足元の物体を避けられるようにもなった。
部屋の中には、円形のテーブルが3台。
そして其れ等を囲う様に4脚ずつ椅子が置かれていた。
…この病院にまだ人が居た時はここで色々な会話が生まれていたのだろう。
そんな事を考えていると、急に冷たい何かが足に絡み付いた。
私は上手く衝撃を分散出来ず、思い切り転んでしまったのだ。
「…痛っ、」
「…ないち…、」
パラオが酷く怯えていたため、視線の先を見ると、
私の足を掴む白い腕が目に映った。
その瞬間、感じた事のない様な悍ましさと、
冷たい手の感覚が全身を駆け巡り、鳥肌が立つ。
「…えっ、」
すると、急に飛んできた何かが何かが頬を掠めた。
…それは割れた硝子の破片だった。
心臓が脈打つ度、左頬に痛みが走る。
「…っ、!」
硝子が飛んできたこともあり、すっかりパニックになった私は、
その腕を振り解こうと足 を乱雑に動かすと、その白い腕はすっと消えていった。
「…はぁ…っ、はぁ…、」
頭の中は混乱し、まだ何が起こったのかよく理解出来ていない。
荒れた呼吸を整えていると、パラオが近くに駆け寄って来た。
「ないち…、大丈夫、?」
そう言って心配そうに視線を送ってくる彼。
「えぇ、驚きましたが大丈夫です、」
そう言って掴まれた足首に視線を遣る。
すると彼は自身のポケットを探る行動を見せた。
暫くズボンのポケットを探った後、
パラオは何処かしおらしい態度で自身が手にしているそれを私に差し出した。
「…絆創膏…ですか、?」
「うん、ないちほっぺ怪我してるから…、」
私は先程の切り傷の事だろうと察し、パラオの頭を撫でた。
すると彼は嬉しそうに笑みを溢した。
「パラオは優しいですね。ありがとうございます。」
「あ、パラオが貼ってあげる、!」
「おや、良いんですか?」
「ないちはじっとしてて…!」
そう言って彼は小さな手で絆創膏の包装紙を剥がした。
「ふふ、分かりました。」
パラオの不慣れな手つきが可愛らしく思えた。
私はただじっと処置が終わるのを待ちながら、
先程の事で焦った心を落ち着かせていた。