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今日の私は本を読むことにした。
昔から本をのんびり読むことが好きだった。
似たようなもので、勉強はちっとも楽しくなかったけど読書は時間を忘れるくらい捗る。
『今日は何読もっかなぁ…』
今日は優しい物語が読みたい気分。まったりのんびり本を読みたいのだ。あ、そうだ後で紅茶でももってコンサバトリーへ行こうかな…
そんなことを考えながら本棚を見つめていた。
【白雪姫】【アリとキリギリス】【赤ずきん】
ここは絵本のコーナーらしい。ラトさんがよく読んでいる気がする。ここの童話はどれも私の知らないものばかりで面白いんだよな。
結局私はこの前フェネスさんにおすすめされた小説を読むことにした。とはいえこの本私も読んだことがあるのだが。
この本は何度読んでも面白い。
私はマロウの紅茶をお気に入りのティーカップに注ぎ、マドレーヌを添えてコンサバトリーへ向かった。私だけくつろぐのはいけないので、一応ティーポットと空のティーカップも持っていくことにした。
午後からは訓練があるため今だけは許されるはず。
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私は黙々とページをめくった。時々コンサバトリーの外から楽しそうな声が聞こえてくる。
ラムリくんかな、笑。
って、あれ?もしかしてラムリくん…中を覗いている気が、
私は人影が見える方に目をやった。
ガチャ
「なにやってんの、ラムリ。」
「ローズくん!見て見て!ムーちゃん!」
『あ、ども笑。』
「今日も読書っすか。なんか見覚えあるっす。」
『え?』
「ムーちゃんは気にしないで!こっちの話!」
ますます気になるんだが。
『もしかして昔の主様?』
「え!!なんで分かったのー?!」
『それくらい分かるよ笑。』
本日2度目。今日は主様の記念日なのかな?やけに昔の主様について話が出てくる。
『今日って昔の主様の記念日なの?』
「え、なんでそう思うんすか?」
『だって皆今日は、やけに昔の主様について話してる。』
「やっぱムーちゃんあったま良いー!」
詳しい話を聞くと、今日は昔の主様がデビルズパレスの主になった日、とのことだった。
「にしてもマロウティーは美味しいね!!」
「ラムリだけずるいっすよ!」
『ごめんティーカップもう一つ持ってくれば良かった笑。』
「え?じゃあそこにあるティーカップは?」
『え?』
見たところ、空のティーカップは未使用のままだった。ということは…
『私のティーカップ!!!!』
「えっ!!!」
『ラムリくん勝手に飲んだでしょ!!』
「え!?き、気づかなかった!!」
「あちゃー。完全にやったっすねラムリ。」
「ごめん!!そんなつもりは…!」
『別にいいけどね笑。 じゃあアモンくんもほら未使用の方使って飲んでいいよ。』
「いいんすか!?じゃ、お構いなくー!」
やっぱりこの2人といるといつも慌ただしい。
(主にラムリくんだが。)
私は2人と同い年というのもあってか執事の中でも割と親しみやすい。こんな時間が今も昔も私の楽しみの一つだった。
コンサバトリーには白色のブーゲンビリアが、綺麗に咲いていた。