テラーノベル
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土曜の朝、南さんにLINEで洗いざらい相談したところ、即「すぐにでも直接お話しましょう」と返事が来た。
「ちょうどよく九様もいますので。まず和泉さん側からお話を伺います。お迎えにあがります」
早くないか!? いや、休みだし時間はあるけど!
とりあえず、俺は千歳に声をかけた。
「ごめん、南さんに呼び出されたからちょっと出かけるよ」
『ん? なんか用事か?』
「ちょっと俺に話聞きたいってことで」
『ふーん、いってら。昼飯はいるよな?』
「欲しいです」
『うん、作っとく』
所帯じみた会話をしているうちに、南さんは急襲と言ってもいい勢いで俺んちに車を回してきた。えらく真剣な顔をしている。
「事態はLINEでお伺いしましたので、いつもの喫茶店で策を練りましょう」
「あ、ありがとうございます……」
南さん、何でこんなに親身になってくれるんだろう、こんな情けないBSSなりかけに……。
いつもの喫茶店に行くと、九さんがもういた。
「話は聞いたぞ、アホかお主」
「返す言葉がありません……」
俺は縮こまった。
「まあ、千歳を好いているのはわかっていたが……千歳が子供だから待っているのだろうと……」
「待っていたと言うか、千歳は色恋興味ないだろうと思って、免疫だけつけさせようとしてこの有り様です……」
個室席で、九さん南さんと向かい合って座る。どうしようか、俺のよさを千歳にアピールすればいいのか? という話になった。
南さんはぐっと拳を握った。
「私はやりますよ、和泉さんのよさのプレゼンを……!」
「よいのう、まくし立てていけ」
「千歳さんの周りに和泉さんのよさを言わせるより、私がまず千歳さんに和泉さんのよさをプレゼンしたほうがよくありません? まどろっこしくなくて」
南さんの言葉に、九さんも頷いた。
「千歳も、お主から離れる気はあまりなさそうじゃしのう」
とは言っても。
俺は疑問を口にした。
「でも、私のいいところってなんです……?」
南さんも九さんも、こいつアホか? みたいな顔をした。
「本気で言っとるのか、お主?」
「数え切れないくらいあるじゃないですか!」
「え、そうですか?」
「和泉さんがいなければ、今の千歳さんはないし、今の世界は平和じゃなかったんですよ!」
「そ、そうですかね」
確かに、俺は千歳にできるだけのことをやってきたし、和束ハル討伐にもある程度関わったけど……。
3人でそんなふうにわちゃわちゃしていると、ふと、知らない女性の声がかかった。
「あら、九、その人が和泉豊さん? 私もご一緒させてくれない?」
声がした方をみると、蠱惑的な笑顔を浮かべる、えらくきれいな女性がそこにいた。
「……ミクズメ!」
九さんが、さっと顔色を変えた。
コメント
1件
うわ、また新しいキャラ出てきた!しかも九さんが明らかに警戒してる「ミクズメ」って人…これは何か因縁ありそうだね。 個人的には南さんが「和泉さんのよさをプレゼンします!」って力入れてくれてるのが微笑ましかったな。主人公が自分の良さに気づいてない感じも、なんかわかるわ〜。でも千歳とのほのぼのした朝の会話(「昼飯はいるよな?」「欲しいです」)の空気感が好きなんだよな。ああいう関係、いいよね。 この不穏な空気、どう転ぶんだろう。続き気になる!
#復讐
臣桜
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