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「……ありがとう」
もふくんの言葉が、静かに響く。
その空気を——
「……感動してるとこ悪いけどさ」
低い声が、割った。
「……!」
全員が振り向く。
ドアの前。
さっきの男が、まだ立っていた。
今度は——
さっきよりも、余裕のない顔で。
「……まだいたんだ」
うりが、少し呆れたように言う。
「……帰らねぇよ」
男が吐き捨てる。
「こっちも、引けねぇんだよ」
その言葉。
「……」
空気が、また変わる。
「……」
もふくんが、一歩前に出る。
でも——
「……待て」
うりが、軽く手を出して止める。
「……?」
「今回は」
ニヤッと笑う。
「一緒に行こうぜ」
その一言。
「……」
もふくんが、少しだけ目を細める。
そして。
「……うん」
小さく頷く。
―――
「……来いよ」
男が、構える。
その後ろにも、まだ数人。
「……」
でも。
「……」
もう、怖くない。
「……」
もふくんとうりが、並ぶ。
その瞬間——
空気が変わる。
「……っ」
男たちが、一瞬で気づく。
(さっきと違う)
「……」
2人の目。
完全に一致している。
「……」
うりが、低く言う。
「速攻で終わらせるぞ」
「……了解」
もふくんが返す。
そのやり取り。
それだけで——
「……」
完成している。
「……行くぞ!」
男が叫ぶ。
一斉に突っ込んでくる。
その瞬間——
「……」
2人が、同時に動いた。
「……っ!?」
一瞬。
本当に、一瞬で。
一人、また一人と——
動けなくなっていく。
「な……っ!?」
誰も、追えない。
見えない。
「……遅い」
うりの声。
次の瞬間には、背後にいる。
「……っ!!」
崩れる。
「……」
もふくんも、静かに動く。
触れる前に、止める。
逃げ場を奪う。
「……なんだよ、これ……!」
男の声が震える。
「……」
答えはない。
ただ——
結果だけがある。
「……っ」
最後の一人が、膝をつく。
完全に、終わり。
「……」
静寂。
「……」
もふくんが、ゆっくりと息を吐く。
「……終わった」
その一言。
「……」
うりが、肩を回す。
「楽勝」
軽く言う。
「……」
でも。
「……」
その強さは、もう違う。
「……」
ヒロくんが、静かに思う。
(さっきまでと違う)
(これは——)
「……」
ただ勝つためじゃない。
「……」
守るための強さ。
「……」
ゆあんくんが、小さく呟く。
「……かっこいい……」
「……」
のあさんも、少しだけ笑う。
「……うん」
「……」
その空気の中で。
「……」
もふくんが、少しだけ照れたように笑う。
「……見せちゃったね」
「……」
うりが、笑う。
「今さらだろ」
「……」
2人が、軽く目を合わせる。
それだけで——
全部、伝わる。
―――
“無敗”だった2人は。
もう、ただの強さじゃない。
守るために戦う。
その意味を知った時——
本当の最強になった。