テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
2件
あー、やばい尊くなってきた、主さんの1話の長さが読みやすすぎてまじ尊敬…、
⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
sha「……外?」
rbr「遠く行かんでええ」
rbr「病院の庭だけや」
シャオロンは一瞬、迷った。
外は、人がいて。
声があって。
昔のことを思い出しそうで怖かった。
rbr「俺がついとるで!な?一緒に出よう?なんかあったら絶対守るからさ。」
シャオロンは、ゆっくり頷いた。
病院の庭は、思っていたより静かだった。
ベンチに座ると、ロボロが少し距離を詰めて座る。
rbr「……どう?」
sha「久しぶりの外って感じ」
rbr「そっか」
シャオロンは空を見上げた。
雲が、ゆっくり流れていく。
sha「……ええなぁ」
ぽつりと零れた言葉に、ロボロは小さく笑った。
rbr「せやろ」
ベンチに置いたシャオロンの手に、風が触れた。
それを確かめるみたいに、シャオロンは指を動かした。
いつの間にか日が沈みかけていた。
rbr「また来よな」
庭を抜けて、売店の自動ドアが開く。
シャオロンは少しだけ立ち止まった。
sha「……こういうとこ、久しぶりや」
rbr「せやろ。入院しとると、意外と来んもんな」
並んで冷蔵ケースを見る。
色とりどりの飲み物。
sha「……どれがええんやろ」
rbr「悩む元気あるやん」
sha「うるさいな」
そう言いながら、シャオロンはオレンジジュースを手に取った。
ロボロは缶コーヒー。
会計を済ませて、外に出る。
ベンチじゃなく、帰り道をゆっくり歩く。
sha「……先生」
rbr「ん?」
sha「ありがとう」
小さな声。でも、はっきり。
sha「話、聞いてくれて。」
ロボロは一瞬だけ足を止めて、それから歩きながら答えた。
rbr「どういたしまして。まぁ感謝されることなんてしてへんけどな」
sha「してくれたよ。……俺、嬉しかった」
その言葉に、ロボロは何も言わなかった。
ただ、少しだけ歩く速さを合わせた。
sha「なぁ、先生って休みの日何してるん?」
rbr「急にどうした」
sha「なんとなく」
rbr「……寝とる。あと、コンビニで無駄に新商品買って後悔しとる」
sha「あはは」
――声が、出た。
シャオロン自身が一番驚いたみたいに、少し目を丸くする。
rbr「今、笑ったやろ」
sha「……笑ってない」
rbr「いや、笑っとった」
sha「気のせいやって」
そう言いながら、もう一度、口元が緩む。
さっきより、ほんの少しだけ自然な顔。
空は相変わらず、ゆっくり雲が流れている。
sha「……また、外出てもええ?」
rbr「ええよ。何回でも付き合う。」
sha「約束やで…!」
rbr「約束や」
病棟の入口が見えてくる。
シャオロンは、飲み物を一口飲んで、ぽつりと言った。
そのまま、並んで中へ戻る。
シャオロンの足取りは、来た時より少し軽い。
そして――
ロボロの横で、ちゃんと笑っていた。
病室に戻ると、いつもの静けさが戻ってくる。
ベッドの横で、シャオロンは飲みかけのオレンジジュースを持ったまま立ち止まった。
sha「……」
何か言おうとして、やめる。
rbr「どうした?」
sha「……別に」
そう言いながら、視線を逸らす。
ロボロは、分かってるけど敢えて何も言わない顔。
sha「……さっきのさ」
rbr「ん?」
sha「……外」
sha「……楽しかった」
声が小さい。
rbr「そっか」
それだけ返すロボロに、シャオロンは少しだけむっとする。
sha「……なんで、そんな普通なん」
rbr「え?」
sha「もっと……なんか言うやろ」
rbr「なんかって何や」
シャオロンは、ベッドに腰を下ろして、ジュースのストローを指でいじる。
sha「……その……連れ出した甲斐あった、とか…?」
rbr「欲しがりやなぁ」
からかうように言われて、シャオロンは顔を背けた。
sha「……うるさい」
耳が、少し赤い。
rbr「でもな」
ロボロは、カルテを置いて、穏やかに言う。
rbr「楽しかったって言葉、聞けた時点で十分すぎるくらいや。」
一瞬。
シャオロンの動きが止まる。
sha「……そんなん、言われると思ってなかった」
rbr「俺は、思ったことしか言わん」
sha「……ずるい」
ぽつり。
rbr「何が」
sha「……安心するやん」
そう言ってから、ハッとしたように口を閉じる。
rbr「今の、ええやん」
sha「言うな!」
慌てて布団を引き上げる。
半分、顔が隠れる。
rbr「照れとる?」
sha「照れてない」
rbr「完全に照れとる」
sha「……もう、先生出てって」
rbr「はいはい」
ロボロは笑いながら、ドアに向かう。
ドアを開ける直前、振り返って。
rbr「また、外行こな」
シャオロンは、布団の端を握ったまま、しばらく黙っていた。
やがて、聞こえるか聞こえないかの声で。
sha「……うん」
返事をしたあと、 自分でも驚くくらい、胸があったかかった。
翌朝、目が覚めた時、 カーテンの隙間から光が差し込んでいた。
いつもと同じ病室。
でも――
胸の奥が、ほんの少しだけ軽かった。
sha「……」
寝返りを打つと、体はまだ重い。
痛みも、なくなったわけじゃない。
それでも、「起きたくない」と思わなかったのは、たぶん、昨日があったから。
ノックの音。
sha「……どうぞ」
ドアが開いて、白衣の男が顔を出す。
rbr「おはよ、シャオロン」
sha「……おはようございます」
声が、昨日より少しだけちゃんと出た。
ロボロはいつも通り、点滴とカルテに目を落とす。
でも、途中で一瞬だけ、シャオロンの顔を見た。
rbr「……顔色、昨日よりええな」
sha「……そうですか」
そう言われて、 自分の頬を触ってみる。
自覚はない。
でも、悪い気はしなかった。
rbr「昨日、ちゃんと寝れたか?」
sha「……はい。久しぶりに」
ロボロは、「そっか」と短く言ってから、少しだけ口元を緩めた。
ロボロはカルテを閉じて、いつもならそこで立ち上がる。
でも今日は、椅子に座ったまま動かなかった。
rbr「……なあ」
sha「……なに?」
ロボロが、シャオロンの方に少しだけ体を向ける。
距離が近い。
昨日も近かったはずなのに、今日は、やけにそれを意識してしまう。
rbr「昨日、どうやった?」
sha「……」
一瞬、言葉に詰まる。
sha「……楽しかった、かな」
それだけ言うのに、 喉が少し熱くなる。
rbr「そっか」
ロボロは、 満足そうに小さく頷いた。
rbr「ほな、また行こか」
sha「……え」
思わず、声が裏返る。
rbr「無理やったらやめるけどな」
rbr「シャオロンが“行きたい”って思った時また行こう」
そう言われて、 胸の奥が、きゅっとなる。
sha「……」
視線を落とすと、自分の手が、布団の上でぎゅっと握られているのが見えた。
sha「……い、行きたい、な」
ほとんど、聞こえない声。
rbr「ん?」
聞き返されて、一気に顔が熱くなる。
sha「……だから……」
sha「また、外……行きたい……」
言い切った瞬間、耳まで熱くなるのが分かった。
rbr「……」
ロボロは一瞬、黙った。
それから、少しだけ困ったみたいに笑う。
rbr「……そんなん言われたら、断られへんやん」
sha「……っ」
その言い方が、ずるい。
rbr「ほな決まりな」
rbr「今日は売店までや」
売店。
昨日より、ちょっと人が多い場所。
sha「……ロボロ」
rbr「ん?」
sha「……一緒に、来てな?」
言った瞬間、自分で自分の言葉に驚いた。
rbr「当たり前やろ」
即答。
ロボロは立ち上がって、シャオロンに手を差し出す。
rbr「ほら」
sha「……」
一瞬、迷ってから、その手を取る。
指が触れた瞬間、びくっとして、すぐに離した。
sha「……っ、ごめん」
rbr「え?」
sha「……なんでもない……」
俯いたまま、被っているニット帽をきゅっと掴む。
rbr「……顔、赤いで」
sha「……言わないで」
そう言う声が、昨日よりずっと、生きていた。
ロボロは、何も言わずに、でも確かに優しく笑った。
病棟を出ると、前より少しだけざわついていた。
話し声。
靴音。
シャオロンは、思わず足を止める。
sha「……人、多いな」
rbr「せやな。昼前やしな」
ロボロは、立ち止まらず、でも歩幅を小さくした。
シャオロンの隣に、ぴったり合わせる。
rbr「無理そうやったら、戻ろか?」
sha「……」
一瞬、迷う。
胸の奥が、少しざわつく。
でも。
シャオロンは、ちらっとロボロを見る。
黒いシャツの袖。
白衣の裾。
昨日と同じ、落ち着いた横顔。
sha「……大丈夫」
声は小さいけど、逃げなかった。
rbr「そっか」
それだけ言って、ロボロは歩く速さを変えない。
“引っ張らない”のが、逆に安心する。
廊下を抜けると、外来ロビーが見えた。
人。
人。
人。
sha「……うわ」
rbr「思ったよりおるな」
シャオロンは、無意識に袖を掴んでいた。
ロボロの白衣。
掴んでから、気づく。
sha「……っ」
慌てて手を離そうとした瞬間。
rbr「そのままでええよ」
ロボロの顔を見るとちょっと笑っていた。
自然すぎて、心臓が跳ねた。
sha「……え」
rbr「迷子になったら困るやろ」
冗談っぽいのに、距離は詰めすぎない。
でも、確実に“そばにいる”。
sha「……子ども扱いすんな」
そう言いながら、離さない。
耳が熱い。
rbr「はいはい」
売店が見えてくる。
前より、人が多い。
レジも並んでる。
sha「……前より、ちょっと怖い」
rbr「正直でええやん」
sha「……でも」
一度、言葉を切って。
sha「……一緒やから、来れた」
ロボロは一瞬だけ驚いた顔をして、 それから、ほんの少し笑う。
rbr「それは、嬉しいな」
シャオロンは、顔を上げない。
見られたら、絶対バレる。
飲み物を選んで、会計をして。
外に出る。
人の声はまだ聞こえるけど、 空気は少し静かだった。
sha「……前より、平気かも」
rbr「成長やな」
sha「……誰のおかげやと思ってんの」
言ってから、固まる。
sha「……あ」
rbr「俺やな?」
sha「……調子乗んな」
でも、口元は緩んでる。
歩きながら、ふと気づく。
ロボロが、さっきより少しだけ近い。
肩が、触れそうで触れない距離。
sha「……近ない?」
rbr「人多かったからな」
sha「……今は、もう少ないやろ」
rbr「……せやな」
そう言いながら、離れない。
sha「……」
胸が、うるさい。
sha「……ロボロ」
名前を呼んだ瞬間、自分で自分に驚く。
rbr「ん?」
sha「……ありがとう」
昨日より、自然な声。
rbr「何回言うねん」
ロボロはちょっと笑っていた。
sha「……言いたいんやもん」
ロボロは、少しだけ歩くのを遅くした。
rbr「……じゃあ、俺も嬉しいし、何回も聞こ〜」
シャオロンは、返事をしなかった。
その代わり、もう一度だけ、袖を掴んだ。
今度は、離さなかった。
ーロボロ視点ー
ロボロは、歩きながら横目でシャオロンを見た。
白衣の袖を掴む指は細くて、力なんてほとんど入っていない。
それなのに、不思議と離れがたかった。
離してもええはずやのに。
そう思った瞬間、自分の考えに気づいて、少しだけ眉をひそめる。
……シャオロンは患者や。
何度も、自分に言い聞かせてきた言葉。 それなのに。
さっきの「ありがとう」は、 今まで聞いてきたどの礼とも違っていた。
敬語でもなく、 遠慮でもなく、 頼るみたいに、自然に落ちた声。
ロボロは、視線を前に戻した。
人の流れ。 靴音。 話し声。
その全部の中で、 シャオロンの足音だけが、妙にはっきり聞こえる。
歩幅が、ちゃんと合っている。 昨日より、確実に。
……あかんな。
胸の奥に、ほんの小さな熱が残っている。
それが何なのか、考えんようにする。
守る側や。
医者や。
一線は越えたらあかん。
そう思いながらも、 さっきより少しだけ歩く速さを落としていた自分に気づく。
振り返らなくても分かる。
シャオロンは、まだ袖を掴んだままや。
無理に離させる理由は、どこにもなかった。
外に出ると、風が吹いた。 白衣の裾が揺れる。
ロボロは、息を一つ吐いてから、静かに言った。
rbr「……寒くないか?」
それは、医者としての言葉。
でも同時に――
今、隣にいる人間への、素直すぎる気遣いでもあった。
sha「大丈夫。ちょっと寒いけどへーき」
そう言ってシャオロンは俺に笑いかけた。
――困ったな。
そんなふうに思ったのは、 久しぶりだった。
ちょっと時間が経って、病室に戻ることになった。
廊下の途中、少し人の流れが増えた。
前から来るストレッチャーを避けるために、ロボロは自然にシャオロンの進行方向をずらす。
rbr「……ちょい、こっち」
言いながら、袖じゃなくて――手首に触れた。
細い。思ってたより、ずっと。
シャオロンが一瞬、目を見開く。
sha「……っ」
離そうとした、その瞬間。
rbr「危ないから」
それだけ言って、そのまま手を取った。
指と指が絡むほどじゃない。
でも、確実に“手を繋いでいる”距離。
シャオロンの体が、ぴくっと固まる。
sha「……ろ、ロボロ」
rbr「ん?」
sha「……それ……」
声が小さい。
嫌そうじゃない。
ただ、どうしていいか分からない声。
rbr「……人多いしな」
理由をつけるみたいに言ってから、ロボロは歩く速さを落とした。
手は、離さない。
シャオロンの手が、少しだけ震えているのが分かる。
sha「……あったかい」
それを聞いた瞬間、ロボロの心臓が一段、強く鳴った。
……あかん。
rbr「……シャオロンが冷えとるだけや」
誤魔化すように言う。
sha「……そっか」
でも、シャオロンの指が、ほんの少しだけ力を入れた。
握り返すほどじゃない。
逃げない、って意思表示みたいな。
rbr「……」
その沈黙のまま、シャオロンの病室がある病棟の前まで歩いた。
人の流れが落ち着いたところで、ロボロは、ゆっくり手を離す。
rbr「……もう大丈夫や」
sha「……うん」
名残惜しそうに、指が一瞬空を掴む。
sha「……」
rbr「……どうした」
sha「……なんでもない」
でも、耳が赤い。
ロボロは、視線を逸らした。
……やりすぎたかもしれん。
そう思いながらも、 さっきの手の感触が、まだ残っていた。
病室の前まで来て、足を止める。
rbr「じゃあ、今日はここまでにしよっか」
sha「うん」
シャオロンはベッドに戻る前に、少しだけ立ち止まった。
sha「……ロボロ」
呼ばれて、視線を向ける。
sha「……今日は、ありがとう」
さっきより落ち着いた声。
でも、目だけが少し揺れている。
rbr「気にせんでええよ」
そう言ってから、 もう一言、何か言いそうになって
――やめた。
rbr「ちゃんと休めよ」
sha「……うん」
小さく頷いて、シャオロンは病室に入る。
ドアが静かに閉まる音。
ロボロは、その場に一瞬だけ立ち尽くしてから、踵を返した。
……あかん。
胸の奥に残る、あの感触。
手の温度。
指先の、かすかな力。
医者として、完全にアウトやろ。
そう思いながら、廊下を歩き出した時。
看護師「ロボロ先生」
背後から、聞き慣れた声。
振り返ると、看護師が一人、カルテを抱えて立っていた。
rbr「……あ、どうしました?」
看護師「今の患者さん、外出許可出てましたっけ?」
rbr「……短時間です。庭と売店だけ」
看護師「そうですか」
看護師は少しだけ間を置いてから、続ける。
看護師「……仲、良さそうでしたね」
冗談めいた口調。
でも、軽くはない。
rbr「……」
返事が、すぐに出てこなかった。
看護師「最近、あの子、表情よくなりましたし」
看護師 「先生のおかげですね」
“おかげ”。
その言葉が、 さっきまでの温度を、一気に現実に引き戻す。
rbr「……医者として、やることをやってるだけです」
看護師はそれ以上何も言わず、「じゃあ、お願いしますね」とだけ言って去っていった。
一人になった廊下。
ロボロは、立ち止まって、自分の右手を見下ろした。
……何しとんねん、俺。
患者やぞ。
守る側やぞ。
なのに。
さっき、手を離した時。
シャオロンの指が、名残惜しそうに宙を掴んだのを――
確かに、嬉しいと思ってしまった。
rbr「……最悪やな」
誰に言うでもなく、呟く。
でも、後悔だけで終わらないのが、もっと厄介だった。
胸の奥に残るのは、罪悪感と一緒に、確かにあった“大事にしたい”って感情。
ロボロは、白衣の袖をぎゅっと掴んでから、ゆっくり歩き出した。
次にシャオロンに会う時、どんな顔をすればええのか――
まだ、分からないまま。