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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
翌日。
ロボロは、病棟の廊下を歩きながら、無意識に足を止めそうになるのを何度も抑えていた。
……今日からや。
昨日のことは、なかったことにせなあかん。
患者と医者。
それ以上でも、それ以下でもない。
病室の前で、一度だけ深呼吸してから、ノックする。
rbr「……入るで」
sha「うん」
シャオロンはベッドに腰かけていた。
こちらを見る目が、少しだけ明るくなる。
sha「おはよ、ロボロ」
その声。
昨日と同じ距離で呼ばれた気がして、胸の奥が一瞬、揺れる。
rbr「……体調はどうや」
必要最低限。
いつもの口調。
一歩、距離を置いた声。
sha「え、あ……うん。大丈夫」
一拍遅れて返ってくる。
ロボロはカルテに視線を落としたまま、ベッドのそばには近づかない。
sha「……今日、外出とかは?」
rbr「今日は様子見やな」
即答。
余計な間は作らない。
sha「……そっか」
その返事が、少しだけ小さい。
沈黙。
昨日なら、この空白を、気まずいとは思わなかったはずや。
でも今は。
シャオロンが、手元を見つめて、指先を軽く握ったり開いたりしているのが目に入る。
……あかん。
見てる場合やない。
rbr「じゃあ、また後で来る」
用件は終わり。
そう自分に言い聞かせて、踵を返す。
sha「……ロボロ」
呼び止める声。
振り返ると、シャオロンは少し困った顔をしていた。
sha「……なんか、怒ってる?」
その一言で、胸がきゅっと縮む。
rbr「……は?」
sha「……なんか、変じゃない?」
rbr「……気のせいや」
できるだけ平坦に言う。
sha「……」
シャオロンは何か言いたそうに口を開いて、でも、結局言葉にできずに閉じた。
sha「……ごめん」
その一言が、決定打だった。
rbr「……謝ることちゃう」
rbr「ちゃんと休め。無理すんな」
それだけ言って、今度こそ病室を出る。
ドアが閉まる直前。
sha「……」
小さく、名前を呼ばれた気がした。
でも、振り返らなかった。
廊下を歩きながら、ロボロは強く歯を噛みしめる。
距離を取るって、触れないって、こんなに、残酷やったか。
守るためのはずなのに。
……シャオロンのあの顔が、 頭から離れへん。
―シャオロン視点―
ロボロが部屋を出ていってから、病室は急に静かになった。
さっきまで聞こえていた足音も、カルテをめくる紙の音も、全部、遠ざかっていく。
……変だった。
昨日までの距離を思い出す。
歩幅を合わせてくれたこと。
手が、あったかかったこと。
それが、今日は。
sha(……俺、なんかした?)
ベッドの端を、きゅっと掴む。
何度考えても、心当たりがない。
敬語をやめたから?
馴れ馴れしすぎた?
それとも――。
sha(……調子、乗った?)
胸の奥が、じわじわ痛くなる。
「気のせい」そう言われた言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
気のせい、なら。
昨日の優しさも、あの時間も、全部、俺の勘違いだったみたいじゃん。
sha(……嫌だったなら、言ってくれたらよかったのに)
ベッドに横になっても、天井しか見えないのに、ロボロの顔ばっかり浮かぶ。
視線を合わせてくれなかったこと。
近づかなかったこと。
すぐに帰ろうとした背中。
sha(……怒ってるわけじゃないって言ってた)
でも。
怒ってない、より。
距離を置かれる方が、ずっと怖い。
知らないうちに、大事な線を踏み越えてたのかもしれない、って思うから。
喉が、きゅっと詰まる。
sha(……また、そうやって)
“病気の子”
“気を遣わせる存在”
昔、そう思われるのが怖くて、必死だったのに。
今度は、“近づきすぎると迷惑な存在”になった気がして。
布団を、鼻の上まで引き上げる。
sha(……俺、外出たいとか、言わなきゃよかった?)
昨日の笑顔。
「ありがとう」って言った声。
全部、頭の中でひっくり返して、後悔に変えてしまう。
sha(……ロボロに、嫌われたら)
その考えが浮かんだ瞬間、胸がぎゅっと締めつけられて、息が浅くなる。
……嫌われる理由なんて、いつも、後からしか分からない。
だから、余計に怖い。
sha(……会いたい)
でも同時に。
sha(……会ったら、また距離感じるの、嫌だ)
シーツの上で、指を丸める。
昨日、握られていた場所を、無意識になぞる。
もう、冷たい。
sha(……あれ、夢だったのかな)
そう思おうとして、できなくて。
胸の奥に残った不安だけが、静かに、沈んでいった。
ノックの音がして、シャオロンは反射的に体を起こした。
sha(……ロボロ?)
一瞬、そう思ってしまった自分に、胸が痛む。
看護師「失礼しますねー」
入ってきたのは、見慣れた看護師だった。
看護師「おはよう、シャオロンくん。点滴の時間だよ」
sha「……おはようございます」
声が、自分でも分かるくらい低い。
看護師は準備をしながら、ちらっとこちらを見る。
看護師「あれ?今日、ちょっと元気ない?」
その一言で、胸がきゅっとなる。
sha「……そんなこと、ないです」
すぐに否定したつもりだったのに、 声がうまく出なくて語尾が揺れた。
看護師「ほんと?昨日はもう少し、顔色よかった気がするけどな」
昨日、って言葉に、心臓が跳ねる。
sha「……昨日は、外、出たから」
看護師「あー、そっか、それでかな」
納得したみたいに笑われて、なぜか、余計に苦しくなる。
sha(……違う)
原因は、外じゃない。
天気でも、体調でもない。
sha(……ロボロ)
でも、それは言えない。
看護師「先生、さっき来てたでしょ?」
その名前を出されて、指先がびくっと動く。
sha「……うん」
看護師「ロボロ先生、忙しそうだったね。何かあった?」
sha「……」
ない、って言えばいい。
いつも通りだ、って言えばいい。
でも。
sha「……分かんない」
ぽつりと落ちた言葉に、自分でも少し驚いた。
看護師は、一瞬だけ手を止めた。
それ以上、踏み込んではこなかった。
看護師「無理に元気出さなくていいからね。体だけじゃなくて、気持ちも休めなきゃ」
優しい声なのに、その優しさが、今は痛い。
sha「……はい」
返事をしながら、視線を落とす。
sha(……どうすればいいんだろう)
―ロボロ視点―
病室を出てから、ロボロは一度も振り返らずに歩いていた。
……あれでええ。 あれが、正しい距離や。
そう言い聞かせながら、ナースステーションの前を通り過ぎようとした時。
「ロボロ先生」
呼び止められて、足が止まる。
振り返ると、さっきシャオロンの点滴をしていた看護師が立っていた。
rbr「どうしました?」
看護師「いえ、大したことじゃないんですけど……」
少しだけ言い淀んでから、続ける。
看護師「シャオロンくん、今日ちょっと元気ないですよ」
その一言。
胸の奥に、鈍い衝撃が走る。
rbr「……そう、ですか」
声は、思ったより落ち着いていた。 でも、内側は全然、落ち着いてへん。
看護師「昨日は外出されたって聞いたので、疲れかなとも思ったんですけど、なんか……気持ちの方が、沈んでる感じで」
気持ち。
その言葉が、頭の中で反響する。
rbr「……ありがとうございます。様子、見ときます」
医者としての返事。 それ以上でも、それ以下でもない。
看護師は軽く頷いて、持ち場に戻っていった。
廊下に残されたロボロは、しばらく動けなかった。
……元気ない。
さっきの、俯いた目。 小さくなった声。 「怒ってる?」と聞いてきた顔。
全部、遅れて繋がってくる。
rbr(……俺が、やった)
距離を取ったつもりで、 守ったつもりで、 結果、傷つけとる。
rbr(謝ったほうが良いよな……。シャオロン、折角心開いてくれてたのに……、)
―シャオロン視点―
点滴が終わって、看護師が出ていったあと。
病室は、また静かになった。
sha(……元気ない、か)
言われて初めて、自覚する。
ああ、俺、そんな顔してたんだ。
sha(……そりゃ、そうか)
ロボロの態度。 距離。 声。
全部が、答えみたいだった。
sha(……もう、分かった)
ベッドの上で、ゆっくり息を吸って、吐く。
sha(……俺が、近づきすぎた)
あれ以上、踏み込んで。 これ以上、期待して。
それでまた、急に離されるのは、もう嫌だ。
sha(……だったら)
先に、自分から。
sha(……距離、取ろう)
“嫌われる前に離れる” それは、昔から身につけた、一番安全なやり方。
布団の端を、きゅっと掴む。
sha(……先生は、先生でいい)
優しくしなくていい。 特別じゃなくていい。
昨日の外も。 手の温度も。
sha(……忘れればいいだけ)
そう思おうとして、 思い出さないと決めたはずなのに。
sha(……会いたい)
その気持ちだけが、どうしても消えなくて。
シャオロンは、目を閉じた。
次にロボロが来たら。
きっと、前みたいに話す。
敬語に戻して。 余計なことは言わない。
sha(……大丈夫)
そう言い聞かせる声は、 自分でも分かるくらい、震えていた。
sha(……もう、期待しなければ、怖くない)
次の診察は、午後だった。
病棟の廊下を歩きながら、ロボロは無意識に歩調を整えていた。
……いつも通りや。
診察。
確認。
指示。
それだけ。
病室の前で立ち止まり、軽くノックする。
rbr「……入るで」
sha「どうぞ」
扉を開ける。
シャオロンは、ベッドに腰かけて待っていた。
姿勢が、妙に整っている。
こちらを見る目も、静かで――
sha「お疲れさまです、ロボロ先生」
その一言で、違和感を感じた。
……先生。
昨日まで、呼ばれてなかった呼び方。
rbr「……調子はどうや?」
いつもの確認。
声も、距離も、意識して変えてない。
sha「いつも通りです」
はっきりした口調。
余計な間も、揺れもない。
rbr「……熱は?」
sha「今朝は平熱でした。看護師さんにも確認してもらってます」
完璧すぎる返答。
ロボロは、カルテに視線を落としながら、ペンを走らせる。
正しい。
患者として、模範的や。
……せやのに。
rbr(……なんや、この感じ)
昨日まであった、言葉の端に残る迷いとか、ちょっとした遠慮とか、そういう“人の温度”が、きれいに消えている。
rbr(……壁、作られとる)
それも、分かりやすく避けられてるわけやない。
怒ってるわけでも、拗ねてるわけでもない。
ただ――
「医者」と「患者」に、きっちり線を引かれた感じ。
rbr「……外出の話やけど」
そう口にした瞬間、シャオロンの視線が、一瞬だけ揺れた。
sha「はい。必要であれば、控えます」
即答。
感情を挟まない声。
rbr「……いや、体調次第や」
言い直しながら、自分でも、何を期待してたんやろうと思う。
少しだけ、雑談でも入ると思ったんか。
昨日みたいな、「そっか」「ありがとう」みたいなやり取りを。
……仕事中に、何考えとる。
rbr「じゃあ、今日はここまでや」
sha「はい。ありがとうございました」
きれいなお辞儀。
目も、逸らされへん。
でも――
rbr(……近くない)
距離は、正しい。
正しいはずやのに……。
ロボロは、カルテを閉じて静かに病室を出た。
廊下に出た瞬間、小さく、息を吐いている自分に気づく。
rbr(……なんでや)
距離を取ったのは、俺や。
線を引いたのも、俺や。
rbr(……せやのに)
“その通りにされた”だけで、こんなに、落ち着かん理由はなんや。
さっきの敬語。
事務的な声。
感情を閉じた目。
rbr(……あかん)
守るためにしたことが、取り返しつかん方向に転び始めてる気がする。
それに気づいてしまった自分が、一番、厄介や。
コメント
2件
心が痛いですね…これが良いんですけど、😇2人ともその関係に戻ったらてぇてぇが見れなくなってしまうじゃないか!😑はやく前の関係戻ろう…