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蛍くんと私の帰りの準備が終わり、一緒に体育館を出る。
『でも蛍くん、山口さん?はいいの?』
「ああ、山口は先に帰った」
『そっかー、良かった!』
しばらくの無言の間、私は考え事をしていた
(今思い返すと、蛍くん……)
(ぜんっぜん表情変わらないな!!)
(なんか常に真顔っていうか…)
私は表情が全然変わらない蛍くんに不満を持ち、作戦を実行することにした。
『蛍くんって身長高いよねー!』
きっと褒めれば表情なんか変わるだろう。
「うん。」
(あれ…?全然変わらない!)
(褒め言葉だと思ってないのかな…?)
私はよりムキになり、口を開いた。
『バレーしてる蛍くん、かっこよかった!』
(…え?)
蛍くんの足が急に止まる。
「…ブロックなんて地味な仕事、かっこよくないでしょ。」
『え、かっこよかったよ!』
『私は好き!』
(あ、やば…言いすぎた!)
私は調子に乗ってしまいつい喋り過ぎる。
「〜〜〜…」
蛍くんは言葉を発さずモゴモゴしていた。
(!これはまさか)
私は蛍くんの顔を覗く。
『やったー!!』
蛍くんはすこし顔がにやけていた。
「え、何?」
『あの、蛍くんの真顔以外の顔が見たくて…』
「…」
『蛍くん?』
「じゃ、さっき言ったことって嘘?」
『え、いやちが、』
「もうここ家でしょ。」
「じゃね。」
…行ってしまった。ああー!どうしよう。誤解をされてしまった。
(とりあえず、DMで、、)
📱<ピロン
あ、菅原さんからDM来てる。
【西川、もう家帰ったー?】
〖はい。帰りました。〗
【西川今日の武田先生の話聞いてなかったろ】
【俺には分かる!!】
〖…?〗
〖すみません!聞いてなかったです…〗
【まったく〜笑】
【今度の練習試合で、城西と戦うんだよ】
〖え!城西!〗
(初心者の私でも分かる、強いところ!)
【来週の火曜にやるんだって!】
〖え…結構急ですね。〗
【まぁ武田先生が土下座したかと心配だったけど、大丈夫そうで良かった。】
〖え…結構急ですね。〗
↪︎【そうだね。でも頑張ろ!】
〖はい!〗
〖土下座…?〗
(城西かー・・・、勝てるかはわかんないけど、
楽しみだなー!)
私はワクワクしながらお風呂に入った。
蛍くんのことも忘れて。
<続く>