11話
𝒈𝒐⤵︎ ︎
俺の身体は、もう限界だった。
熱と吐き気に加え、今度は激しい咳が俺を襲う。
「っ…げほっ、げほっ…!」
身体を丸めて咳き込むたびに、肺が千切れるように痛む。
呼吸が苦しくて、まともに息を吸うこともできない。
「ごほっ、ごほっ…っ!」
乾いた咳が続き、喉が焼けるように痛い。
何か、熱いものが口の中に広がるのを感じる。
嫌な予感がして、手のひらで口を覆うと、そこに広がっていたのは、黒く濁った血液だった。
「…っ、う、あ……」
喉が切れたのか。
それとも、身体の内側が、もう壊れ始めているのか。
止まらない咳とともに、吐き出される血。
枕も、シーツも、俺の罪を象徴するかのように、真っ黒な血で染まっていく。
咳をするたびに、内臓がえぐられるような激痛が走る。
もう、この身体は、俺の意志ではどうにもならない。
壊れていく。
ゆっくりと、確実に、俺の身体は、この呪いに蝕まれていく。
俺は、自分の吐いた血をぼんやりと見つめていた。
この血は、じゃぱぱさんとヒロくんが消えた、あの時の砂のようだ。
俺の呪いは、俺自身を、そして大切な仲間を、すべて壊してしまう。
もう、何も残らない。
誰にも助けを求めることもできない。
俺は、この地獄の中で、一人で死を待つしかなかった。
止まらない咳。喉からせり上がる血の塊。
俺は、このまま死ぬのかもしれないと、ぼんやりと思った。
喉はすでに感覚がなく、呼吸をするたびに肺が裂けるように痛む。
こんな身体で、生きているのが不思議なくらいだ。
このまま、呪いに蝕まれ、俺もじゃぱぱさんやヒロくんみたいに消えるのだろうか。
そして、誰も俺のいたことすら、覚えていなくなってしまうのだろうか。
それも、いいのかもしれない。
俺のせいで、二人は消えた。
俺のせいで、たっつんや、他のメンバーまで苦しんでいる。
もし俺が消えれば、この呪いは終わるだろうか。
俺が消えれば、みんなは、俺という存在から解放されるのだろうか。
「……ははっ…」
俺は、弱々しく笑った。
その笑い声は、ひどく乾いていて、自分でも気持ちが悪くなる。
こんなにも苦しんでいるのに、死ぬことすら、みんなへの償いだなんて。
なんて、身勝手な考えなんだろう。
「どうせ…、俺なんか…」
死ぬことが、みんなを救う唯一の方法だなんて。
こんなにも孤独で、こんなにも苦しいのに。
自分の命を、誰かのために差し出すことすら、傲慢に思えてきた。
でも、それしか、俺にできることはない。
俺が消えること。
それが、俺にできる、唯一の、最後の償い。
俺は、枕にこぼれた血を見つめながら、自嘲的な笑みを浮かべることしかできなかった。
🌸𝙉𝙚𝙭𝙩→
コメント
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うりりん消えないでくれ!! じゃぱとひろくん戻って来てくれ!! 続き楽しみに待ってます!