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凛道桜嵐 新
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がくじゅつてき・あかげ
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わーい
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ええ、もう、ミクズメさん登場で一気に空気変わったね!和泉くんが「距離感…」って困ってるのが可愛すぎて笑ったし、九さんの「戦るか?」がバチバチで痺れた〜😳💕 でもその後、千歳が帰ってきて「一発くらいやらせてくれそう」って言い放ったの、マジで心臓に悪いよ!好きな人本人にそれ言われるのキツすぎるやつやん…!南さんの動きに期待しつつ、続き待ってます🔥
九さんは吠えた。
「何をしに来た!」
ミクズメと呼ばれた女性は、小首を傾げた。
「噂の人をひと目見てみたいと思って、あなたの気配をちょっとね」
ええ? 誰この人?
「ど、どちら様です?」
俺は困惑しつつ、ミクズメさんに声をかけた。今まで接したことないタイプの女の人だ。こんな見方よくない気がするが、仕草がいちいち色っぽいし、引っ込むところは引っ込んでるけど出るところは出ていて……すごく……肉感的な人だぞ!
南さんは目をまんまるにして絶句している。南さんがこんなってことは、ミクズメさん、多分普通の人じゃないな。
九さんが嫌そうに言った。
「こいつは九尾の狐じゃ、妾と同じ」
「こんにちは、ミクズメと申します」
ミクズメさんはすすっと寄ってきて、俺の隣に座り、俺の太ももに触れてくるので俺は距離の近さにビビった。
「えっ、ええっ」
九さんが眼尻を釣り上げた。
「和泉に妙な触り方をするでない!」
「あら、嫌がってらっしゃらないようだけど?」
ち、近いとすごくいい匂いがする! でも、近づくとまずい人な気がする!
俺は、なんとか言葉を絞り出した。
「あ、あの、近いなとは……もう少し距離感を……」
「ウブなのねえ」
「ど、どういう方なんでしょうか?」
九さんに説明を求めると、九さんは吐き捨てるように言った。
「こやつは狐の面汚しじゃ! 九尾の狐は本来瑞獣じゃというに! それをこの女一人が印象を落としたんじゃ!」
ミクズメさんは「あらあら」と微笑んだ。
「私はお金と権力がある男の人を喜ばせるのが好きなだけよ?」
よくわからないけど、なんかヤバい女の人らしいぞ?
俺は、できるだけミクズメさんから体を離した。
「あ、あの、私はどっちもありませんので、くっついても特に得はないかと……」
「あら、あんな強い怨霊と宇迦之御魂神様に目をかけられて、世界を壊そうとした術師にまでとどめ刺して、それは通らないわよ?」
ミクズメさんは蠱惑的に微笑み、俺の頬を人差し指でつついた。
「え、えええ……」
どうしよう、困った。これ、俺、言い寄られてるの? いやそんな、いきなり現れた人にそんなことされても!
「あの、私は確かに強い怨霊と仲良くしていて、宇迦之御魂神様に助けていただいたこともありますが、和束ハルについては本人が諦めただけですし、経歴がすごく見えるのは時の運や成り行きが複雑にミックスした結果でして、特に私がすごいということではなく」
「あら謙虚。もう少し調子に乗っていただいてもいいのだけど」
ミクズメさんは、俺の頬からつーっと指をすべらせて、俺の顎を持ち上げた。
「私、あなたにとっても興味あるの。これから、仲良くしません?」
きょ、距離が……近い!
「あっあの、申し訳ありませんが過剰な身体接触は控えていただけますとありがたいのですが……」
「あら! あんまり触らなければ仲良くしていただけるのですね!」
ミクズメさんはにっこりしたが、その背中を九さんが引っ掴んだ。
「和泉に妙なちょっかいを出すでない、戦るか?」
「あら怖い。今日はここで消えさせていただきますわ」
ミクズメさんは手のひらで自身の口を抑え、ポンと音を立てて、本当に消えた。
南さんがうめいた。
「あ、あれはもしかして、た、玉藻の……」
九さんはげんなりした顔だ。
「面倒な奴が来たのう……」
「あの、あの人はどういう人なんでしょうか、私は目をつけられちゃってます?」
俺が聞くと、九さんは大きなため息をついた。
「あいつは稀代の悪女じゃ、関わるな。妾のほうでどうにかしておく。お主は千歳とのことに集中せい」
南さんが慌てたように言った。
「わ、私、まず千歳さんとも話してみますから! 和泉さんをどうPRすれば、千歳さんに響くか調べます!」
「それがよいじゃろう。千歳が和泉から離れる気があるかかないか、だけでもはっきりさせておけ」
それはぜひ知っておきたい!
「それをはっきりさせるだけでも、どうかお願いしたいです」
俺は二人に頭を下げた。
そんなこんなで、南さんが千歳に話を聞くことだけは決め、家に帰ると、千歳の『お帰りー!』の声が出迎えてくれた。
千歳はスマホに話しかけていた。
『ごめん錦くん、和泉帰ってきたからこの辺で!』
「じゃあまた!」
あ、錦くんとビデオ通話かなにかしてたのね……帰って早々、心にくる場面を見せられたな……。
『お疲れ。南さん、なんの用事だったんだ?』
「え、えっとその、千歳と錦くんがどんな感じか聞かれてて……」
『ワシに聞けばいいのに』
「千歳にも今度話聞きたいらしいけど、なんか、俺、九さんとは別の九尾の狐さんに目をつけられちゃったみたいで」
ミクズメさんのことを話すと、千歳は『なんかヤバい女なのか?』と首を傾げ、それから言った。
『でも、一発くらいやらせてくれそうだな?』
「どうしてそっち方向に話がいくの!」
ヤバい人とそんなことするのまずいよ!
千歳はむくれた。
『だってさあ、お前好きな人がいるって割にその人に告白も何もしようとしないじゃないか。グイグイ来てくれる女がいるなら、そっちとやることやって子供作ったほうがいいんじゃないか?』
「そ、そんな……」
好きな人本人にそんな事言われると心にくるんだけど!
「さ、流石にいきなりそんな……」
『文句あるなら、今からでもお前の好きな人にグイグイ行けよ』
「ううっ……」
行けない理由があるんだよな……。
まあ、ミクズメさんのことは九さんがなんとかしてくれるみたいだし。あと南さんも動いてくれるし……。南さんの動きを待とう。