「責め恋」政宗一臣先生Ver.

絡め取ろうとする舌から、首を振りたくり懸命に逃げようとするのを、

力ずくで頬を片手に掴み上げ、さらに奥へと舌を捻じ込んだ。

「んっ…やめ…」

「……やめて…いいのですか？」

舌先を引いて、反応を窺う。

吸い寄せられるように追いすがってくる唇に、

ふっ…と笑いが漏れる。

「……してほしいと、体の方はねだっているようですが……」

やはり、女性など誰も変わらない……この私に抗えるわけもないのだと……これ見よがしに濡れた唇を押しあてた──。

……焦燥感に駆られるように、彼女を執拗に追い立てた。

どこまで自分は本気なんだろうかと……ふと我に返る度に、

自らを奮い立たせるように、責める言葉を吐いていた。

「……ボタンをはずしなさい。さぁ、その手で……」

自分から落ちてしまえばいいと、服を脱ぐよう強要する。

「イヤ…です……」

「イヤ？　……そう、まだそんな余裕があるのですね…。……それなら、もう少し激しく、してあげましょうか……」

噛み合わせに指を押し込み口を開けさせると、唇で深く吸い付いて、

「……私から逃れようなどと、下らないことだと思った方がいい……」

キスをやめないままで唇を啄んで告げると……

やがて、彼女は熱に浮かされるように服に手をかけボタンを外しかけて、

ほら……と、感じた。

所詮は、同じではないか……この女性も、私の思うままだ……。

そう思ったら、微かな笑みが口元に浮かんだ……。

外されたボタンを見つめ、

「いいでしょう……」

と、勝ち誇るかのように口にして、

「……今夜は、ここまでにしといてあげますよ。……これからじりじりと、あなたの身体に教え込んでいってあげますから……」

レンズの奥で目を細めた──いずれ私には抵抗などできないよう、快楽に溺れさせてあげますからと……。

「……その身体の火照りは、キスでおさめてあげますから……口を、開けなさい」

命令口調で言い、言われるままにひらかれた唇に、

「……そう、それでいいんですよ……」

口の端を吊り上げて笑いつつ、

「キスだけで、達かせてあげますから……」

と、冷えた唇を迫らせた──。