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yuka🌃🪽💎
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企画開始から約二か月。
ゴールは少しずつ近付いていた。
だからこそ。
二人とも、自分の気持ちに気付いてしまった。
でも。
言えない。
言えるわけがなかった。
もし違ったら。
この関係は終わってしまうから。
────────
💜side
「お疲れー」
収録終わり。
ふっかが楽屋へ戻ると、照はまだ着替えをしていた。
💛「お疲れ」
💜「今日長かったな」
💛「そうだね」
二人きり。
前なら何も気にならなかった時間。
今は違う。
照が近くにいるだけで落ち着かない。
その空気を壊すように。
コンコン。
スタッフが入ってきた。
「お疲れさまです」
「次回の企画なんですが」
新しい資料が配られる。
表紙をめくる。
そこには。
『もしも、最後の日だったら』
💜「最後……?」
「はい」
スタッフは静かに頷く。
「この企画も、残り三回です」
その一言に。
部屋の空気が止まった。
残り三回。
思ったより早い。
💛「……そうですか」
「次回は、この企画の中で一番大事な撮影になります」
「テーマは」
ページをめくる。
『大切な人へ手紙を書く』
────────
💛side
手紙。
その二文字だけで頭が真っ白になる。
スタッフは説明を続ける。
「相手には見せません」
「カメラの前で読むだけです」
「内容は自由」
「感謝でも、思い出でも」
「本音でも構いません」
本音。
その言葉が胸に刺さる。
────────
数日後。
撮影当日。
海が見える小さなコテージ。
机の上には便箋とペン。
部屋は別々。
一時間。
一人きりで手紙を書く。
────────
💜side
ペンを持つ。
でも。
何も書けない。
(何書けばいいんだよ)
「ありがとう」
そんな一言じゃ足りない。
思い出を書けばいい?
感謝を書けばいい?
違う。
本当に書きたいことは。
書けない。
便箋を見つめたまま三十分。
ようやくペンが動く。
『照へ』
たったニ文字書いただけで。
胸が苦しくなった。
────────
💛side
照も同じだった。
白い便箋。
真っ白なまま。
何度も書いては消す。
『ふっかへ』
その次が続かない。
(好き)
その二文字だけは。
絶対に書けなかった。
────────
夕方。
読み上げの時間。
スタッフが説明する。
「相手には背中を向けて読んでいただきます」
「終わるまで振り返らないでください」
二人は向かい合わせではなく。
背中合わせで椅子に座る。
数メートルの距離。
姿は見えない。
聞こえるのは声だけ。
────────
先に読むのは。
ふっか。
💜「……照へ」
少し震えた声。
💜「最初はさ」
💜「絶対ぎこちなくなると思ってた」
💜「でも」
💜「気付いたら」
💜「照の隣が一番落ち着く場所になってた」
照は目を閉じる。
💜「この企画が終わっても」
💜「今までみたいに笑っててほしい」
💜「俺は」
💜「それだけで十分だから」
ふっかはそこで読むのをやめた。
最後の一文だけは。
読まなかった。
────────
今度は照。
💛「……ふっかへ」
静かな声。
💛「俺は」
💛「人に頼るの得意じゃないし」
💛「気持ちを言葉にするのも苦手です」
💛「でも」
💛「この企画で」
💛「隣にいるのがふっかでよかったって」
💛「何回も思いました」
少し間が空く。
💛「これから先も」
💛「変わらず隣で笑っててください」
そこで手紙を閉じた。
照も。
最後の一文は読まなかった。
────────
撮影終了。
監督はモニターを見ながら静かに頷いた。
「ありがとうございました」
「ちなみに」
二人が顔を上げる。
「最後の一文だけ、読まなかったですよね」
照とふっかは同時に固まる。
監督は苦笑する。
「分かりますよ」
「便箋って、めくる音で」
スタッフも少し笑う。
「でも」
「無理に読まなくて大丈夫です」
「その一文は、お二人だけのものにしてください」
帰り道。
便箋は封筒にしまわれたまま。
誰にも見せない。
誰にも読ませない。
そこには二人とも、同じような言葉が書かれていた。
『この企画じゃなくても、ずっと隣にいたい。』
でも。
その想いは、まだ胸の奥にしまわれたまま。
企画終了まで。
あと二回。
二人に残された時間は、思っていたよりずっと少なかった。
コメント
1件
お疲れ、絶対辰哉さん!第16話、めちゃくちゃ沁みたわ……。 企画終了が近づく中で、ふっかと照がそれぞれ自分の気持ちに向き合う展開、切なすぎる。背中合わせで手紙を読む演出、お互い“最後の一文”だけ読まなかったのがもう……胸がぎゅっとなるわ。便箋のめくる音でバレてたっていうオチも、なんか人間味あって好きだ。 二人とも「ずっと隣にいたい」って同じこと書いてるのに言えないもどかしさ、あと2話でどう決着するんだろう。続きが待ち遠しい🔥