テラーノベル
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グレッグの落ちた穴で出口を探していた進たちの前に強敵魔導ゴーレムが現れた。
「グレッグ、マリー戦うしかないみたいだが、やれるか?」
「進さんと一緒なら誰とでも戦いますよ!」
「やらなきゃ死ぬんだろ!だったらやるしかないだろ!」
二人とも協力的なようだった。
「見たところレベルはそこまで高くない。」
「アイツ一匹なら協力すれば何とかなるかもしれない。」
「グレッグはオレと一緒に前線で戦う、マリーは後方から魔法の支援を頼む。」
「ススムさん、分かりました。」
「お前の動きにオレが合わせるのかよ。出来るはずないだろ!」
グレッグは曲がりなりにも進と自分の実力差を理解しているようで、進の提案を拒否した。
「なら奴の気を一瞬反らしてくれるだけでいい。」
「分かったやってみるぜ。」
「セイゾンシャハイジョスル!」
魔導ゴーレムの頭に埋め込まれた魔石が光りだし、エネルギーが集まっている。
「あれはヤバい!マリーもっと後ろに下がっていろ!」
進は慌ててマリーに退避を要求する。
ゴーレムの頭から光速でレーザーが発射された。
「ズドーン!」
レーザーは凄まじい爆音をあげ、鈍い音と岩石の破片がスローモーションで宙を舞った。
砂煙が立ち込める中、進たちは生きていた。
「危なかった、なんて威力だ。土壁(ストーンウォール)を5重に重ね掛けしてやっと防げた。」
進の周囲の岩石は消し飛んで、熱気と焼け土が周囲に散乱していた。
「あんなの直撃したら、流石に無事では済まないだろうな。」
「おいまた来るぞ!」
「そんな事させるわけないだろ!」
第二弾にはどうやらチャージする時間が、一発目より掛かっているようだ。
「身体強化発動!」
「魔力強化発動!」
進は自分自身とマリー、グレッグに強化魔法を使用した。
「これで最悪さっきのを直撃しても耐えれるハズだ。」
「直撃する前提かよ…。」
進は、身体強化によってスピードが増したことにより、魔導ゴーレムとの距離を詰める。
「テキセッキンカクニン!ゲキタイホウホウヘンコウ!マドウレーザーカラカクサンホウニキリカエカイシ!」
魔導ゴーレムは、体の中央を開き、自身の砲門を露わにした。
「攻撃方法が変わった!?」
進は驚いたが、臆することなくさらに加速して、魔導ゴーレムに接近した。
「カクサンホウハッシャ!」
魔導ゴーレムの砲門から砲撃が開始された。
進の周囲に拡散弾がばら撒かれたが、進はそれを紙一重で躱していく。
「やはりスピードが遅い!止まって見えるぞ!」
進はニヤッとしながら、魔導ゴーレムの懐に入っていき、神聖剣(セイクリッドブレード)で胴体を真っ二つにしようとするが、流石に硬いようで真っ二つには出来なかった。
「ススムさん危ない!」
魔導ゴーレムの拳が進に向けられたので、マリーが声を挙げた。
「緑魔法:大樹の手」
マリーの魔法によって、マリーの元に一気に木が生え、その枝が纏まり手となり、ゴーレムの攻撃を防いだ。
「マリー助かった!」
進は神聖剣(セイクリッドブレード)による目にも止まらぬ連撃を魔導ゴーレムに喰らわせていった。
流石の魔導ゴーレムも効いているようで、一気に押されているようだった。
中々、マリーの拘束が解けないため魔導ゴーレムは反対の拳で進に攻撃をしたが、その瞬間グレッグが攻撃を受け止めた。
「グレッグお前!」
「クソ痛てぇ!悪いがお前の盾になることくらいしかオレにはできないようだ!」
魔導ゴーレムは両手が塞がれている状態だったため、拡散砲での攻撃に切り替えようとしていたが、その隙を進は見逃さなかった。
「お前たちの作ってくれたチャンスを無駄にはしない。」
「こいつで止めだ!」
「斬光一閃(ざんこういっせん)!」
多大な光の魔力を纏ってより強力な光を帯びた神聖剣(セイクリッドブレード)が魔導ゴーレムの胴体を切断した。
「コウゲキフノウ!コレヨリキンキュウテイシイタシマス!」
魔導ゴーレムはそう言い残し、その頭の魔石は光を失い、倒れた。
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~魔坑道最深部~
進たちが魔導ゴーレムを倒したことに反応した男が居た。
その男は玉座に座りながら、不敵な笑みを浮かべた。
「ほう!俺様の魔導ゴーレムを倒すほどの者がここに来ているのか!」
「ククク…少しは楽しませてくれるのかな?」
男の笑みは不気味にダンジョン内に響いていた。
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