テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
めちゃめちゃ今回も面白かったです..!!やっぱり仏英は良い..(( 続きゆっくりまってます!
皆さんこんにちは!こうちゃです。
前作に引き続き🇬🇧の体調不良です。 今回はドーヴァーメインの学パロになります。🇬🇧のツンがほぼ消えてます…ちょっとキャラ崩壊気味かもです💦もっとキャラ掴めるように頑張ります🔥
以外↓ざっくりした設定
・アーサー・カークランド
中高一貫校に通う中学3年生。中学棟の生徒会長をしている。父親と2人暮らし。大学生の兄が3人いて全員上京中。フランシスとは隣人で幼馴染。
・フランシス・ボヌフォワ
アーサーと同じ中高一貫校に通う高校2年生。よく成績不振で呼び出される。両親は共働きで忙しいため基本家では1人。料理が得意。アーサーによく作ってあげてる。
以下↓⚠️注意⚠️
※学パロのため人名呼びです。
※🇬🇧の体調不良の描写が多くあります。また1部暴力表現があります。
※腐要素はありませんが英、仏、西、普、蘇が出てくるので苦手な方注意。
※史実とは一切関係ございません。
※なんでも許せる方のみ進んでください。
「フラン、もうお昼やで!そろそろ起きてや」
軽く肩を揺さぶられてまだ半分夢の中にいた意識を浮上させる。
「んん…ぼんじゅー…」
「えらく爆睡しとったなぁ」
面白そうに笑うトーニョに俺は不機嫌さを隠さずに唇をとがらせた。
「だってぇ…俺古典苦手なんだもーん」
「あんまり爆睡してっとバレるぜ 」
後ろからケセセセと特徴的な笑い声をあげながらギルが購買で買ったであろうパンをかじる。
「お前だって嫌いな教科は寝てるくせにー」
「俺はちゃんと寝てもいい時とダメな時を考えてるからいいんだ!」
「ギルは案外真面目やからなぁ」
そう言いながらトーニョもギルと同じパンにかじりついた。
「あ、そーいやフラン、今日って放課後空いとる? 」
「美味そうな店を見つけたんだぜ!」
ふと思い出したようにトーニョが尋ね、ギルが顔を輝かせて身を乗り出す。
「ん、多分行けるわ。今日なんもない」
「よっしゃ!」
喜ぶ2人を横目にまだ重い頭を起こして家で作ってきたサンドイッチを取り出す。包み紙を丁寧に剥がしていざ口に入れようとしたその時だった。
『高校2年2組フランシス・ボヌフォワさん。至急保健室までおこしください。繰り返します___』
「…は…?保健室?」
ギルベルトが首を傾げて疑問を口にするのと同時に俺は椅子から勢いよく立ち上がった。
「ごめん、2人とも!今日の放課後やっぱ無理だわ!」
「え、ちょ、ふら…」
「じゃーねっ!」
今度埋め合わせするから!と叫んで俺は急いで教室を出て行った。
「失礼しまーす」
保健室に到着すると養護教諭の先生が出迎えてくれる。
「突然呼び出してごめんね。申し訳ないんだけど、彼、お願いしてもいいかな?」
「もちろん」
笑ってそう答えると先生はほっとしたように眉を下げて微笑む。
「1人でも大丈夫って言ってたんだけどね…熱も高いし、起き上がるのもしんどそうだったから…」
ごめんねと再度謝る先生に俺は首を横に振ってベットのそばのカーテンを引いた。
「アーサー、帰るよ」
真っ赤な顔をしてぐったりと横たわるアーサーに声をかける。特徴的なグリーンアイは涙で濡れぼそっていた。
「……っひとり…でいい…」
「そんなぐったりしてなにいってんの。 ほら、いいから行くよ」
フラフラと病人特有の歩き方をするアーサーの腕を引いて肩を組んで支える。もう片方の肩には自分とアーサーの鞄を背負った。
「カークランド君、お大事にね」
「……はい…」
「失礼しましたー」
先生に挨拶をしたあとアーサーを連れて昇降口へ向かう。意地っ張りなこの子はクラスメイトに見つかるのを嫌がるだろうから少し遠回りして人通りの少ない廊下を歩いた。
「また無理したんでしょ」
昔から人に頼ることがことごとく下手くそな子だった。今回も体調が悪いのをわかってて無理して学校に来たんだろう。まあ、あの家にいるよりかはマシだろうけど。
「……っ…うるせぇ…」
ギロリと睨まれるが、覇気がないからか全く怖くない。
「結局俺が迎えに来るんだから、朝に言ってくれればよかったのに」
「…たのんで…ないしっ…」
「とか言って、俺が来なかったらどーするのよ」
早々に息切れを起こしつつあるアーサーを支えながら何とか学校を出る。
「駅まで歩ける?無理ならタクシー呼ぶけど」
首を横に振るアーサーを信じて駅まで歩くことにした。駅まで10分程あるが、まあ1度決めたことは意地でもやり遂げる男なので多分大丈夫なんだろう。
「坊ちゃんうち来るでしょ?」
いつもよりゆっくり歩きながら声をかけると普段なら即答するはずのアーサーが迷うように目線を彷徨わせる。
「え、来ないの?」
「…っにいさんが…いる…」
ぼそりと呟かれたその言葉に驚いて目を見開いた。
「え、帰ってきてんの?全員?」
「ん…スコ兄…だけ……」
アーサーには上京中の大学生の兄が3人いる。ただ少し複雑なのが兄達とアーサーは半分だけしか血が繋がっていないらしい。そのせいで幼い頃は大変仲がよろしくなかったようだが、今はその時よりかは大分落ち着いている。それでも、アーサーが過去に兄たちからされた事を綺麗さっぱり忘れることは不可能だった。
「…だいじょーぶ。スコットにはお兄さんが連絡しといてあげるから」
そう言ってあげると強ばっていたアーサーの肩から少しだけ力が抜けたのが分かった。本当、世話のやける幼馴染だ。そんな話をしているうちに慣れ親しんだ駅に到着した。
「……っはぁ…」
多分熱が上がってきてしまったんだろう。肩にかかる体重が学校を出た時より重かった。
「坊ちゃん、もうちょいだから頑張って」
アーサーの鞄から取り出した定期を手に握らせて改札を通る。1人ではもうまともに立ってられないのか、フラフラとよたつく体が危なっかしい。ホームに入ると幸運なことにすぐに電車が来たのでそれに飛び乗った。
「ここ座りな」
アーサーを端の席に座らせた後、自分もその隣に座る。
「……っは…ぁ…」
苦しいのか、浅い呼吸を繰り返すアーサーの頭を自分の肩に寄せる。
「寝てていいよ」
今にも目を閉じてしまいそうなアーサーの頭をそっと撫でると、気絶するように意識を手放してしまったようだった。
「……っふ……ぅ…」
真っ赤な顔で苦しげに呼吸を繰り返す様子が痛々しい。俺はもう一度だけぼさぼさの髪を撫でたあと、スコットへメールを送るためにスマホを開いた。