みなさんどうもお久しぶりです!
今回は後回しにしてたリクエストを消化していきたいと思います。今日のは結晶_.さんからのリクエストでございます!
・新旧詐欺師(付き合う前)
・軍パロ
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こちらの作品はご本人様とはなんの関係もございません
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「あ、大先生」
「お、チーノ…なんや、お前も煙草休憩?」
「はい、まあそんなとこです」
喫煙所のベランダに出ると、そこには青紫色の煙を漂わせている先客がいた。
今日は他国との戦争に勝利した祝いとして幹部全員でパーティーをしていた。本当なら戦いが終わったその日に翌日に行う予定だったが、俺が結構な傷を負ってしまったため治ってからと言う事になり今日に至る。
「シッマは相変わらずショッピに絡んどんの?」
「そっすね、少なくとも俺は絡まれたくなかったんでショッピに任せて逃げてきました」
「ふ、そうか…笑」
話しながら大先生の隣に立つと、少し驚いたように一瞬こちらを見て一歩離れる。
…ここ数日ずっとこうだ。あの戦争が終わってからずっと、大先生に微妙に距離を置かれている気がする。話していても喋り方が変にぎこちないし視線が合わない。いっその事、本人に直接聞いてしまおうか。
「ねえ大先生、最近俺と距離置いてます?」
「…え、なんで?」
「だって、最近話しかけても早々に話切り上げてどっか行っちゃうし全然目合わせてくんないし」
質問の内容が予想外だったのか、驚いた様子で聞き返して来る大先生に答えると、やはり気まずそうにして目を逸らされた。
「え〜っと…そんなにわかりやすかったか、俺?」
「まあはい、結構傷つく位には」
「そっか、ごめんな、別にチーノが嫌で避けとったわけじゃないで」
「じゃあなんで避けてたんすか」
ほとんど問い詰めるような形で聞くと、観念したと言わんばかりに話してくれた。
「その〜…この間の戦争の時にチーノ怪我したやろ?あん時すぐ横におったのに反応しきれんくて目の前でやられたから、何ちゅうかその…申し訳なくてな?」
「…なんや、そんな事やったんすか?」
いかにも深刻な感じで話し始めたから何かと思えば、想定すらしていない俺への申し訳ないという言葉が出てきて少し拍子抜けしてしまう。
「いや、そんな事って…」
「あれは別に誰のせいでもないですよ!第一、大先生が反応しきれんかったって言っても本来は俺が自分で気付いて対処せなあかん事なんやから。逆にそれで距離置かれる方がダメージでかいんすけど?」
「…そか、すまん」
「ん、じゃあこの気まずい距離は今で解消ですね」
一人で勝手に納得して先程空けられた距離を詰めると、ちょっと困った顔をしてこちらを見つめる大先生がいた。
「?大先生、何すか?」
「っあ〜、いや、…チーノ」
付けていた煙草の火を消して、トーンを落とした声で話しかける大先生。今までに見た事がないほど真剣な眼差しに、こちらまで神妙な顔になってしまう。
「俺が今からする事、許してな?」
「え、何が、」
尋ねても何も答えずにこちらに近寄ってきて、大先生の右手がそっと俺の頬に添えられる。何がしたいのかよくわからないままじっとしていると、突然大先生が顔を近づけてきた。驚いて咄嗟に目を瞑ると額に柔らかな感触が伝わり、大先生の手が頬から離れて行く。少し間をおいて、漸く額にキスをされたのだと気付く。
「なん、大先生、今、何して…?」
「いきなりこんな事してごめんな。お前にずっと言いたかってん。チーノ、好きや」
「は、」
想像すらしなかった言葉に固まる。俺を好き…?あの女好きの大先生が…?いや、きっと何かの冗談でどっかでショッピとかが撮影して…
「…やっぱ、嘘やと思っとるよな」
「え、あ〜、いや…」
「まあ今までの俺見ててそれ疑わないやつの方が少ないとは思うけど、今言ったのは冗談でも何でもない俺の本心やで」
思っていたことを言い当てられて言葉に詰まる俺に、予想通りだとでも言うように答える大先生。
「確かに俺は今まで女好きやったし別に今も嫌いな訳やない。でもお前の事好きになってからは女遊びもしとらん。これまで遊んできた奴らとも、もう縁切って会ってない。言い訳みたいになるけど、俺は本気やで」
「ぇと、そ、れは…」
「勝手なのは分かっとる。でも俺は本気でお前が好きや。だから迷惑かけるかもしれんくても言いたかった。言って、少しだけでもお前に俺の事考えてて欲しかったんよ。」
俺に喋る隙すら与えず、淡々と一息で話し終えるとこちらの様子を伺ってくる。
「なあチーノ、別に返事が欲しい訳でも付き合って欲しいって強制する訳でもない。けど、ちょっとでいい、俺のこと考えてくれんか?」
「…っ、…」
俺も兄さんのこと好きですよ。そういつものように笑って流そうとした言葉が音にならずに掠れて零れ落ちていく。
冷静に感じられた大先生はその口調とは裏腹に暗闇の中でも分かるほど耳まで赤く染まっていて、瞳は不安に揺れていた。それを見た瞬間に心臓が跳ねる。
あかんよ、大先生。いつもはあんな意地の悪いこと言って楽しそうにしてるあんたに。そんな瞳で、そんな声で、そんな顔で言われたら、冗談だなんて思えない。
「…?チーノ大丈夫か?」
「や、ぇっと、おれ、は…」
黙ってしまった俺を心配して手に触れてくる大先生。驚いて離れようとしたが、考えている事とは反対に体が動かない。触れ合っている左手がむず痒くて離れて欲しいと思うのに、頭のどこかで離さないで欲しいと思う自分がいる。
「だいせんせ、ごめんなさい、おれ、わかんな、…」
「…うん、わかっとる。」
「でもっ…さっきの、は、その、いやじゃ、なかったです…」
俺の答えに大先生は一瞬だけ悲しそうな顔をして、それから辛そうな笑顔を浮かべた。その瞬間、何故かはわからないが胸が痛み、気付けばこんな事を口走っていた。
「……ははっ、そーか嫌やなかったか。なら良かったわ。…なあチーノ」
「っ…」
嬉しそうに笑った大先生は先程とは違って何か吹っ切れたような清々しい表情でこちらの手をぎゅっと握ってきて、いよいよ逃げ場なんて無くなった。
「俺、諦めへんよ。ちゃんと答え聞けるまで、ずっと、何回でも言ったる。チーノ、お前が好きや」
このいやにうるさい心臓の音は、止まることを知らない手の震えは、己の顔に集まる熱は、一体何なのだろう。
ああ、神様。もしも今どこかで僕たちを見ているのならば、どうか。
この気持ちを恋だと言ってくれませんか。
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はい、どうだったでしょうか!
初リクエストがこんなんでいいのか…軍パロ要素が薄すぎるッピ…><
そして最近コメントしてくれる方が増えて嬉しいです、すごいモチベになってます(*´꒳`*)
よければ、ハート・コメントお願いします!以上、からでした!
コメント
4件
めっっちゃ好きです( ;;)( ;;)付き合う前のこの期間まじで何回でも読みたいです泣 詐欺師のふたりが恋っていう不確かなものに翻弄されるのほんま、、萌、、