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#꒰ঌ匿名ちゃん✟໒꒱
꒰ঌ 匿名ㄘャん ✞ ໒꒱
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「えっと……。」
青年は校門の前で立ち止まる。
大きな校舎を見上げ、小さく息を吐いた。
「思ったより大きいですね。」
「そう?」
「はい。前の学校よりずっと。」
そう言って笑う。
その笑顔に、自然と俺も笑い返した。
「⋯緊張してる?」
「少しだけ。」
「大丈夫、」
何気なく口をついて出た言葉。
「君ならすぐ友達できるよ。」
「……え?」
青年は不思議そうに首を傾げる。
「あ……なんとなく。」
「ふふっ、そうだったら嬉しいです。」
危ない。
まただ。
知っているから。
君のことなら、何でも。
どの教室で迷うのか。
誰と最初に話すのか。
昼休みは窓際でパンを食べること。
体育が苦手なこと。
猫を見ると立ち止まること。
笑うと少しだけ目が細くなること。
全部。
全部知っている。
だからこそ。
「……っ、」
言い過ぎちゃいけない。
知っているはずのないことまで話してしまえば、君は困った顔をする。
何度も。
何度も見てきた。
「どうかしました?」
「いや、何でもないよ。」
校舎へ入る。
廊下には新しいクラスを探す生徒たちが集まっていた。
青年は貼り紙を見つけると、小さく声を上げる。
「あ、あった。」
その反応まで同じだ。
思わず笑ってしまう。
「?」
「ごめん。」
「何か変でした?」
「いや。」
首を横に振る。
「……変わらないなって。」
「え?」
「桜。」
窓の外を指差す。
風に揺れる花びら。
「毎年綺麗だから。」
咄嗟についた嘘。
青年は窓の外を見て、穏やかに笑った。
「本当ですね。」
その横顔を見つめる。
今度こそ。
君を助ける。
教室へ入る直前。
俺は誰にも聞こえないほど小さく呟いた。
「絶対に。」
その瞬間。
胸の奥で。
どくり、と何かが脈打つ。
まるで。
――その願いを否定するように。
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